仮想ネットワーク実現の仕組み
OpenStackのネットワークを支える「Neutron」と「Dragonflow」の役割とは?
OpenStackコミュニティーはソフトウェア定義ネットワーク(SDN)機能の開発を進めている。そのコンポーネントである「Neutron」と「Dragonflow」は、どのような役割を果たすのだろうか。
プライベートクラウド構築ソフトウェア「OpenStack」のネットワーク機能は急速に進化している。新しいスイッチやサービスオプションが次々に登場しており、例えばOpenStackのコアネットワークコンポーネントである「Neutron」は、標準化した交換可能モデルを目指して進化し続けている。これを利用すると、仮想ネットワークの機能を動的につなぎ合わせてカスタマイズしたサービスを提供する「サービスチェイニング」などの高度なネットワーク運用を簡素化できる。
Neutronはネットワーク機能仮想化(NFV)を使用して、物理ネットワークにネットワーク抽象化層を作成する。Neutronではオーバーレイネットワークというカプセル化プロトコルが利用できる。オーバーレイ方式はネットワーク構成の自由度が高まるが、高い演算処理能力を必要とする。
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エンタープライズのためのOpenStack検討ガイド
Neutronが使用するネットワークノードは大規模展開におけるボトルネックになるため、OpenStackコミュニティーはこれを解消する「Dragonflow」というサブモジュールを導入した。このSDNコントローラーはOpenStackクラスタの分散仮想ルーターの役割を果たす。DragonflowによるNeutronコードへの影響はわずかだが、これによってスケーラビリティとスピードが向上し、管理が簡単になる。その柔軟なアーキテクチャにより、拡張/縮小するクラスタの仮想LANに対応する。
| 名前 | 機能 | 説明 |
|---|---|---|
| Horizon | ダッシュボード | OpenStackサービスを使用するためのWebユーザーインタフェース |
| Nova | コンピュート | OpenStackのイメージサービスから仮想マシン(VM)イメージを取得してターゲットサーバにVMを作成 |
| Neutron | ネットワーク | 仮想ネットワークとネットワークインタフェースを作成する。各社のネットワーク製品と結合可能 |
| Swift | オブジェクトストレージ | システム連携の設計原則「REST」に準拠したWebサービスを使って、イメージなどのオブジェクトを取得する。クラウドストレージサービス「Amazon S3」に相当する機能 |
| Cinder | ブロックストレージ | ログなどのディスクファイルを保管する。オブジェクトストレージとは異なり、ファイルへの追加書き込みが可能 |
| Keystone | 認証 | トークンに基づいてOpenStackツールへのユーザーアクセスとプロセスアクセスを許可 |
| Glance | イメージサービス | VMイメージをアップロードして組織で使用可能にするためのカタログ。クラウドOSとしてのOpenStackの考え方がここによく表れている。イメージから多様なVMを生成できるので、共通のソースからさまざまなクラウド環境にさまざまなバージョンを作成可能 |
| Trove | データベースサーバ | 各種データベースに対応 |
DragonflowはOpenStackのコンテナサブプロジェクト「Kuryr」と連携してOpenStackコンテナ環境にSDNを提供する。技術面ではレイヤー2、レイヤー3、DHCP、セキュリティグループなどの高度な機能に対応している。
オープンソースコミュニティーではOpenStack Neutron以外にもSDNとNFVのさまざまな取り組みが進行中だ。例えばLinuxの普及団体Linux Foundationが発足させた「OpenDaylight」プロジェクトは、業界標準となるSDNプラットフォームを作ることを目指している。まだ初期段階ではあるが、OpenDaylightの「NetVirt」モジュールはNeutronのAPIを使用し、L2、L3、DHCP、IPv6などのモジュラーサブサービスで構成されている。
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