Gartnerが伝授、「2020年ITトレンド」の攻略法
2020年には“コミュニケーション苦手な情シス”は生き残れなくなる?(1/2 ページ)
企業のIT部門の前には難問の山が立ちはだかっている。しかも、その多くは予算管理やプロセス計画などIT以外の問題だ。
インフラとツールが複雑に絡み合い、対応が後手に回る現状を根本的に改善したいと考えているIT担当者は多いだろう。幸い、解決へと導く道はある。
現在のIT部門の仕事は、システムリソースの配分をはじめとするワークロード管理、システム基盤の監視と運用などだ。一方で2020年のIT部門は、ITサービスブローカーの役割を担わねばならず、自動化、展開、セキュリティなど多様なIT業務を組織的かつ柔軟に評価、統合して経営改善に寄与しなければいけなくなる――。米調査会社Gartnerが2017年5月8日~10日に開催した「IT Operations Strategies & Solutions Summit」で、同社アナリストのジェフリー・ブルックス氏はそう語った。
IT部門は、2020年のITトレンドに向けた取り組みを早期に進め、高い成熟度とよりよいビジネスサービスに到達する必要がある。クラウドの利用を前提とした「クラウドファースト」の考え方やソフトスキル(コミュニケーションスキルをはじめとするヒューマンスキル)の重視といったトレンドが予想されている。
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2020年のITはこうなる
迅速かつ時間をかけて進める
現在のIT部門が抱える最大の課題は、迅速かつ時間をかけながら経営を改善して保護するという、相反する要請と文化的対立ではないだろうか。全てのアプリケーションを急速に移行する必要はないものの、IT部門は常に、ビジネス機会を鋭敏に獲得する方法を探っていかなければならない。
多国籍金融サービス企業でファイナンシャルディレクターを務めるマリア・ルーゴカーナフェル氏は、自社のロードマップや能力、強みを検討すべきであり、単に変革に追随するだけではいけないと主張し「追随しようとしているだけでは、いずれ新しい破壊的変革に対処できなくなる」と語る。また2020年のITトレンドはビジネストレンドになり、両者を明確に区別しなくなっていくという。
“IT負債”からの脱却
2020年のIT部門に“IT負債”を抱える余裕はない。統合された大規模な複合的ITインフラを維持することは、今後ますます難しくなる。これからのIT部門は、ITサービスを提供する一企業と同じように運営をしていかないと予算を獲得できなくなると、ブルックス氏は警鐘を鳴らす。
北米の大手銀行でITインフラ責任者を務める、ある参加者は、これまでのように複数のサイロに分割する方式とは違い、1つのシステム基盤を提供するという考え方に移っていると述べる。仮想マシン(VM)やコンテナ、クラウドの作業を1人の仮想環境管理者に集約し、UNIX、Linux、Windowsに分かれていた管理業務を1人のOS管理者に任せる。このOS管理者は各種OS全てを管理し、それらを同等に扱う。
こうした組織再編でコスト効率を高めることは重要であり、IT予算の半分は企業経営改善に充てるべきだと、Gartnerのマネージングバイスプレジデントのロニー・コルビル氏は補足する。
今日もクラウド、明日もクラウド
クラウドは万能の解決策ではないものの、よい出発点になる。2020年には、あらゆるITがクラウドへ移行すると予想される。だが、やむを得ない理由があれば、その限りではない。例えば、すぐにSAPの統合業務(ERP)パッケージをクラウドアプリケーションとして提供する必要はない。実のところ、ほとんどの従来型システム(SoR: Systems of Record、記録のためのシステム)と差別化システムは、まだクラウド化されていない。
「実際にクラウドを活用するには、それが可能なデザインとアーキテクチャにする必要がある」とコルビル氏は指摘する。クラウドへの移行を迅速に進めるべきか、段階的に進めるべきかは、アプリケーションによって異なる。ただし全体的には、クラウドとサービス化技術の導入は加速的に進みそうだ。
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