専業ベンダーに加えて大手ITベンダーも攻勢
これだけは押さえておきたい「ハイパーコンバージド」技術の2015年まとめ(1/2 ページ)
2015年のハイパーコンバージドシステム市場では、アプライアンス「EVO:RAIL」を販売する米VMwareのパートナーや、パイオニア企業に加え、新参の大手ITベンダーが顧客獲得にしのぎを削った。
2015年にはハイパーコンバージド技術とそのマーケティング戦略が成熟し、この分野を早くから手掛けるベンダーが製品を拡充する一方、大手ITベンダーも攻勢に出た。
ハイパーコンバージェンス(超垂直統合)のアピールポイントは、CPUやメモリ、ネットワーク、サーバ仮想化、ストレージというコンポーネントを組み込んだ1台のハードウェアアプライアンスによって、統合されたITインフラを提供することにある。2015年はハイパーコンバージェンスのニュースがめじろ押しだったが、2016年も同様だろう。企業にとっては、検討すべき選択肢が増えることになりそうだ。
足場固めを狙うVMware EVO:RAIL
仮想化大手の米VMwareは、2015年にアプライアンス「EVO:RAIL」の構成とライセンス要件を変更し、同社のハイパーコンバージド技術を導入する企業の拡大を目指した。
VMwareは、EVO:RAILを販売するハードウェアパートナーが、よりスケーラブルな構成を選択できるようにした。そうした新しい選択肢の1つが、一般的な仮想マシン(VM)を最大1600台、仮想デスクトップを最大2400台サポートする32ノードクラスタだ。VMが800台、仮想デスクトップが2000台という以前の上限と比べて大きく増えている。
またVMwareはEVO:RAILのスケーラビリティを高めただけでなく、顧客がEVO:RAILにバンドルされているサーバ仮想化製品「VMware vSphere」のライセンスを購入できるようにした。EVO:RAILは、ハイパーコンバージドインフラ向けのSoftware-Defined Storage(SDS)関連ソフトウェアである「VMware Virtual SAN(VSAN)」など、VMwareのソフトウェアがパートナー製ハードウェアで動作するようになっている。
ストレージベンダーはEVO:RAILベースのハードウェアを販売しているが、ユーザー企業への導入はなかなか進んでいないと、米調査会社Enterprise Strategy Groupのシニアアナリスト、コルム・キーガン氏は指摘する。
「業界関係者は、EVO:RAILにはほとんど需要がないと話している。新しい技術にはありがちなことだ。パートナーもEVO:RAILを売ることにはあまり関心がないだろう。他のベンダーが同じようなものを扱っていたら、差別化するのは難しい」(キーガン氏)
EVO:RAILの当初からのパートナーである米Hewlett Packard Enterprise(HPE)は2015年6月、同社(当時は米Hewlett-Packard)のEVO:RAIL製品「HP ConvergedSystem 200-HC EVO:RAIL」の販売を打ち切った。発売から9カ月後のことだった。独自のハイパーコンバージドシステム「HP ConvergedSystem 250-HC StoreVirtual System」に注力することを決めたからだ。
現在EVO:RAILは、米Maxta、米Nutanix、米Nimboxx、米Scale Computing、米SimpliVityといった新興企業のハイパーコンバージド製品と競合している。
EVO:RAILはまだVSANの古いバージョンを採用しており、このこともEVO:RAILの販売に決してプラスにはならない。VMwareは2015年にVSANをアップグレードし、vSphereハイパーバイザー内で動作するようにした。だが、このアップグレードはEVO:RAILには無縁だ。
新しいVSAN 6.1では、地理的に離れた2カ所に拡張クラスタを作成し、サイト間で同期的にデータのレプリケーションを実行することを可能にした他、リモートおよびブランチオフィスでの2ノードクラスタオプションもサポートする。従来のバージョンでは少なくとも3ノードが必要だった。
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