アーキテクチャ刷新の道のり【第1回】
「クラウドで月5万ドル」は高い? 新興企業がインフラを変えるしかなかった訳
ソフトウェアベンダーのSensorFlowは、スマートビル向けにサービスを提供している。同社はスタートアップでありながら大手の顧客も獲得し、注目を集めている。たが、その裏ではITインフラのコストに苦しんでいた。
2016年に創業したSensorFlowは、スマートビルに特化したソフトウェアベンダーだ。モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)技術を活用したサービスを提供している。そのユーザーは商業ビルだけでなく、大手ホテルにも及ぶ。
同社はスマートビル実現のためのサービスを、あるクラウドサービス群で構築し、ユーザーに提供してきた。ただしその運用にはさまざまな問題があった。
当初はあのクラウドサービスを選ぶも……
併せて読みたいお薦め記事
「省電力」だけじゃない、スマートビルのメリット
同社がサービスを提供するインフラとして最初に選んだのは、Amazon Web Services(AWS)のマネージドデータベースサービス「Amazon DynamoDB」(以下、DynamoDB)と、サーバレスコンピューティングサービス「AWS Lambda」だった。
そのアーキテクチャは当初はうまく機能していたが、SensorFlowは次第にコストの増加とシステムの複雑化に悩まされるようになった。ストレージ価格の上昇もあり、コストは毎月5万ドル以上に跳ね上がっていた。
DynamoDBの運用管理が煩雑になる問題もあった。DynamoDBは自由なデータ構造で格納できるスキーマレスのNoSQLデータベースだ。スキーマレスは、開発者にとっては事前にデータベースの構造を設計する手間が省けて便利だ。しかし無秩序にデータが格納されたために、抽出するデータの一貫性を担保できなくなっていった。
プログラミングの知識がなければデータを利用しにくい点も課題だった。SensorFlowの技術畑の出身ではない意思決定者は、リアルタイムにレポートを受け取れず、ビジネスの重要な疑問にタイムリーに答えられなかった。新しくレポートを作成するためには、複数のエンジニアがデータの抽出、処理、提供に関与する必要があった。
第2回はSenserflowが、本稿で紹介した課題を解決するためにどのような意思決定をしたのかを解説する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
3
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
7
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
8
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー