「電子健康記録」(EHR)、「電子医療記録」(EMR)、「個人健康記録」(PHR)は、いずれも患者の医療データという点では同じだが、活用方法やデータの共有範囲、管理主体に違いがある。
2019年9月3日
院内に多様なシステムが存在する医療機関では、単一ベンダーのシステムに統一して情報の連携性を高める手法を採用することも多い。しかし、いわゆる“ベンダーロックイン”の弊害を気にする傾向ももちろんある。
2012年11月8日
「電子健康記録」(EHR)とも呼ばれる「電子カルテ」は、患者の健康に関する個人データを指す。通常、電子カルテは医療機関の電子カルテシステム(EHRシステム)で管理する。患者がモバイルデバイスを使って自身の健康記録にアクセスすることを望むようになったことから、電子カルテの用途は広がりつつある。(続きはページの末尾にあります)
電子カルテは患者の連絡先情報や医療機関の受診記録、加入保険に関する情報、現病歴/既往歴、予防接種履歴、処方箋の履歴などのデータを含む。電子カルテシステムは、テキストデータだけではなく医用画像の管理も可能だ。電子カルテを利用することで、複数の医療機関や医療従事者の間で、患者の情報の共有や更新が容易になる。患者に対して適切な医療行為を提供するために、電子カルテは役立つ。
患者データを電子カルテシステムに集約することで、そのデータを公衆衛生管理や医療制度の品質向上に役立てられる可能性がある。電子カルテの標準化を進めることで、医療行為の質の向上や医療従事者の業務効率化を目指す取り組みを、政府主導で実施している国もある。
電子カルテシステムには、まだ改善の余地がある。具体的には、医療機関が抱える以下の課題を解決するための機能の追加が挙げられる。