最も使われている業務アプリは
日本企業の業務アプリ数「急伸するも世界の約半分にとどまる」 Okta調査
Oktaは、業務アプリケーションの利用動向調査結果を年次レポート「Businesses at Work 2025」で発表。セキュリティやコラボレーション分野の利用が伸びている状況が明らかになった。
アイデンティティー(ID)管理サービスを提供するOktaの日本法人Okta Japanは2025年3月13日、業務アプリケーションの利用動向を調査した年次レポート「Businesses at Work 2025」の結果を発表した。OktaはIDaaS(Identity as a Service)としてクラウドベースのシングルサインオン機能などのID管理サービスを提供しており、同社のサービスを経由してどのようなアプリケーションが実行されているのかを毎年調査し、公表している。この調査は2015年に開始されたといい、今回はこの10年間でのトレンドの変遷(図1)についても紹介された。
使われている業務アプリケーションに変化――Okta調査
調査結果を説明したOktaのコンテンツリード、ローリー・イソラ氏は本調査について、中立的な立場で広範なアプリケーションやサービスをサポートし、幅広い業種業態の大小さまざまな規模の企業を顧客として抱える同社だからこそ実施できるものだとした上で、今回の結果を紹介した。
今回の調査は2023年11月1日~2024年10月31日の1年間のデータを分析したもの。10年を振り返って(図1)の特徴的なデータとして、同氏は以下4つの変化を挙げた。
一貫して上位にランクインするアプリケーション
2016年以降は、以下4つのアプリケーションやサービスが常に上位5位以内に入っている。
- サブスクリプション型のオフィススイート「Microsoft 365」
- サブスクリプション型のオフィススイート「Google Workspace」
- Amazon Web Servicesの同名クラウドサービス群
- CRM(顧客関係管理)ツール「Salesforce」
コラボレーションツール
2015年以降はコラボレーションアプリケーションも人気が高く、ランキング上位に位置している。ただし時期に応じて上位に入るアプリケーションは入れ替わっている。例えば、2015年には「GoTo Meeting」が最も利用されているアプリケーション上位15位に入っていたが、今はその地位は「Zoom」に置き換わっている。
セキュリティアプリケーション
2020年以降はセキュリティアプリケーションの人気が高まっている。2024年は上位15位に入るアプリケーションのうち20%をセキュリティアプリケーションが占める。
開発者向けアプリケーション
2016年以降はAtlassianの開発者向けプロジェクト管理・コラボレーションツールや、ソースコード管理・共有サービス「GitHub」といった開発者向けアプリケーションの人気が高まっており、年々ランクを上げている。
ランキング全体では前回発表の内容と大きな変動はないものの、ネットワークセキュリティベンダーとして知られるPalo Alto Networksが新たに14位にランクインしたことが注目される。ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)などのサイバー攻撃が激化しているといった動向が背景にあると考えられる。
日本国内では利用アプリケーション数が大幅に増加
一方、日本国内に絞ったランキングでは、グローバルの上位15位にはランクインしていないクラウドストレージ「Box」とクラウドセキュリティツール「Netskope」が10位以内に入るなど独自の傾向が見られる(図2)。それと同時に、GitHubが前年の9位からワンランクアップして8位になっているなど、グローバルのトレンドに連動する動きも見られている。国内のアプリケーション別の成長率ではGitHubがトップだといい、アプリケーション開発に注力する企業が増加していることがうかがえる。
国別の比較では、ユーザー企業1社当たりの平均導入アプリケーション数の全世界平均が101個のところ、トップの米国は114個、日本は46個で、日本では他国に比べてまだアプリケーション導入が進んでいない傾向にある(図3)。ただし、前回調査では日本企業の平均アプリケーション数は35個で調査対象国の中で最小だったが、今回の調査では31%増という大幅な伸びを示し、デジタル化が徐々に進展していることも間違いなさそうだ。
この他の興味深い結果としては、「Microsoft 365ユーザーが併用するベストオブブリードアプリの導入率」が増加傾向にあるという指摘もあった。これは、Microsoft 365に含まれるものと同ジャンルの別アプリケーションを導入している比率であり、追加のコストを払ってでももっと使いやすいツールを導入したいと望むユーザーがどのくらいいるかという目安になる。イソラ氏はこの傾向について、「単一のソフトウェアスイートにロックインされるのではなく、特定の作業向けに最も適したツールを導入することで選択の柔軟性や作業の効率性を確保したいと考える企業が増えている」と語った。
セキュリティ面では、“フィッシング耐性のあるパスワードレス認証”としてOktaが提供する「Okta FastPass」の利用が順調に伸びていることも示された。国別で見ると日本はOkta FastPassの利用率ではフランス、米国についで3位だが、生体認証の利用率に関してはまだ低いことも分かっている。この点についてイソラ氏は「生体認証をサポートするハードウェアの普及率が低い」ことを指摘した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
3
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
4
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
5
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
6
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
7
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
8
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
9
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
10
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー