AIで自社開発か、既製品購入か【後編】

「CXツール」をAIで自社開発すると危険? 顧客データにもたらすリスク

パーソナライズされた体験を提供するために、AI技術を活用して独自のCXツールを構築することは一つの手だ。しかし顧客とのやりとりをAIに学習させることで、リスクも生じる。利便性と欠点のトレードオフとは。

 生成AIをはじめとする高度なAI技術の台頭によって、企業のIT戦略における「自社開発(Build)か、市販ソフトウェアの購入(Buy)か」という古典的な議論は新たな局面を迎えている。AI搭載の開発ツールを活用すれば、高度な機能を備えたシステムを短期間で一から開発、導入可能になりつつあるからだ。

 この変化が顕著に現れているのが、企業の競争力を左右するCX(顧客体験)だ。多様化する顧客のニーズに応え、一人一人に最適化されたパーソナライズ体験を提供するために、企業はさまざまな機能を組み込むことを模索している。

 本稿は、顧客接点を高度化するCXツールにおいて、AI技術を活用した自社開発がもたらす可能性とそのメリットを解説する。同時に、機密性の高い顧客データを扱うことで生じるプライバシーやセキュリティのリスク、システム連携の壁といったトレードオフを検証し、激変する市場で企業が取るべき戦略的アプローチを考察する。

CXツールを自社開発するか、購入するかの分かれ道

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