EDI、EAI、ネットワークをAWSで刷新
「EDI終了」で露呈する連携システムの脆さ コーセーに学ぶ再構築の基準
EDIの提供終了は、データ連携システムを見直す絶好の契機だ。単なるツールの乗り換えで済ませれば、運用の属人化や災害対策の脆弱性といったリスクは残る。コーセーがシステム全体を刷新した選定基準を解説する。
企業間取引のデジタル化が進む中、これまで利用してきたEDI(電子データ交換)サービスの提供終了に直面する企業は、どのような選択をすべきなのか。これを単なる「新しいEDIツールへの移行プロジェクト」と捉えてしまうと、大きな落とし穴にはまる可能性がある。
企業において、EDIやEAI(企業アプリケーション統合)などのデータ連携システムは、長年の運用によって複雑化するケースが少なくない。担当者の異動や退職に伴い、運用ノウハウが属人化している場合もある。オンプレミスサーバにシステムが残っている場合、災害時の事業継続計画(BCP)における脆弱性も懸念される。
こうした中、化粧品大手のコーセーは、利用していたEDIサービスの終了を機に、システム構成を抜本的に見直した。単なるEDIの置き換えではなく、EAIやネットワークを含む連携システム全体の刷新に踏み切ったのだ。
「単なる移行」では解決しない、データ連携システムの課題とは
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データ関連システムの刷新
コーセーは、企業間データ連携システムを刷新した。TISIが提供する「EDIプラットフォームサービス」「データ連携プラットフォーム構築サービス」「統合型セキュアネットワークサービス」を採用している。2026年9月16日、TISIが発表した。EDIやEAI、ネットワーク構成を一体的に見直すことで、システムの安定運用と運用業務の効率化を図るとともに、EDIサービスの年間利用料を約25%削減した。高いレジリエンスを備えたインフラへの移行によって、BCPの強化にもつなげる。
1946年創業のコーセーは、「コスメデコルテ」や「雪肌精」をはじめとする多彩な化粧品ブランドを保有し、グローバルに事業を展開している。企業間取引のデジタル化やクラウド活用が広がる中、データ連携システムには安定した稼働に加えて、自由度の高い拡張性や効率的な運用管理が求められていた。
コーセーでは長年利用してきたEDIサービスの提供終了に伴い、将来的な事業条件の変化に適合できる新たなインフラの選定に着手した。EDI、EAIを含む連携システムの一部がオンプレミスインフラとデータセンターに残っていたことから、Amazon Web Services(AWS)への移行を通じたBCP強化と運用の最適化も重要な課題となっていた。一部のシステムでは担当者の異動や退職に伴う運用ノウハウの属人化も生じており、単なるEDIの置き換えにとどまらず、EAIやネットワークを含む連携システム全体の刷新を検討した。
連携システムの再構築に当たっては、TISIが持つEDI分野での豊富な実績と技術力に加え、EDI、EAI、ネットワークを一体的に提供して全体最適化を図れる総合力を評価した。複雑な接続方式や取引先ごとの個別条件への適合力、AWSへの移行を支援できる体制も決め手となった。
新システムの採用によって、従来比で年間利用料を約25%削減した。TISIのサービスが定額制を採用しているため、データ量の多い取引先との連携において高いコストメリットが得られたという。EDI、EAI、ネットワークをワンストップで管理できる体制を整えたことで、社内外のシステムが入り組む接続設定を一元化し、安定稼働と運用業務の効率化を両立させた。
BCP対策の面では、遠隔2拠点での分散・並列処理を実現するTISIの特許技術を活用したEDIプラットフォームサービスに移行した。障害や災害の発生時にもデータ連携を継続できるレジリエンスの高いインフラを整え、事業継続性の向上とBCP対策の強化につなげた。
コーセー 情報統括部基幹システム課の関 真人氏は、TISIの選定について「EDIに対する知見が非常に深く、接続先や利用技術について相談した際にも、実績を踏まえて迅速に理解していただけた。最初から信頼感があった」と評価する。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHUB.News」に掲載された「コーセー、企業間データ連携基盤を刷新 EDIコスト25%削減とBCP強化」(2026年9月17日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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