「経験に依存する」状態から脱却
花王がAI「Kao-MIKOMIL」で需要計画 経験依存を脱し在庫25%削減へ
需要計画を立案する際、商品の販売実績や担当者の経験が重要な役割を果たすという企業がある。一方花王は、根拠付きの需要計画案を提示するAIエージェントを開発した。
花王は2026年8月17日、需要計画の迅速な立案に向け、自社開発のAIエージェント「Kao-MIKOMIL」の運用を開始したと発表した。本稿は、AIエージェント導入までの背景を紹介する。
AIエージェント導入までの背景
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同社はこれまでも自社データを重要な経営資産と位置付け、事業や生産、物流、販売の各データを連携させるプラットフォームをグローバルで運用してきた。商品情報や需給データを全社データ基盤「Kao i-Lake」に集約し、約18カ月先までの月次予測と約6カ月先までの日次予測に基づいて生産計画を策定する仕組みを構築している。しかし、具体的な需要計画の立案にあたっては、類似商品の販売実績や担当者の経験を基に、デジタル戦略部門のデータサイエンティストと事業部門の担当者が連携して内容を検討しており、労力と時間がかかっていた。
こうした課題を解決するため、花王では、自社のデータサイエンティストが事業部門に常駐して現場の運用実態を把握した上で、Kao-MIKOMILを設計した。同システムは、AIが算出した客観的な予測値に対し、販促計画や販売チャネル、価格などの施策情報を加味して、需要計画案と具体的な根拠を提示する。事業部門の担当者は既存品や新商品を問わず、AIが提示した案と根拠を確認し、部門間で調整した上で実行計画を決定できるようになる。計画策定にかかるリードタイムの短縮や業務プロセスの効率化を見込んでいるほか、継続的な利用によってデータや知見を蓄積し、計画精度のさらなる向上にもつなげたい考えだ。
花王はまず、化粧品ブランド「KATE」での運用を通じて業務効果を検証し、他の化粧品ブランドにも順次活用範囲を広げていく。需給計画の精緻化によって適正在庫を維持し、機会損失を極小化することで、サプライチェーン全体の効率化と投下資本利益率(ROIC)の向上を目指す。さらに、2027年までに化粧品事業の製品在庫を約25%削減(2024年比)する目標を掲げている。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「花王、需要計画立案AIを開発 根拠提示で意思決定を迅速化し化粧品在庫25%減へ」(2026年8月18日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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