仮想マシンの集約率をいかに最適化するか【後編】
コスト削減への近道、仮想マシン集約率向上のヒント
仮想化の普及が一段と進む一方、IT予算の縮小によってサーバ集約率を最適化したいという機運が高まっている。新しいサーバを購入しなくても、サーバ集約率を改善するための施策はたくさんある。
前編「仮想マシンの過密集約に注意、vSphere新ライセンス本当の意味」では、仮想マシンの過密集約が見直されている現状について紹介した。後編では、仮想マシンの集約率を最適化するヒントを考えてみたい。
仮想マシン集約率を最適化するためのヒント
サーバ仮想化の普及が一段と進む一方、長引く景気低迷でIT予算が徐々に削られていく中で、サーバ集約率を最適化したいという機運が高まっていると、米VKernelの製品マーケティングマネジャー アレックス・ローゼンブラット氏は語った。
近いうちに新しいサーバを購入する予定がなくても、サーバ集約率を改善するためにITマネジャーにできることはたくさんあると同氏は語った。例えば、オーバープロビジョニングによってメモリと仮想CPUが最初から過剰に割り当てられているVMが膨大にあると同氏は指摘した。これは管理者のミスのせいではなく、アプリケーションオーナーが必要以上のリソースを強く要求することが多いためだという。
また、トラブルの原因になりやすい設定項目として、VMに割り当てるメモリの最大量が挙げられる。このメモリ量は設定後、設定されていること自体が忘れられてしまうことがある。それが問題になるのは、管理者がパフォーマンスの問題を修正しようとして、VMに割り当てるメモリを増やす場合だ。最大量が設定されているために、VMが実際には、より多く割り当てられたメモリを使用できないことが分からないというわけだ。
IT部門が仮想化を導入し始めた当初は、ROI(投資対効果)が大きかったため、そこからさらに出費を削れるかどうかを検討しようとした人はほとんどいなかったと、ローゼンブラット氏は語った。当時は、例えばホストが100台あった環境で、それらを20台に集約するといったことが可能だった。これは5対1という集約率だ。「この比較的低い密度でも、非常に高いROIが実現され、人々は満足していた」(同氏)
それから数年後の今では、「人々は20台のホストによる運用に慣れてしまい、コストがじりじりと上がっている」とローゼンブラット氏は語った。しかも、仮想化による新しいサーバの展開が簡単なことが裏目に出て、いわゆるVMのスプロール(無秩序な増殖)が発生している。一方、予算は横ばいで推移しているか、あるいは減少しており、ITマネジャーは、コスト削減策を熱心に探っている。サーバ集約戦略の強化は、コスト削減を図る手っ取り早い方法だ。
仮想マシン集約率の上昇に歯止めをかける要因
ITマネジャーは、サーバ集約率の向上を一定のレベルまでにとどめており、その要因として、アップタイムに関する懸念を挙げている。
例えば、プリマス大学は、プライマリデータセンターと、数マイル離れたレンタルデータセンターとで、アクティブ・アクティブ構成で仮想環境を運用していると、ジェーン氏は語った。運用においては、キャパシティーの使用率が45%を超えないようにしているという。一方のサイトがダウンしても、他方のサイトがワークロード全体を、少し余裕をもって引き継げるようにするためだ。
さらに、プリマス大学は機器をリースしているが、それらを全て4年ごとに更新している。このため、サーバの更新時には、サイトの全面的な障害への対処と今後4年間の規模拡大を想定して、サーバのサイジングを行わなければならない。
プリマス大学は2011年にこのサーバサイジングを実施した。担当チームは、学内のワークロードをサポートするには180個のコアが必要と判断し、最終的に6コアプロセッサを2個搭載する米IBMのブレード「BladeCenter HS22」を32台リースし、384個のコアを確保した。
過剰装備に見えるかもしれないが、ジェーン氏はあらかじめ余分に調達しておくことで、更新時にリソース不足に陥るのを避けられると考えている。2011年の更新時には、プリマス大学はキャパシティー全体の55%を使用していた。このため、セカンダリサイトへの単純なフェイルオーバーでシステムを更新することができなかった。「削除するVMを選ばなければならなかった。これは大変な作業だった」(同氏)
クラウドが救世主になるか
他の厄介なIT課題と同様に、仮想マシン集約率の最適化という課題についても、クラウドコンピューティングがソリューションとして宣伝されている。
プリマス大学のサーバのリース期間が終了するのは3年後だが、そのころにはクラウドコンピューティングが成熟して、サーバのオーバープロビジョニングは不要になっているかもしれないと、ジェーン氏は語った。
キャパシティーを余分に購入するよりも、「私としては、クラウドからリソースをいつでも柔軟に調達できる仕組みが整備され、われわれの大学で追加キャパシティーが必要になったら、その仕組みを即座に、短期的または長期的に利用できるようになることが望ましい」とジェーン氏は語った。
「そうしたエコシステムはまだ実現されていない。しかし、数年後には、クラウドが成熟して、われわれのサービスの多くを処理できるようになっていることを期待している」(ジェーン氏)
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仮想マシンの集約率をいかに最適化するか
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