パネル面がキーボードになる
斜め上の発想を実現した“分類不能”な「Lenovo Yoga Book」、その使用法は
「Lenovo Yoga Book」は今までに見たことがない技術の組み合わせを搭載した2in1端末だ。ワコムの技術を採用したペンタブレットのパネルはキーボードにもなる。「IFA 2016」の実機インプレッションを紹介する。
Lenovoは、2016年9月上旬にベルリンで開催された「IFA 2016」(国際コンシューマーエレクトロニクス展)で、かつてないほど革新的な製品を発表した。それは「Lenovo Yoga Book」(以下、Yoga Book)だ。外観はタブレットによく似ているが、Yoga Bookは分類不能なフォームファクターを採用している。
市場に出回っている優秀なタブレットからインスピレーションを得て、独自のひねりを加えることで、Lenovoは、新しさ、潜在的な実用性、有益さを兼ね備えたコンセプトを生み出すことに成功している。IFA 2016の参加者は、Yoga Bookのとりこになっているようだった。というのも、Yoga BookはIFA 2016で実際に触ってみるのが極めて困難な製品だったからだ。
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スタイラスペンの性能で比較する
Yoga Bookは、10.1型のディスプレイと360度回転するヒンジで構成されている。これは、Yoga製品ラインにおなじみの作りだ。「Create Pad」というタッチパネルの部分はキーボードの役割を兼ねている。ただし、一見するとQWERTYキーボードをライトアップしているだけの仕組みに見える。キーボードとして使用していないときは、ワコムの技術を搭載したスタイラスをサポートしている。このスタイラスはインクカートリッジを内蔵した普通のペンとしても使える。実際に、紙に描画したものが、そのままYoga Bookのディスプレイに表示する(※)。
※訳注:Create Padの上に紙を置いた状態で書く必要がある。
興味深いことに、Yoga BookはGoogleの「Android」搭載版とMicrosoftの「Windows 10」搭載版が、それぞれ499.99ドルと549.99ドルで発売される。どちらもスタイラスと8500mAhバッテリーを同梱し、LTEに対応している。また、どちらもIntelの「Intel Atom x5」プロセッサを搭載している。このことから、Yoga Bookはリソースの消費が激しいユーザー向けの製品ではなく、主にノートPCなどの実用的な代替製品として位置付けられていることが見て取れる。その他の仕様としては、4GBのRAM、64GBのストレージ、microSDカードスロットがある。
Android搭載のYoga Bookでは、大幅にユーザーインタフェースが変更されており、デスクトップOSおよびスタイラスに適したツールであることがうかがえる。具体的には、Appleの「Mac OS」と同じように画面下部にツールドックがある。一方、Windows搭載のYoga Bookは比較的クリーンで、幾つかのアプリケーションがバンドルされているだけだ。Yoga Bookが、Appleの「iPad Pro」、Microsoftの「Surface Book」、Samsung Electronicsの「Galaxy Note」、自社のYogaシリーズの対抗馬となるべく開発されたのは明らかだ。
手に持ってみると、非常に頑丈で洗練されていることが分かる。また、驚くほど軽い。Create Padのヒンジは、「ラップトップ」「タブレット」「テント」「スタンド」など、どのポジションでもYoga Bookをサポートするのに適切な反発力を備えている。カバーの開閉は片手で難なく行える。画面解像度は1900×1200ピクセルと最高レベルのものになっているが、角度を変えると傾斜によって個々のピクセルが肉眼で見えることがあった。ただし、色の解釈は非常に写実的でコントラストは視野角に関係なく持続される。輝度も適度に高い。ディスプレイの反射があるので、高輝度はプラスに働くだろう。
最初はディスプレイに映し出されたキーボードを使用する入力に違和感を覚えた。正確さに欠けるということではなく、大きな画面に映し出されたキーと触感フィードバックに慣れていないせいだ。だが、この違和感はYoga Bookの使用時間が長くなるにつれてなくなった。そして、このキーボードはカジュアルユーザーにとって十分実用的だと断言できるようになった。ただし、句読点などの特殊キーは隙間なく配置されているため問題になる。
Create Pad上でスタイラスを使って描画すると、iPad Proで「Apple Pencil」を使用したときと似たような感覚がある。移動の精度と筆圧の感度はワコム製品に期待するレベルの仕上がりだ。紙の上に描画するという作業は特別な経験だった。というのも、このアイデアは、教育、建築、オフィスワークなどに無数の独創的な新しい選択肢を提供するからだ。Yoga Bookを縦向きのモードで使用すると、電子書籍や雑誌などで本を読むときと同じ使用感が得られる。これは360度回転のヒンジと物理キーがないことで実現された仕様だ。
Yoga Bookは、Microsoftがお蔵入りにしたデュアルスクリーンタブレット「Courier」以来、今までに見たことがないテクノロジーの組み合わせを搭載したハイブリッドデバイスとなっている。つまるところ、IFAは新しい製品を発表するのに適したイベントだといえるだろう。Samsung ElectronicsがGalaxy NoteをIFAで発表したことで、ファブレット時代が幕を開けた。どのような呼称になるかは分からないが、この種類のハイブリッドデバイスについてYoga Bookが同じような役割を果たす可能性は否定できない。
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