Zend Frameworkの複数のバージョンにも対応
JavaScriptサポートが強化されたPHP用IDE「Zend Studio for Eclipse 6.1」
ゼンド・ジャパンが2009年4月に発表した、PHP統合開発環境の最新版「Zend Studio for Eclipse 6.1 日本語版」。マイナーバージョンアップながら、重要な機能の追加や強化が行われた。幾つかの主要な機能を紹介する。
Zend Studio for Eclipse(以下、Zend Studio)は、Webアプリケーション向けのスクリプト言語であるPHP(PHP:Hypertext Preprocessor)の統合開発環境(IDE)。2008年3月にEclipseをベースプラットフォームとした最初のバージョンである「6.0」が発表された。今回は6.0から6.1へのマイナーバージョンアップだが、多くの機能が強化されている。本稿では、Windows XP Professional(SP3)にインストールして検証を行った。
Eclipse 3.4に対応
Zend Studio 6.1では、そのベースとなるEclipseプラットフォームが「3.3.2」から「3.4.1」にバージョンアップされた。見た目や操作感などの基本的な部分については、大きな変更はないようだ。しかし、リモートのマシン上のファイルを参照したり編集したりできる新機能「リモート・システム・エクスプローラー」が搭載されたのをはじめ、検索機能や印刷機能が使いやすくなるなど、その操作性は着実に向上しているといえる。
Zend Framework対応の強化
Zend Studio 6.1では、PHPアプリケーションのフレームワークである「Zend Framework」への対応が強化された。従来のバージョンでもZend Frameworkに対応したさまざまな機能を提供してきたが、6.1ではその対応機能がさらに拡張されている。
Zend Frameworkの複数バージョンに対応
Zend Studio 6.1から、Zend Frameworkプロジェクトを作成する際に、複数のZend Frameworkのバージョン(Zend Framework 1.0/1.5/1.6/1.7)を選択できるようになった。これにより、従来のバージョンで作成したZend Frameworkプロジェクトを、Zend Framework 1.7にアップグレードさせることなく、Zend Studio 6.1へ移行可能だ。
ただし、[Zend Frameworkプロジェクト]ダイアログボックスの選択項目には「1.0、1.6、1.7」の3つバージョンしか表示されない。Zend Framework 1.5に対応するプロジェクトを作成するには、[PHP Include Path]ダイアログボックスで[変数追加]ボタンをクリックして表示される[新しい変数の追加]ダイアログボックスで、変数「FRAMEWORK_1.5_HOME」を追加する必要がある。
対応テンプレートの拡張
従来は、Zend Frameworkの中でもよく使用される機能に限定したテンプレートが提供されていた。Zend Studio 6.1では以下のテンプレートが追加されており、定型的な骨組みのコードを一から記述する必要がなくなった。
- Zend Actionヘルパ
- Zend Viewヘルパ
- Zend Table(Zend_Db_Table対応のテーブルクラス)
- Zend Controllerテストケース
今回追加されたテンプレートの中でも、特に注目すべきは「Zend Controllerテストケース」だ。Zend Controllerテストケースの新規成ウィザードを利用することで、既存のControllerクラスを基にして、Zend Frameworkアプリケーション用の単体テスト支援ツール「Zend_Test_PHPUnit」(以下、Zend_Test)に対応したテストケースを自動生成できる。
また、Zend_Testを利用することで「リクエストURIに対する適切なアクションが割り当てられているか」「レスポンスに含まれるヘッダ、コンテンツは妥当か」といった検証も可能だ。Zend_Testのテスト結果は、従来と同様にZend Studio上で確認できる。
JavaScriptのコーディングサポート
Zend Studio 6.1では、昨今のWebアプリケーション開発には欠かせないJavaScriptのサポートも強化されている。プロジェクトのプロパティからJavaScriptのライブラリに対してパスを追加することで、標準ライブラリだけではなく、外部のJavaScriptライブラリに対してもコード補完機能を有効にすることができる。
ただし、jQueryなどの一部のライブラリではコード補完が有効にならないものもある。
Ajax/Dojoに対応
また、Zend_Dojoコンポーネントによって、Ajax開発向けのJavaScriptライブラリ「Dojo」に標準対応。Dojoと連携するアプリケーションの開発を容易にする。Zend Frameworkプロジェクト作成時に[Dojoサポートを有効にする]をチェックすると、Dojoのコード補完機能が有効になる。
JavaScriptのコーディング時だけではなく、Zend_DojoでDojoモジュールを呼び出す場合でも、コード補完機能が活用できる点も注目だ。
SQL クエリー・ビルダーの追加
データベース関連の機能としては、新たに「SQL クエリー・ビルダー」が追加された。この機能を利用することで、SQL言語にそれほど精通していない開発者であっても、Microsoft Accessのようなインタフェースによって複雑なSQL命令文を直感的に作成できる。
なお、ZendStudioでは、Eclipse 3.4標準のクエリー・ビルダーで用意されているドライバに加えて、以下の独自ドライバが提供されている。
Zend Studio独自のドライバ
- Derbyクライアント
- IBM DB2
- MySQL
- Oracle Database
- PostgreSQL
- Microsoft SQL Server
これらのドライバを利用することで、データベース接続に際して、自らドライバを追加する手間をかける必要がない点もポイントだ。
本格的なPHPアプリケーション開発に向けて
このように、Zend Studio 6.1ではさまざまな機能拡張や新機能の追加が行われている。特にZend Frameworkを導入して本格的なPHPアプリケーション開発を検討しているならば、この製品の導入やバージョンアップを視野に入れてみると良いだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
2
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
3
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
4
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
5
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
6
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
7
10年かけてBIを再構築したアマノの一手 「権限がない」「予算がない」でもDXは動かせる
-
8
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
9
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
10
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー