ペンと紙の使い心地にどれだけ近づいたのか
徹底レビュー:プロアーティストが絶賛、「Apple Pencil」でiPad Proはどう変わる?(1/2 ページ)
米Appleは「iPad Pro」と併せて「Apple Pencil」を発売した。Apple Pencilが持つ実力がどのようなものなのかをプロのアーティストにも協力してもらいレビューしてみた。
米Appleはタブレット「iPad Pro」の投入により、さまざまな分野で新たな地平を切り開いた。この巨大タブレット用に同社初の感圧式スタイラスペンを発売したことも、その1つだ。米TechTargetは感圧式スタイラスペン「Apple Pencil」のテストを行った。このテストではプロのアーティストにも協力してもらった。
まずApple Pencilで重要なポイントは、米Appleの最新タブレットである「iPad Pro」を日常的に使用する分には、必要ないということだ。このスタイラスペンは描画やお絵かき、手書きメモの作成などを容易にするためのツールだ。それ以外の作業は指先で行える。
念のために付け加えておくと、現時点でApple PencilはiPad Proにしか対応しておらず、それ以外のデバイスでは利用できない。
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作りとデザイン
「Pencil」(鉛筆)とはいうものの、このスタイラスペンの外観はフェルトペンに近い。小学校で使う普通の鉛筆よりも太いが、アーティストが使うフェルトペンほど大きくはない。このスタイラスペンの表面は非常に滑らかだが、つるつるしていて持ちにくいというほどではない。
Apple Pencilの断面は6角形ではなく丸い。長さが175ミリ、太さは8.9ミリだ。用意されている色は白のみだ。手に持つと、最初は幾分重く感じられる。20.7グラムというのは、市販されている他の大多数の筆記具よりも重い。とはいえ、しばらく使っていると、重さは気にならなくなる。
Apple Pencilにはボタンも消しゴムも付いておらず、ペン先が唯一の機能部分だ。ペン先は長い間使っていると摩耗するので、容易に取り外して交換できるようになっている。製品の箱には予備のペン先が1個入っており、Appleも交換用ペン先をいずれ発売する予定だとしている。同社では、このスタイラスペンを使うユーザーはiPad Proに画面保護フィルムを付けないようにアドバイスしている。保護フィルムがペン先の摩耗を早めるからだ。
Apple Pencilは、大多数のiPad Proユーザーが必要とするとは限らないオプション機器なので、iPad ProにはApple Pencilを収納するためのスロットは付いていない。サードパーティー製のケースにはApple Pencilを収納するためのホルダーが付いているものもあるが、iPad Pro用の純正キーボード「Smart Keyboard」には付いていない。
パフォーマンス
Apple PencilとiPad Proで絵を描くのは、われわれがこれまで試したどんな製品よりもペンと紙を使う感覚に近い。素早く描いた後でApple Pencilをゆっくりと動かしたり、ペン先をディスプレイの端からはみ出るまで動かしたりなどしていろいろ試した。その結果、Apple Pencilを使う場所にかかわらず、タイムラグや線飛び、線のゆがみなどは生じないことが分かった。ペン先を傾けたり、筆圧を変化させたりして線の太さを変える機能も期待通りに動作した。
Appleは、このスタイラスペンの筆圧感知レベルが何段階あるのかを明らかにしていないが、われわれの印象では段階数に不足はないように思えた。スタイラスペンを傾けて線の太さを変える操作はほぼ直感的にできた。ただし、アプリケーションの種類や使用する仮想ペンあるいは仮想鉛筆のタイプによって、この機能がどう微妙に異なってくるのかは不明だ。
われわれのテストでは、「パームリジェクション」機能(※)も問題なく動作した。右手と左手のどちらを使っていても、手のひらの端を画面に乗せたときに不要な線が絵の上に現れることはなかった。これは共通機能であるため、開発者はアプリケーションをApple Pencilに対応するように書き換える必要はない。パームリジェクション機能の問題は、手のひらの近くに描いた線が消去される場合があることだ。これは明らかに、うっかり手を触れたとソフトウェアが勘違いするのが原因だ。
※ペン入力している際、手が画面に触れても認識しない機能。
消しゴム機能が付いていないため、Apple Pencilでメモを取るのはやや不自由な感じがする。長い間、紙と鉛筆に慣れた人にとっては、Apple Pencilを逆さにして間違いを修正できればいいと思うだろうが、アーティストは気にならないだろう。アーティストが使う画材には消しゴムが付いていないのが普通だからだ。Apple Pencilでメモを取るには、優れたメモアプリが必要であり、われわれはワコムの「Bamboo Paper」でApple Pencilを試した。
Apple Pencilは描画だけでなく、アプリを開くなど指で行う操作のほとんどを実行できるが、例外もある。画面の端からスワイプしたり、ウィンドウのサイズを変更したりといったジェスチャーには対応していない。これはスタイラスペンで絵を描いている人が、誤ってiPadのディスプレイの端から別のウィンドウを開いてしまうのを防ぐための仕様だ。
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