Microsoftのユーティリティーを紹介
Windows ADK、SIMなど用意 Windows 10移行を簡単にするツール4選
Windows ADKやDISM、SIMといったツールを適切に使いこなせば、IT担当者は、Windows 10に移行する際の手間をある程度軽減できる。
「Windows ADK」(Windows アセスメント&デプロイメント キット:Windows Assessment and Deployment Kit)から「DISM」(展開イメージのサービスと管理:Deployment Image Servicing and Management)ツールまで、Microsoftが提供する各ユーティリティーは、アプリケーションの互換性テストや、移行プロセスのさまざまな側面の自動化など、それぞれ少しずつ異なる機能を提供する。
主要なWindows 10移行ツールの中で重要なものを幾つか把握し、この新OSへのアップグレードの管理に役立てよう。
併せて読みたいお薦め記事
Windows 10移行についてもっと詳しく
Windows 10の標準ツール
Windows ADK
最初に取り上げるのはWindows ADKだ。Windows ADKは名前の通りツールキットであり、この記事で紹介する他の重要ツールの一部も含んでいるからだ。具体的には、Windows ADKは、「Windows SIM」(Windows システム イメージ マネージャー:Windows System Image Manager)、「Sysprep」(システム準備:System Preparation)、DISMなどのツールから成る。IT担当者は、目的のWindows 10移行ツールを組み合わせて使い、ソフトウェアとハードウェアの互換性テストを行ってからWindows 10に移行したり、同OSの大規模な展開を自動化したりできる。
またWindows ADKは、全てのIT担当者が知っておくべき2つのツールも含んでいる。「WinPE」(Windows プレインストール環境:Windows Preinstallation Environment)と「WinRE」(Windows 回復環境:Windows Recovery Environment)だ。
WinPEは小さなOSであり、IT担当者はユーザーデバイスにWindows 10を展開する際に、同OSのインストーラや他のソフトウェアコンポーネントをサポートするために使用できる。またWinPEは、障害発生時にWindows 10デスクトップを修復するための緊急オプションとして使用することもできる。WinREは似た機能を提供し、IT担当者は、OSを起動してファイルの整合性などの問題をトラブルシューティングするために使用できる。
Windows DISM
IT担当者はWindows 10を展開する前に、Windows ADKに含まれるコマンドラインツールであるDISMを使って、デスクトップイメージやドライブを操作できる。OSの機能、パッケージ、ドライバの変更や更新を行うことが可能だ。一般的に、OSのオフライン時に変更を行うが、アクティブOSセッションに変更を適用できるDISMコマンドもある。
DISMは、イメージファイルやドライブの重要な情報も含んでいる。イメージファイルの場所がその1つだ。IT担当者がDISMを使って操作するイメージファイルは、Windows Imaging Format(WIM)ファイル、仮想ドライブ、またはHyper-V仮想ハードディスクファイルだ。
Windows SIM
Windows SIMも、Windows 10への移行を簡素化するために使用できるツールだ。IT担当者はこのツールを使って、無人セットアップ応答ファイルを作成、管理できる。この応答ファイルにより、Windows 10のインストールプロセスの一部を自動化することが可能だ。例えば、このファイルには、Windowsセットアップ設定(ディスクパーティションを構成する方法、イメージのインストール先ディスク、デフォルトの言語など)が含まれる。IT担当者は、SIMでサードパーティーアプリ、デバイスドライバなどをWindows 10イメージに追加することもできる。
応答ファイルに含まれる情報は、コンポーネント、プロパティ、その他のリソースに分割できる。コンポーネントは、Windowsセットアッププロセスのさまざまな構成パス(フェーズ)を指す。例えば、offlineServicingは、更新プログラムや言語パックをOSに適用する。プロパティは、ユーザーに直接関わる項目であり、IT担当者はこれを使って、キーボードレイアウトを指定したり、インストールプロセスの中でユーザー入力が必要な部分(エンドユーザーライセンス契約への同意など)を省略したりできる。
SIMでサードパーティーアプリなどを追加するには、IT担当者は配布共有を作成する必要がある。配布共有はオプションだが、これを使うことで、スクリプトやドライバの追加など、イメージに大幅なカスタマイズを施せる。最終的には、展開プロセスに関する指示(イメージに対してどのアプリを追加または削除するかの指定)を含むパッケージを追加することが可能だ。
MAP Toolkit
Windows 10への移行では、互換性が非常に重要だ。ユーザーが使うデバイスやアプリとともに、バックエンドインフラも、全てが同OSと連携する必要がある。IT担当者は、ネットワーク全体のインベントリを作成できる「MAP Toolkit」(Microsoft Assessment and Planning Toolkit)を使って、自社が何を持っているかに加え、それらが新しいOS、サーバ、クラウドベース展開への移行に、どの程度対応しているかを評価できる。例えば、Windows 10 Assessment Reportは、ハードウェアがWindows 10と互換性があるかどうかを示す。
MAP Toolkitが作成するレポートには、全ユーザー数、Windowsを使用するユーザー数、特定のアプリケーションを使うユーザー数などの詳細情報が含まれる。このツールキットは、サンプルレポート、トレーニングキット、MAPの動作要件に関する情報、注目すべき一般的な問題の解説などとともにダウンロード配布されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー