VDI用途に適する技術的な理由も解説
ハイパーコンバージドインフラ徹底比較、「SimpliVity」「Nutanix」はどう違う?
ハイパーコンバージド(超垂直統合型)インフラ市場における2強ベンダーが米Nutanixと米SimpliVityだ。Nutanixが長い実績を誇るのに対し、SimpliVityはリソース効率の高さで注目を集めている。
米Nutanixと米SimpliVityのハイパーコンバージドインフラ(HCI)は、VDI(仮想デスクトップインフラ)との親和性が極めて高い。いずれもスケールアウト型ビルディングブロックアーキテクチャを採用しているからだ。Nutanixはこの分野での実績が長く、コストとパフォーマンスの両面で安心感がある。一方、SimpliVityは1ノード当たりで多数の仮想デスクトップをサポートできるのが強みだ。
多数の小さな仮想マシン(VM)の集合が全体として巨大なリソース要求を生み出す仮想デスクトップは、究極のスケールアウト型ワークロードだといえる。HCIはソフトウェア定義型(Software-Defined)のインフラであり、ネットワーク、ストレージ、コンピューティング、仮想化の各リソースを同じパッケージに統合する。これにより、システムにノードを追加するだけでVDIの規模を拡大することが可能になる。
サーバ&ストレージ ナビ
ハイパーコンバージドシステムとVDIのもう1つの合致点は、ディスクのパフォーマンスを高めるためにソリッドステートディスク(SSD)を利用することだ。VDIはストレージのワークロードが大きく、HCI製品に見られるようなストレージ階層化方式が適している。階層型ストレージは、頻繁に読み出すストレージブロックをSSDなどの高速層に移すことによって効率を高めるという手法だ。
SimpliVityとNutanixのHCI製品は表面的には類似しているが、アーキテクチャと機能には違いがある。
ストレージ方式
VDIではストレージに関連した課題が2つある。全てのデスクトップのディスクを保持できるだけの容量が必要であること、そしてブートストームなどの問題を避けるために高いストレージI/Oパフォーマンスが求められることだ。親VMから生成した仮想デスクトップクローンを使うのであれば、各クローンのOSとアプリケーションを個別に格納できるストレージ容量が必要であり、これは何Tバイトにもなる可能性が十分にある。
SimpliVityとNutanixのHCI製品の最大の特徴の1つが、ノードを追加することによってストレージのパフォーマンスを改善できることだ。リソースを増やすことで、より多くのデスクトップを実行できる。つまり直線的な拡張が可能なのだ。両社ともハイパーバイザーノードとしてx86ベースのサーバを使用しており、これらのノードにはHDDとSSD、および多数のCPUと大量のメモリが含まれる。これらのノードで構成されるクラスタはストレージとコンピューティングの両リソースを提供することになるため、企業のVMワークロードを処理するのに十分な数のノードがクラスタに含まれる必要がある。1個のノードで150人のタスクワーカー(訳注:定型的な事務処理を行うユーザー)の仮想デスクトップをサポートできれば、4個のノードでは600の仮想デスクトップをサポートできることになる。
両社のHCI製品には、ストレージの負荷を軽減するためにデータ重複排除や圧縮といった容量効率を高める機能が含まれる。また、Nutanixの製品はイレージャーコーディング機能も備えている。これらの機能は、運用面で変更を加えることなしにフルクローン型VMのストレージの効率アップを可能にする。600個の仮想デスクトップを配備すれば、ゆうに1万ストレージIOPS(1秒間当たりのI/O数)が必要とされるが、これはHDDの能力をはるかに上回る。要求されるパフォーマンスを実現する唯一の現実的な手段がSSDである。
要するに、NutanixとSimpliVityの製品が採用する階層型ストレージ方式は、SSDとHDDストレージを併用することにより、容量とコストとパフォーマンスの間でバランスを図っているのだ。
密度の競争
両社の製品のストレージ方式は似通っているが、密度に関しては違いがある。
Nutanixの製品では、4個のハイパーバイザーノードを1台の2Uシャーシに組み込んだ高密度のコンピューティングノードでVDI環境を構築できる。つまり2Uシャーシ1台当たり約600個の仮想デスクトップを提供できるのだ。データセンターの床面積の単価が高い場合は、高密度実装が可能なNutanix製品が魅力的だといえる。Nutanixは、数百台の同社製ノードを使用して数万個のデスクトップを実現する参照アーキテクチャとユーザー向け資料を提供している。また、Nutanixは「VDI Assurance」という保証プログラムを用意している。これは、サービスレベル契約(SLA)の要件が満たされなかった場合に追加のサーバ/ストレージハードウェアが無償で提供されるというもの。
一方、SimpliVity独自のセールスポイントは、HCIプラットフォーム「OmniStack」のデータ効率の高さだ。同プラットフォームのあらゆるノードに搭載されたPCIeカードは、ポイントツーポイントアーキテクチャによりSSDのパフォーマンスを向上する。データ重複排除機能と圧縮機能もSimpliVityのプラットフォームに組み込まれており(管理者がこれらの機能をオフにすることはできない)、パフォーマンスの向上と容量の拡大を実現する。
だがNutanixとは違い、SimpliVityは膨大な数のハイパーバイザーノードを実現するための拡張性を重視していない。SimpliVityはその代わり、2Uサーバの選択肢を用意している。米Cisco Systems、中国Lenovoあるいは自社ブランドのサーバを選択できるのだ。パフォーマンステストソフトウェアの「Login VSI」によるベンチマークでは、1個のノードで250タスクユーザーという結果が示された。このノード当たりのユーザー数は、これまでに公表された他のベンチマークの2倍近い。これは、4ノードで構成されるSimpliVityのクラスタで1000人のタスクワーカーをサポートできることを意味する。これらのクラスタが最大で8セット、すなわち全部で約8000個の仮想デスクトップで構成される環境を管理できる。SimpliVityはこのVDI密度を最近実現したばかりであるため、参照アーキテクチャはまだ用意されていない。
HCIはVDI環境に極めて適した選択肢である。ストレージの容量とパフォーマンスをコンピューティング能力と共に拡張できるため、パフォーマンスの急激な低下が生じる心配はない。HCIを利用するメリットに気付く企業が増えるのに従い、SimpliVityとNutanixの競争はさらにヒートアップするだろう。Nutanixが大小規模のVDIの導入で長い実績があるのに対し、SimpliVityは驚異的なVDI密度で注目されている。
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