社内情報のセキュアな利用を手軽に実現
導入効果を知る! スマートフォンVPNサービス
スマートフォンやタブレットから社内情報を安全に利用するのに役立つ「スマートフォンVPNサービス」。その導入効果や最新動向を解説する。
スマートフォンやタブレットからLANへの安全なアクセスを可能にする「スマートフォンVPNサービス」。外出先で社内の業務システムやファイルサーバなどにある社内情報を安全に利用するのに大いに役立つ。
本稿は、スマートフォンVPNサービスの導入効果や最新動向をまとめた。
導入効果(1):外出先で社内情報に安全にアクセス
外出先でスマートフォンから社内情報を安全に利用するには、スマートフォンとLANの通信経路の安全性を高める必要がある。スマートフォンVPNサービスは、インターネットに仮想的な専用線を構築する「インターネットVPN」などを利用することで安全な通信を実現できる。
導入効果(2):運用負荷を抑えつつ安全な通信を実現
スマートフォンVPNサービスは、インターネットVPNの利用に必要な機器の運用を外部委託できるため、運用負荷を抑えつつセキュリティを強化できるのもメリットだ。一部のサービスはユーザー企業のLANに機器を設置する必要があるが、サーバの導入・運用サービスが標準サービスや有償オプションで提供される。
サービスの仕組み:VPNゲートウェイを介してLANに接続
スマートフォンVPNサービスの構成例を図に示した。ユーザー認証機能などを持つVPNゲートウェイをサービス事業者が運用する。サービス事業者のVPNゲートウェイからLANへの接続回線は別途必要になるサービスが多く、インターネットVPNやIP-VPN、広域イーサネットなどから選択する。
iOSやAndroid端末は標準でPPTPやL2TP/IPsecを解釈できるVPNクライアントを搭載しており、PPTPやL2TP/IPsecを利用するサービスであれば端末にソフトウェアをインストールせずに利用できる。ただし、独自のプロトコルを利用しているなどの理由で専用クライアントのインストールが必要なサービスもある。
選定のポイント:事業者の種類によるサービス内容の違いを理解する
スマートフォンVPNサービスは通信事業者やシステムインテグレーターが提供している。サービス選定の際は、事業者の種類によるサービス強化の方向性に違いを把握しておきたい。
通信事業者のサービス:3G閉域網の利用でさらに安全に
スマートフォンVPNサービスが利用するインターネットVPNはインターネット接続網を利用することから、セキュリティはVPNの暗号化機能に大きく依存する。通信事業者はより安全性を高めるため、インターネットではなく携帯電話事業者が運用する3G回線の閉域網を利用したスマートフォンVPNサービスを提供する。
NTTドコモやKDDI、ソフトバンクテレコムといった携帯電話事業者に加え、携帯電話事業者の設備を借りて通信サービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)が閉域網を利用したサービスを提供する。
閉域網を使った通信はスマートフォンとサービス事業者のデータセンターの間だけであり、データセンターとLANの通信はユーザー企業の契約回線に依存する点に注意しておきたい。
システムインテグレーターのサービス:アプリ開発など周辺サービスを充実
システムインテグレーターはシステム開発や運用のノウハウを生かした有償オプションの充実を急ぐ。丸紅OKIネットソリューションズの「スマートフォン@PTOP」は、スマートフォン向け業務アプリケーションの構築支援を用意。京セラコミュニケーションシステムの「スマートデバイス端末認証サービス」は、スマートフォンの配布や初期設定、ユーザーサポートなどを組み合わせた「クライアントLCM」を関連サービスとして用意する。
他にもNTTPCコミュニケーションズの「Master'sONE タブレットモバイルソリューション」は、シトリックス・システムズ・ジャパンのデスクトップ仮想化製品「XenDesktop」を使ったデスクトップ仮想化サービスを提供する。
最近のトレンド(1):認証方法の充実が進む
インターネットVPNで一般的に利用されるIDとパスワードによる認証に加え、他の認証手段を利用可能にするサービスが増えつつあるのがトレンドの1つだ。
事前登録されているスマートフォンかどうかを確認する「端末認証」はその1つだ。社内ルールに基づき、セキュリティ対策を施した端末のみをLANに接続させられる。MACアドレスや電子証明書などを利用することで端末を特定する。
他にも、ワンタイムパスワードやSIMカード内にある電話番号情報を使った認証が可能なサービスもある。
最近のトレンド(2):MDMで端末レベルのセキュリティ対策を実現
モバイルデバイス管理(MDM)機能を標準機能や有償オプションとして用意する動きも活発だ。スマートフォンVPNサービスではできない端末レベルのセキュリティ対策を実現できる。MDMが備える複数端末への設定配信機能を利用し、サービス利用に必要なネットワーク設定を自動化できるというメリットもある。
TechTargetジャパンでは、Android向けとiOS向けに絞り、スマートフォンVPNサービスのコストを比較する記事を掲載予定である。
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