その価格に見合った価値はあるのか
徹底レビュー:あらゆる面で最高級の「ThinkPad X1 Yoga」に納得できるのは誰?(1/5 ページ)
数多あるノートPCのほとんどが「なんかあれに似ている」というスタイルと性能に足並みをそろえる中、数少ない独自性を保っているのがThinkPadシリーズだ。その最新シリーズのコンバーチブルモデルも個性を保っているだろうか。
Lenovoの「ThinkPad X1 Yoga」は、Lenovoの最上位ブランド「ThinkPad」コンバーティブル型ノートPCだ。同社のラインアップでは、「ThinkPad Yoga 260」「ThinkPad Yoga 460」よりも上位に位置付けられている。
最安なモデルでも1400ドル(北米価格。以下同様)とかなり高額だ。本稿のレビューで使用したモデルは、解像度が2560×1440ピクセルのディスプレイ、Intelの「Core i7-6500U」(2.5GHz/最大3.1GHz、2コア4スレッド、3次キャッシュメモリ4Mバイト)、容量を512GBにアップグレードしたSSDという構成で、価格は1900ドルとさらに高額になっている。
14型ディスプレイを搭載するビジネス向けコンバーティブル型ノートPCとしては、ThinkPad X1 Yogaが最薄かつ最軽量だとLenovoは主張している。確かに、2016年4月の時点において、同クラスでThinkPad X1 Yogaより薄型で軽量のデバイスは見当たらない。加えて、ThinkPad X1 Yogaは、品質、パフォーマンス、バッテリー持続時間のバランスも優れている。
大きな欠点は、ユーザーが自分でアップグレードできないことと、装着型のドックソリューションがないことだ。そして、言うまでもないが高価であることも欠点として挙げざるを得ない。それでも、プレミアム価格のコンバーティブル型ノートPCとしては堅実な選択肢といえるだろう。
構造とデザイン
ThinkPad X1 Yogaの黒いボディーは、一見するといつものThinkPadと同じに見える。相違点は、ほとんどのThinkPadシリーズよりかなり薄いことだ。特に“ThinkPad Classic”と並べると、その違いは歴然だ。本体の高さは16.8ミリしかない。ただし、幅と奥行きは、それぞれ333ミリと229ミリで標準的な14型ディスプレイ搭載ノートPCと同じくらいだ。ディスプレイのベゼルが狭縁になったことで、ThinkPad X1 Yogaの近代的な外観はさらにすっきりとした。
ThinkPad X1 Yogaにコンバーティブル機能が備わっていることは、本体後部にある360度回転する左右のガンメタルヒンジを見なければ分からない。このヒンジのおかげで、ディスプレイを360度回転させ、本体底面に対して折りたたむことができる。270度の角度で回転を止めて逆さまにし、カバー上部と本体前面を下にして立たせれば、テントモードになる。また、キーボード面を下にすれば、スタンドモードとして利用できる。
ThinkPad X1 Yogaは14型ディスプレイ搭載ノートPCとしては軽量だが、タブレットモード使用時に約1.36キロという重量はかなり重く感じる。比較対象として、Appleの「12.9インチ iPad Pro」と比べると、12.9インチ iPad Proの重さは713グラムで高さもThinkPad X1 Yogaの半分未満に過ぎない。幅と奥行きもやや短い。このサイズと重さを考えるに、純粋なタブレットの代わりにするつもりでThinkPad X1 Yogaを購入するのは得策ではない。
ボディーパネルの感触はプラスチックのようだ。しかし、実際には、本体はマグネシウム合金を、カバーはカーボンファイバーを採用している。Lenovoによれば、ThinkPad X1 Yogaは米国防総省制定のMilitary Standard(MIL規格)に基づいてテストを実施しているという。本体は比較的がっしりしているが、カバーの天面側を強く押すとその圧力がディスプレイに伝わる。ThinkPad X1 Yogaでは可能な限りボディーを薄くしているため、これは十分にあり得る話だ。
パーツごとの組み合わせと仕上がりの品質は高く、評価機を確認した限りはパーツ間に不自然なすき間は一切ない。本体とカバーの四隅は直角に近いが、ユーザーを保護するためわずかな丸みを帯びている。また、天面にはゴム仕上げのバンパーも用意している。そのため、ぶつけたり落としたりしてもディスプレイへのダメージを吸収してくれる。
ThinkPad X1 Yogaには、ユーザー自身ができるアップグレードの現実的な選択肢を用意していない。本体底面に開けられるパネルはなく、9個のプラスねじを全て取り外すことで辛うじてType 2280 SSD用のM.2スロットにアクセスできるだけだ。LPDDR3 メモリはThinkPad X1 Yogaのマザーボードにはんだ付けされているため、増設や交換は不可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー