ハイパーコンバージドインフラ(HCI)導入事例
VMware環境からScale Computingの「HC3」へ移行 米損保が決断した理由(1/2 ページ)
米国のある損害保険会社は、VMware製品群や複数のストレージシステムで構築していた自社インフラを、Scale ComputingのHCI製品「HC3」に置き換えた。その理由と、刷新の効果とは。
保険会社のデジタルトランスフォーメーション(DX:ITによるビジネス変革)には、ビッグデータからモノのインターネット(IoT)まで、さまざまなテクノロジーが関わる可能性がある。損害査定プロセスには、ドローン(小型無人飛行機)さえも利用され始めている。
このような進化を支えるのが、保険会社のITインフラだ。アイダホ州ポカテッロに拠点を置く損害保険会社Farm Bureau Mutual Insurance Company of Idaho(以下、Idaho Farm Bureau Insurance)は最近、インフラを見直し、統合型インフラ製品のハイパーコンバージドインフラ(HCI)を導入した。
TechTargetは2018年初頭、このプロジェクトについて同社情報システム部門のディレクターを務めるアダム・ウォルドロン氏にインタビューした。
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インフラへのニーズの高まりで刷新を検討
Idaho Farm Bureau Insuranceでは、IT需要の増加に社内インフラが追い付いていなかった。特に新しい仮想マシンを稼働するためのメモリが足りないことが問題だった。同社はVMwareの仮想化製品群を運用し、一部は7年近く利用してきたIBM製ハードウェアに配置していた。「新しいハードウェアに移行する必要があった」とウォルドロン氏は言う。
ディザスタリカバリー(DR:災害復旧)コストの検討も必要だった。
Idaho Farm Bureau Insuranceは、待機系のオフサイト(遠隔地のデータセンター)にバックアップデータを保管していた。だが稼働系サイト(データセンター)からオフサイトへ切り替えるフェイルオーバーの仕組みは実現していなかった。
その理由は何か。フェイルオーバーが可能なDRシステムを構築するとなると「コストが膨大になる」からだとウォルドロン氏は話す。
Idaho Farm Bureau Insuranceは、数TBに及ぶ画像データベースと大規模顧客データベースを含む、膨大な量のデータセットを管理している。保険会社にとってのDXの到来は、データセットとインフラの要件が増え続けることを意味する。
ドローンを用いて物的損害の調査をする際には、大量の画像データが生まれる。IoTデバイスが収集し続けるデータも、企業のITリソースに負荷を掛ける可能性がある。
クラウドではなくオンプレミスを選択
Idaho Farm Bureau Insuranceは、ITインフラの大半を社内で運用している。Microsoftの統合業務(ERP)/顧客関係管理(CMR)サービス「Dynamics 365」など、クラウドで稼働するシステムも一部あるものの、多くのIT資産をクラウドに移行するのは現実的ではなかったという。「大規模データベースをクラウドで運用すると、コストが非常に高くなる。オンプレミスで運用する方が、コスト効率が高いと判断した」とウォルドロン氏は語る。
データのプライバシーに関する懸念も重要な検討事項だった。「当社のような保険会社の大半は、リスクを好まない」とウォルドロン氏は言う。同氏は主要な懸念としてプロセッサレベルの脆弱(ぜいじゃく)性を指摘する。攻撃者がこうした脆弱性を悪用すると、クラウドサービスのセキュリティメカニズムを回避できる恐れがあるからだ。
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