ビジネスの改善に役立つか
ソーシャルネットワーキングをビジネスに活用するCIOたち
ソーシャルネットワーキングとは、コラボレーションを別の言葉に置き換えただけなのだろうか?
ソーシャルネットワーキングを自社のビジネスで活用するためには、ITリーダーはどのような役割を果たすべきだろうか。ソーシャルネットワーキングとは、ITリーダーたちがこれまで20年間にわたって築き上げてきたコラボレーションを別の言葉に置き換えただけなのだろうか。あるいは、ビジネスに対するITの価値を実現する素晴らしい新手法なのだろうか。それとも、IT部門が設計、実装、サポートしなければならないアプリケーションが1つ増えただけのことなのだろうか。
この疑問に対してわたしなりの結論を導き出すためには、CIOたちがソーシャルネットワーキング技術を自社のビジネスでどう利用しているかについて調査する必要があった。例えば、わたしの親友のCIOは社内ブログを立ち上げた。その目的は、従業員同士および従業員と上司との間のコミュニケーションを促進すること、そして業務改善の提案をしやすくすることだった。
そのCIOは社内ブログの開設後すぐに、それをどのように管理するのかについて数々の判断を迫られることに気付いたという。
- 従業員は匿名で投稿すべきだろうか?――彼はそうすべきだと思った
- 誰が業務方針に関する質問に答え、誰が提案を検討するのか?――彼は幹部チームのミーティングで提案を配布するようにした
- 社内ブログが従業員の不満のはけ口のサイトになったらどうするか?――「CEOがわたしの30倍もの給料をもらっているのはなぜか」といった質問にも、彼は忍耐強く答えた。やがて、従業員のコミュニティーがブログの秩序維持のために自己管理を行うようになった。社内ブログの試験運用を開始してから6カ月が経過した今、彼はブログが価値を生み出したと感じており、部門別ブログを開設することによって規模を拡大しようとしている
大手エンジニアリング企業のCIOを務める彼は、独自の社内版Facebookも作成した。社内の技術者はその中で、自身の経験や専門分野を紹介したプロフィールを作成・公開できる。このネットワークが立ち上げられたことにより、社内のさまざまなプロジェクトチームは、直面している問題を解決するのに必要なスキルを見つけ出すことができるようになった。
例えば、あるプロジェクトチームがWigner-Ville変換を行う必要があるのだが、そのような経験がないとしよう。そのチームはWignerとVilleの理論を基礎から学ぶのに時間を費やさなくても、ソーシャルネットワークを検索して変換方法を知っている技術者を見つければいいのだ。同CIOによると、このアプローチはプロジェクトの成果を改善し、サイクルタイムの短縮につながった。年配の技術者たちも社内Facebookが気に入っているという。
このCIOは現在、社内のシステムに2つの機能を追加することを検討中だ。
その1つが、eBayの出品者評価機能のようなフィードバックシステムだ。技術者のプロフィールを見たときに、何を期待できるかを知ることができるようにするためだ。
もう1つの機能は、技術者が自分の専門知識に対する要求に応じる意欲がどの程度あるのかを示す「意欲度表示」機能だ。
わたしも現在、社内でちょっとしたソーシャルネットワーキングプロジェクトを抱えている。顧客のためのコミュニティーを構築するというのがわたしのアイデアだ。自社が提供するものだけでなく、顧客仲間から提供されるベストプラクティスやツールに関する情報を得る手段を顧客に提供するためだ。目標はコミュニティーと販促をリンクすることである。質問がある顧客は、既にその問題に直面して解決した可能性がある顧客仲間のネットワークにアクセスすればいいのだ。一方、会社にとっては、ビジネスチャンスの拡大につながる。コミュニティーで交わされる情報を探ることによって、新製品のアイデアを得ることができるからだ。
これらはいずれも、ビジネスの改善を目的としたソーシャルネットワーキングの実用的かつ有用な利用形態だ。それ故、わたしはソーシャルネットワーキングを恐れてはいない。従業員、同僚、顧客の間に存在する巨大な知力を活用したいと強く願っているからだ。
本稿筆者のニール・ニコライゼン氏は米HeadwatersのCIO兼戦略計画担当副社長。
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