サイバー攻撃が後を絶たない一方で、サイバーセキュリティ人材は圧倒的に不足している。この原因と解決方法について考察する。
米国でサイバーセキュリティの人材不足が起きているのはなぜだろう。STEM(科学、技術、工学、数学)分野の学位を取得する学生が不足していることが原因だと考える人もいる。だが、(ISC)2(International Information Systems Security Certification Consortium)のCEOデイビッド・シアラー氏の見方は違う。同氏は、情報セキュリティが専門職として世間からどのように見られているかがこの問題に深く関わっていると考えている。
2017年秋、米国で開催された(ISC)2 Security Congressで、シアラー氏はサイバーセキュリティの人材不足に関するパネルディスカッションに参加した。このディスカッションには、情報セキュリティ人材派遣と採用の企業CyberSNの創設者兼CEOデイドラ・ダイヤモンド氏、米連邦捜査局(FBI)の現副次長補で、同局のNational Cyber Investigative. Joint Task Force(国家サイバー合同捜査本部)前本部長を務めたドン・フリーズ氏などが参加している。
TechTargetは、このディスカッションを終えたばかりのシアラー氏にインタビューした。テーマは、サイバーセキュリティの人材不足についての同氏の見解と、現在起きている人目を引く一連のデータ侵害が情報セキュリティ専門家のイメージに悪い影響を与えているかどうかだ。以下に、同氏の見解を示す。
デイビッド・シアラー氏 情報セキュリティ専門家を否定的に見る人は常に一定数存在する。こうした人々は、何かうまくいかないことがあれば、情報セキュリティ専門家に責任が押し付けられるのではないかと感じている。
リスクが高いのに、その割には報酬が低い分野は幾つかある。こうした分野に身を投じようと考えるのは、「自分なら変えることができる。自分ならもっとうまくできる」という人々だ。
(ISC)2の役員を務め、医療分野で活躍するケビン・チャレスト氏が良い例だ。彼は、医療分野のセキュリティプログラムを建て直し、強化するという難題に挑もうとしている1人だ。こうした人々が増えていかなければならないのだが、それを妨げるものがある。
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