デスクトップ仮想化市場に新展開
VMware View/XenDesktopを拡張するデスクトップ仮想化ソリューション
Citrix SystemsとVMware製品の拡張で市場に活路を見いだす小規模ベンダー2社の、デスクトップ仮想化ソリューションを紹介する。
米TechTargetでは、米Citrix Systems、米Microsoft、米VMwareといった大手デスクトップ仮想化ベンダーをめぐる話題を何度も取り上げてきた。これは読者の要望に応えるためであるが、多くの人々が小規模ベンダーに警戒心を抱いているという現状を反映したものでもある。
しかし2社の小規模企業(米Pano Logicと米RingCube)が最近、Citrix SystemsとVMwareのデスクトップ製品と競合するのではなく、両社のソリューションを統合・拡張する製品を発表した。このように紹介すれば、読者もそれほど拒絶反応を示さないのではないだろうか。
まずPano Logicについて述べると、同社は仮想デスクトップインフラ(VDI)のクライアントデバイス、そしてこれらのデバイスをデスクトップに接続するソフトウェアを開発している。このクライアントデバイスはシンクライアントに似ているが、Pano Logicではこれを「ゼロクライアント」と呼んでいる。同デバイスにはインテリジェンスが一切備わっていないというのが理由だ。従来のシンクライアントがローカルCPUとメモリを搭載し、組み込み版のLinuxやWindowsなどのOSを実行するのに対して、Pano Logicのゼロクライアントはそういったものを一切備えていない。拡張ビデオ、キーボード、マウス、そしてネットワーク経由でホストに接続するUSBデバイスだけで構成されているのだ。
私は以前からPano Logicの製品を気に入っているが、幾つか制約もあった。その1つは、VMware ESX上で動作する仮想マシン(VM)にしか接続できないことだった。しかし最近リリースされた「Pano System 4」では、バックエンドシステムとしてVMware ESXに加え、Hyper-VおよびCitrix XenServerがサポートされるようになった。
もう1つの魅力として挙げられるのは、デスクトップ仮想化システム(Citrix XenDesktopやVMware View)を既に運用しているユーザーの場合、Pano Logicクライアントを既存の環境に追加することにより、現在のシンクライアントをゼロクライアントに「アップグレード」できるという点だ。既存の仮想デスクトップシステムを廃棄してゼロから作り直さなくても済むのだ。
RingCubeも最近、自社のソフトウェアのアップグレード版を発表した。従来、RingCubeの「vDesk」は、クライアントベースのクールなデスクトップ仮想化製品として知られていた。同製品を使えば、既存OSのセキュアなインスタンスを瞬時に起動できる。例えばノートPC上でWindows 7を動作させているユーザーの場合、小さな(約30Mバイト)vDeskソフトウェアをインストールするだけで、Windows 7の「社内」版インスタンスを起動できるのだ。実用上の観点で見れば、これはハイパーバイザーのオーバーヘッドと巨大なディスクイメージを必要としないVMware Workstationのようなものだといえる。vDeskの魅力は、ネットワークやサーバに負担を強いることなく、管理面においてVDIと同様のメリットを実現すという点にある。
しかしVDIの人気は上昇中だ。VDIではないというのがRingCubeのvDeskの最大の訴求点だったが、多くの顧客は「一部のユーザー向けにはvDeskを使い、他のユーザーには従来のVDIソリューションを利用しなければならないというのは面倒だ」という不満を抱くようになった。
こういった不満に応えるべく、RingCubeは先ごろ、vDeskのVDI Editionを発表した。VDI Editionはスタンドアロン製品として設計されているのではなく、既存のVMware ViewあるいはXenDesktop環境と連係して動作する。RingCubeでは、これを以前から課題とされていたVDIの「パーソナライズ化」問題に対処する製品と位置付けている。
RingCube VDI Editionでは、Citrix SystemsのXenDesktopあるいはVMware Viewを利用した標準の基本デスクトップ環境を提供した上で、小さなRingCubeエンジンが最初のWindowsインスタンスから「第2」のWindowsインスタンスを生成する。実際に使用されるのは、この第2のインスタンスだ。つまり定評のあるVDIソリューションの全てのメリットを享受すると同時に、RingCubeのパーソナライズ化機能を利用できるのだ。実に素晴らしいことだ。
主要VDIベンダー以外の企業の製品は不安だという理由でPano LogicやRingCubeに見向きしなかった企業に対して、両社はそれぞれの製品を検討してもらう理由を用意した。これは賢明な動きだ。
本稿筆者のブライアン・マッデン氏は独立系の業界アナリスト、ブロガーで、確固たる持論を持ったデスクトップ仮想化技術の専門家として世界的に知られている。デスクトップおよびアプリケーションの仮想化について数冊の著書と、1000を超える記事を執筆してきた。マッデン氏のブログBrianMadden.comは、年間数百万の訪問者数を誇り、アプリケーションやデスクトップの仮想化分野について話題を提供する主要な情報源となっている。マッデン氏は、アプリケーションデリバリーについての第一級の独立系テクニカルカンファレンスBriForumの発起人でもある。
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