6つの移行プロセス
AWS移行で注意したい「レガシーアプリの存在を忘れるべからず」(1/2 ページ)
AWSへ移行する際には、きちんとしたロードマップを作成することで失敗を回避することができる。アプリケーションについて理解し、移行のメリットを特定することで、スムーズに移行できるようになるだろう。
米Amazon Web Services(Amazon)の「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)の利便性とコスト削減の可能性は魅力的である。だが、分からないことがあるために多くのIT担当者はEC2の導入をちゅうちょしているのが実情だ。特に従来のアプリケーションといった既存のアプリケーションをクラウドに移行することについては、管理者が理解を深めるのに十二分な情報が提供されている。
移行は困難でないことは分かったが、「Amazon Web Services」(AWS)への移行で留意すべき指針となる概念がある。企業は、アプリケーションをAWSに移行する前に3つの手順を実行しなければならない。
関連記事
基幹システムのAWS移行に関する記事
Webサービス基盤のAWS移行に関する記事
クラウド移行のコストに関する記事
まず、ポートフォリオ分析を実施されたい。個々のアプリケーションとそのワークロードを確認して、クラウドへの移行候補になるかどうかを判断しなければならない。「クラウドの当初の価値命題はコスト削減だった。だが今日、クラウドの柔軟性を活用するアプリケーションを用意できることにクラウドの真価があるのは明らかだ」と米マサチューセッツ州ケンブリッジを拠点とするForrester Researchでアナリストを務めるデイビット・バルトレッティ氏は述べる。
2つ目は、アプリケーションをクラウドに移行した後に、新しい機能や奇抜な機能をアプリケーションに追加するかどうかである。例えば、ビッグデータや英Apacheソフトウェア財団の「Hadoop」だ。
3つ目は、アプリケーションが仮想化されているかどうかである。仮想化されている場合は、クラウドへの移行が簡略化される。「単純にVMをクラウドに移行することは初期コストの削減につながる場合がある。だが、クラウドへの移行で別のメリットが得られない限り長期的なコスト削減にはならない」(バルトレッティ氏)
AWS移行ツールを使用する
ITチームは、クラウドへの完全移行を慎重に遂行する必要がある。アプリケーションの仮想化について慎重に考慮したら、クラウド移行ツールの使用について検討されたい。「米VMwareの『VMware vSphere』を使用している場合、AmazonはVMwareの環境を直接移行するツール『VM Import/Export』を提供している」とバルトレッティ氏は語る。
移行ツールを使用すると、管理者はネットワークの接続問題を評価したり、アプリケーションでハードコーディングされたアドレスへのリンクを再確立することができる。この作業は計画に従って実行する必要がある。だが、単純にアプリケーションをAWSにコピーして、アプリケーションが正しく機能するように必要な調整を加えるという力技によるアプローチを採用することも可能だ。AWSの移行を促進するのに役立つ、利用可能なサードパーティーのサービスもある。
ただし、全ての移行作業が同じになるとは限らない。レガシーアプリケーションには、十分な注意を払わなければならない。例えば、小規模なx86ベースのアプリケーションでは、一般的に移行プロセスは単純な“リフトアンドシフト”で済む。ただし、企業には、リフトアンドシフトで移行できるスタンドアロンアプリケーションはほとんどない。大半のアプリケーションは、大規模なアプリケーションエコシステムに接続されている。
「この状況では、この接続を壊しかねない」と米Capgemini North America(Capgemini)で最高技術責任者(CTO)を務めるジョゼフ・コイル氏は指摘する。Capgeminiでは、クラウドへの移行対象となるアプリケーションとビジネスプロセスを特定し、両者の間の相互運用性を特定する手法を適用している。
「AWSに限らず、ほぼ全てのプライベートクラウドはx86ベースのテクノロジーしかサポートしていない。そのため、米Microsoftの『Windows』やLinuxの方に向けて必ず進むことになる」とコイル氏は推測する。このような種類に該当しないか、クラウドでサポートされていないデータベースを利用するレガシーシステムを使用している企業は、このいずれかのテクノロジーに切り替えなければならない。
「何らかの調整が必要なレガシーアプリケーションの場合、必要な変更と変更箇所を特定するプロセスが必要だ」(コイル氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[ポールトゥウィン株式会社] 開発スピードと品質を両立、DONUTSが実践する「ハイブリッドなQA体制」の構築術 -
製品レビュー
[ポールトゥウィン株式会社] 開発スピードと品質は両立できる? DONUTSの「ジョブカン」に学ぶQA戦略 -
市場調査・トレンド
[レッドハット株式会社] 「プラットフォームエンジニアリング」調査レポート:利点・課題・未来像を詳説 -
市場調査・トレンド
[レッドハット株式会社] 生成AI活用のためのテクノロジー基盤、構築に際しての7つの検討事項とは? -
製品資料
[レッドハット株式会社] ビジネスの現場へのAI導入と活用、何から始めてどのように進めるべきか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「RAGの利用」に関するアンケート
-
2
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
3
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
4
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
5
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
6
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
-
7
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
8
「企業におけるAIの運用」に関するアンケート
-
9
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
10
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
3
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
4
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
5
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
6
AI活用を停滞させる「2:6:2の壁」を乗り越えるためのポイントとは?
-
7
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
-
8
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
9
複雑な組織構造で一度は頓挫した電子化、東京女子医科大はどう全学展開したか
-
10
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー