デジタルトランスフォーメーションの推進役
CIOは取締役会でどう振る舞うべきか? 増す重要性とその役割
デジタルトランスフォーメーションなどビジネスのIT活用が次のレベルに進むに伴い、CIO(最高情報責任者)の重要性が増している。重要な経営判断を行う取締役会においてもCIOの発言が求められている。
技術によるデジタルトランスフォーメーションやイノベーションが加速するのに伴い、企業の取締役会レベルでは、新興技術を導入し、カスタマーエクスペリエンスを高めるなどの話題が取り上げられるようになってきている。
この変革においては取締役会におけるCIOの発言がこれまで以上に重要になる。
「今こそ、知識豊富な技術者を取締役会の席に着かせ、取締役会で飛び交うたくさんの専門用語に起因する話の分かりづらさという霧を晴らしてもらう必要がある」と、Azimuth Partnersの業務執行役員であり、元CIOのバージニア・ギャンバレ氏はArgyle主催の最近のWebセミナーで述べた。
業界に関係なく、依然、取締役会にCIOが出席することは多くなく、これは残念なことだとパネリスト一同は口をそろえる。オースティン市のCIOであるスティーブン・エルキンス氏によると、CIOの席がない場合、企業文化やCIOによる報告が重要な役割を果たすという。
「CIOを取締役会の席に着かせていないなら、CIOは取締役会へ続くドアを破壊し、自分の席を作らなければならない。重役レベルでは、CIOが席についている価値をまだよく理解できていない場合もあるからだ」とエルキンス氏は言った。
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CIOが考えるべきこととは
別の要因としては、CIOが日々多忙過ぎて長期的な戦略を練ることができない、または技術が自社のビジネスモデルをどのように変えるかについて明確ではっきりとしたビジョンを単純に描けていない場合も頻繁に見られるとE. & J. Gallo WineryのCIOであるサンジェイ・シュリンガピュア氏は言う。
「私が関わったCIOのほとんどが、しっかりとしたビジョンを持っていなかった。このビジョンなしでは取締役会の席を獲得することはないだろう」とシュリンガピュア氏は語った。
取締役会でCIOの席がないということは、その企業が技術への投資を減らすことを意味するとサンフランシスコ地区検察局のCIOであるハーマン・ブラウン氏は言う。取締役会でCIOの席があれば、ツールやソリューションを統合する利点を説明でき、そういった利点によって企業がコストを減らす仕組みを説くことができるとブラウン氏は補足した。
CIOが取締役会で果たす役割を高めるには
現職のCIOはご用聞きではなく、より戦略的なビジネスパートナーとなる必要があるとエルキンス氏は言う。そうなるには、取締役会に席を獲得し、戦略的な会話に不可欠な存在となるのがよい。
「CIOはご用聞きであった時代があった。その後、状況は変わり、CIOが独裁者的に振る舞う時期があった。これも過去のことだが、『この技術こそ待ち望んだものだろう?』などと言って」とエルキンス氏は言う。「しかし、取締役会にCIOの席がなければ、CIOはまたご用聞きに戻ってしまうことになる」
取締役になったCIOは単にITの問題に専念すればよいわけではない。CIOは、エンドユーザーエクスペリエンスの向上に集中する必要があるとブラウン氏は言う。
そのためには、CIOがビジネス志向で新しい人間関係を巧みに作り上げる人物であると同時に、聞き上手な人物でもある必要があると彼は付け加えた。
「自社や各部門、サポート対象となる人たちがどのような問題を抱えているか、どういったことを達成しようとしているかを理解し、ビジネスのニーズに実際に適合したソリューションを考え出すことができるよう彼らの意見に耳を傾ける必要がある」とブラウン氏は言う。
CIOが難しい技術用語をビジネスパーソンが理解できる言葉に変えて、ビジネスレベルでコミュニケーションを取る方法も知っていれば最高だと彼は付け加えた。例えば、CIOは、パートナーまたはサポートしている企業とやりとりをするときにDXなどの用語を使うのは控えるべきだとエルキンス氏は言う。
「DXは企業にとっては専門用語かもしれない。しかし、DXのもたらす効果にこそ企業は関心があるのだ」とエルキンス氏は言う。
加えて、サービスを素早く提供し、取締役会レベルで先を見越して助言をする必要があることから、迅速に対応できることもCIOに必須のスキルだとエルキンス氏は言う。
「現在では、CIOは迅速に対応し、実用最小限の製品を検討し、ニーズに適したものを即座に提供し、さらにこの製品を土台として改善を継続する、または暫定的なソリューションに対し話し合いを重ねながら改善を重ねる必要がある」と彼は付け加えた。
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