竹中工務店グループが築23年の「竹中セントラルビル サウス」を改修、スマートビルとして開業した。このスマートビルを実現した「Smart Secure Service」と、「ビルコミ」のデータ処理基盤とは。
竹中工務店グループの建物維持管理会社であるアサヒファシリティズが、「竹中セントラルビル サウス」を2022年10月にスマートビルとして開業した。同ビルは、1999年に竣工(しゅんこう)した築23年のオフィスビルだったが、10月の開業に向けて、以下2つに取り組んだ。
今回の開業に当たり、竹中工務店は新たなBAシステムにサイバーセキュリティ対策サービス「Smart Secure Service」と、建物OS「ビルコミュニケーションシステム」(以下、ビルコミ)のデータ処理基盤を導入した。
従来のBAシステムでは、建物の照明や空調、各種センサーや電力制御システムをBAシステムに接続し、オフィス空間の照度や室温を最適化したり、エネルギー利用の効率化を図ったりできる。一方、サイバーセキュリティ対策としては、ファイアウォールで建物外部からの脅威に対抗することが主で、内部におけるシステムへの不正侵入、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)や標的型攻撃を前提とした対策には十分に備えていなかった。
竹中セントラルビル サウスの開業に合わせて、竹中工務店はSmart Secure Serviceを導入した。同社は自社ビルにて、SBテクノロジー、NEC、サイバートラスト(CTJ)が共同で開発したSmart Secure Serviceを使って、サイバーセキュリティ対策の有用性を確認する実証実験を実施した。実証実験の結果、サイバー攻撃に対して強固なセキュリティ性能が発揮されたことが同製品を導入する決め手になった。
Smart Secure Serviceはビル向けのBAシステムや、工場といった建物の管理や制御を自動化するシステムに対するサイバーセキュリティ対策システム。以下のサービスで構成されている。
竹中工務店はSmart Secure Serviceの導入と合わせて、同社の建物OSであるビルコミが備える機能の一つ、データ処理基盤を導入した。建物OSは、物の運用管理を効率化することや、利用者の安全や安心を向上させることを目的とする。ビルコミは、仕様が公開されている通信規格準拠のデバイスを使って構築したオープンネットワークを採用し、クラウド型のデータ処理基盤を使って建物の統合管理をするシステムだ。データ処理基盤を使うことで、AI(人工知能)技術やセンサー、設備から取得したビッグデータを活用し、効率的かつ安全にスマートビルディングを実現できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
サイバー攻撃による被害は、金銭的な損失だけでなく、信用の失墜や業務継続への支障といった経営上のリスクに直結する。このようなリスクへの備えとして有効なのが、「脆弱性診断」だ。脆弱性診断の目的や実践方法について解説する。
昨今、組織のネットワーク外に分散したエンドポイントが、攻撃者にとって格好の標的になっている。このような中でエンドポイント保護の新たな形として期待を寄せられているのがEDRだ。しかし、運用が難しいなどの課題も多い。
サイバー攻撃が激化する中、防御側は限られたリソースで対策することに苦慮している。こうした状況において組織が優先すべきは、エンドポイントと認証情報の保護であり、これらの有効な防御手段として注目されているのが、XDRとITDRだ。
昨今、セキュリティ教育の重要性が高まっている。しかし、効果を正確に測ることが難しく、目標設定や運用に悩むケースも少なくない。本資料では、担当者の負担を軽減しながら、このような問題を解消する方法を紹介する。
情報セキュリティ対策では、従業員の意識を高めるための“教育”が重要となる。しかしセキュリティ教育は、効果の測定が難しく、マンネリ化もしやすいなど課題が多い。効果的なセキュリティ教育を、負荷を抑えて実現するには何が必要か。
なぜクラウドセキュリティは複雑ではなく「包括的でシンプル」にすべきなのか? (2025/6/13)
「見える化」ではもう守れない アタックサーフェス管理の限界と次世代の対策 (2025/6/12)
中小企業が買うのは信用 L2スイッチ&認証技術で2つの企業が組んだ理由 (2025/6/5)
脱PPAPの壁はこう超える――PPAP文化を終わらせる現実解 (2025/5/19)
EDR、XDR、MDR それぞれの違いと導入企業が得られるものとは (2025/5/15)
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...