XenServer Tips
XenDesktop VDI環境のI/O性能をIntelliCacheで改善する方法
XenServer上でVDI環境を構築する際、サーバサイジングだけでなくストレージのI/O性能(IOPS)も重要だ。IOPSを改善するIntelliCache機能について、XenServer側とXenDesktop側それぞれの設定方法を解説する。
今回は、XenServerとXenDesktopを組み合わせて利用するときに有益な機能を紹介する。XenServer上にXenDesktopの仮想デスクトップ環境(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)を構成するには、サーバサイジングだけでなくストレージのI/O性能(IOPS)も重要だ。従来のPC環境とVDI環境を比較すると、ストレージに求められる要件は大きく異なるためだ。
PC環境とVDI環境のストレージ比較
| PC環境 | VDI環境 | |
|---|---|---|
| HDD容量 | ~100Gバイト | 20Gバイト |
| ストレージI/O | 40~50 IOPS | 10~12 IOPS |
| HDD | ローカルまたはネットワークストレージ | SAN、NAS、ネットワークストレージ |
| OSディスク | 可用性低い | 可用性高い |
| HDD規格 | 安価なSATAドライブ | 高価なSAS/SCSIドライブ |
ストレージのI/O性能要件を満たすには、ストレージアレイをはじめ、さまざまな手法があるが、それぞれ効果と費用が違う。
VDIにおけるIOPS削減技術の比較($の数に応じて高コストになる)
| 技術 | 読み込みIOPS | 書き込みIOPS | コスト |
|---|---|---|---|
| 重複排除 | ○ | ○ | $ |
| ストレージキャッシュ | ○ | - | $$ |
| SSD | ○ | ○ | $$$ |
| ランダム書き込みシリアライズ | - | ○ | $$~$$$ |
| Citrix Provisioning Services | ○ | - | $ |
| IntelliCache | ○ | - | $ |
XenDesktopとXenServerを組み合わせる場合、Machine Creation Services(MCS)という仮想マシン(VM)作成機能とCitrix IntelliCacheを利用して、IOPSを改善することができる。
IntelliCacheは、XenDesktopのVMイメージをXenServerホストのローカルディスクにキャッシュすることで、共有ストレージのIOPSを削減する機能だ。XenServer 5.6 SP2+XenDesktop 5 SP1から正式サポートされた(IntelliCacheの関連記事:ここまで分かった! XenServer 6.0の新機能)。これにより、共有ストレージのIOPSを最大95%削減し、全体コストを15~35%削減することが可能になる。
XenServer側のIntelliCacheの設定は、XenServerインストール時に「Enable thin provisioning(Optimized storage for XenDesktop)」を選択し、ローカルディスクのシンプロビジョニングを有効にする。
XenDesktop側では、XenDesktop管理ツールのDesktop Studioで設定する。XenDesktopでXenServerホストの構成を設定する際、ストレージの設定でXenServerホストを追加する。そのとき、使用するストレージの種類で[共有]を選択し、[IntelliCacheを使用して共有ストレージデバイス上の負荷を軽減します。]を選択することでIntelliCacheが有効になる。
IntelliCacheの効果は、XenServerの内蔵ストレージの構成によっても変わる。コストを優先する場合の内蔵ディスクには、回転数の速いSASディスクの利用が考えられる。より仮想デスクトップの集約度を上げるには内蔵ディスクにSSDを利用する選択もあるが、当然SASディスクよりコスト高になる。以下は、内蔵ストレージの標準的な構成案である。
IntelliCacheシステム構成のオプション
| コスト最適化構成案 | ラックスペース最適化構成案 | |
|---|---|---|
| サーバ | ラックマウント | ブレードサーバ |
| 内蔵HDD | ホスト当たり6~8本の1万5000回転 SAS HDD(より少ない容量のドライブを使用) |
Solid-State Drivers(Flash SSD) |
| サーバ当たりの仮想デスクトップ集約数 | ホスト当たり45デスクトップ以下 | ホスト当たり45デスクトップ以上 |
実際のI/O性能向上効果は利用する環境によって異なるため、上記を踏まえ実際に検証して確認する必要がある。
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