OpenStackのネットワークを支える「Neutron」と「Dragonflow」の役割とは?仮想ネットワーク実現の仕組み

OpenStackコミュニティーはソフトウェア定義ネットワーク(SDN)機能の開発を進めている。そのコンポーネントである「Neutron」と「Dragonflow」は、どのような役割を果たすのだろうか。

2017年07月06日 05時00分 公開
[Jim O'ReillyTechTarget]

 プライベートクラウド構築ソフトウェア「OpenStack」のネットワーク機能は急速に進化している。新しいスイッチやサービスオプションが次々に登場しており、例えばOpenStackのコアネットワークコンポーネントである「Neutron」は、標準化した交換可能モデルを目指して進化し続けている。これを利用すると、仮想ネットワークの機能を動的につなぎ合わせてカスタマイズしたサービスを提供する「サービスチェイニング」などの高度なネットワーク運用を簡素化できる。

 Neutronはネットワーク機能仮想化(NFV)を使用して、物理ネットワークにネットワーク抽象化層を作成する。Neutronではオーバーレイネットワークというカプセル化プロトコルが利用できる。オーバーレイ方式はネットワーク構成の自由度が高まるが、高い演算処理能力を必要とする。

 Neutronが使用するネットワークノードは大規模展開におけるボトルネックになるため、OpenStackコミュニティーはこれを解消する「Dragonflow」というサブモジュールを導入した。このSDNコントローラーはOpenStackクラスタの分散仮想ルーターの役割を果たす。DragonflowによるNeutronコードへの影響はわずかだが、これによってスケーラビリティとスピードが向上し、管理が簡単になる。その柔軟なアーキテクチャにより、拡張/縮小するクラスタの仮想LANに対応する。

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