プロジェクト管理ツール紹介:テンダ編
プロジェクト管理とグループウェアを統合した「Time Krei」
プロジェクト管理ツールを導入しても実際に使われていない企業では、実績入力が現場の負担になったり、管理者がその実績を管理業務に有効活用できていないことが多い。こうした課題を解決する策とは?
単に管理ツールを導入しただけでは残業は減らない!?
プロジェクト管理ツールを導入しても、その後なかなか運用に乗らないという企業は多い。プロジェクトメンバーに対して管理ツールへの進ちょく入力を強制すると、一方的に管理されるだけという意識を持ち、難色を示すメンバーが現れることもある。その場合、やがてそのツールがまったく活用されなくなるという事態に陥りやすい。
テンダの取締役 市場・製品開発事業本部 本部長の中村繁貴氏は「プロジェクトマネジャーは、メンバーの作業実績を管理するためだけのツールとしてプロジェクト管理ツールを導入するべきではない」と語る。中村氏自身、ある上司との打ち合わせに2時間かかり、その分を補うために残業をしていると、その上司に「なぜ残業をしているのか」と問われ、違和感を覚えた経験があるという。
中村氏は「1人日8時間のプロジェクトメンバーが別の業務に2時間費やせば、当然その分を残業して補うことになる。しかし、一般的なプロジェクト管理ツールでは、そうした状況を把握することができていない」と指摘する。その上で、こうした課題を解決するためには“より詳細に時間をマネジメントする”ことにあるとし、同社が提供する「Time Krei」ではそれが実現可能だと説明する。Kreiとはエスペラント語で「創造する」という意味があり、つまりTime Kreiとは「時間を創造する」を意味するという。
ほかのプロジェクト管理ツールとの違いは一体何だろうか? 今回はテンダのプロジェクト管理ソリューションを紹介する。
コンセプトは“時間をマネジメントする”
Time Kreiは、先述したように“時間をマネジメントする”というコンセプトの下、プロジェクト管理とグループウェアの機能を1つのシステムに統合している。中村氏は「これらの機能を統合することで、業務にかかる“時間”と“コスト”を、経営者/管理者/従業員という3者の視点で見える化し、企業マネジメントに必要な情報の管理や収集、分析を可能にする」と説明する。
| 機能名 | 概要 |
|---|---|
| プロジェクト管理 | WBS(作業分解図)管理 WBSテンプレート 個人別作業割り当て状況管理 プロジェクト別費用管理 EVM分析 原価構成比率分析 稼働率分析 |
| グループウェア | スケジュール管理 施設予約 作業実績管理 掲示板 回覧板 権限管理 |
従業員の“見せる化”を促進
Time Kreiでは、Adobe Flexを利用した直感的なユーザーインタフェースによって、スケジュール管理や作業実績管理などの入力が簡単に行えるように工夫されている。
中村氏は「画面を見て、一目でその業務のボリュームや重要性が分かることが大事だ」と説明する。例えば、ほかのグループウェアのように「13時から14時まで会議」「13時から17時まで会議」と文字のみで表示されると、時間の長さの違いが直感的に分からないこともある。Time Kreiでは番組表のように帯枠でスケジュールを表示でき、「13時から17時まで会議」が長時間の会議であることが一目で分かる。さらにアジェンダなどの情報を確認することで、その会議の内容が時間に見合った価値があるのかを判断でき、こうした会議の時間短縮を検討するなど、生産性の向上を図ることができる。
また、プロジェクトメンバーが残業した場合でも、その日の業務内容を登録しておけば「会議や打ち合わせが長引いたのか、別プロジェクトの業務を行っていたのか」というように、その残業に至る要因を明確化することができる。これにより、「メンバーは自身の作業実績を管理者に向けてしっかりと“見せる”ことができ、管理者はそのメンバーのプロジェクトに対する貢献度などを的確に評価することが可能となる」という(中村氏)。
管理者への“情報集約化”を実現
管理者向けの機能としては、複数プロジェクトの一元管理を実現できるなどの“情報集約化”を支援する機能を提供する。例えば、Time Kreiではチャートをマウスで動かすだけで数値データも変更可能で、工程スケジュールの修正なども容易に行うことができる。
また、WBS(作業分解図)はグループウェア機能と共存させることができ、単一のシステム上でグループウェアとプロジェクトの両方のスケジュールを管理し、業務データを多角的に集計・分析することが可能となる。これにより、プロジェクトメンバーの空き時間を把握でき、効果的なタスク指示が行えるようになる。さらに、一度作成したWBSはテンプレートとして保存し、再利用できる。「Time Kreiでは、典型的なプロジェクトのWBSパターンをテンプレートとして蓄積しておくことで、次回からナレッジとして有効活用し、業務効率の向上にもつなげることができる」(中村氏)という。
経営者の“見える化”を支援
経営者向けには“プロジェクトの見える化”を支援する機能を提供する。従業員がグループウェアから入力した作業実績を集計し、EVM分析や原価構成比率分析、稼働率分析などによって、経営に必要な情報をタイムリーに把握することができる。また、集計値や分析結果はグラフで表示されるため、細かい数値を確認しなくても異常値を素早く発見でき、さらにグラフをドリルダウンすることでその原因まで究明可能だ。例えば、作業別の集計グラフを確認すると、結合テストの段階でコーディング作業がまだ残っていた場合、どこかでバグが発生している可能性が高いことなどが分かるという。
中村氏はリアルタイムに稼働率分析をチェックすることで、従業員のメンタルケアやワークライフバランスに活用することもできると説明する。「月末に1回、残業が多い従業員と面談を行う予定にしている場合、その時点では既に体調を崩してしまい、手遅れになってしまっているケースもある。リアルタイムで残業の状況が見えていれば、そうなる前に仕事を振り分けたり、新しいスタッフを確保するなど、事前に手を打つこともできる」(中村氏)。さらに、労働基準法の改正によって、人事業務を圧迫する要因にもなるであろう有給休暇の時間単位管理にも対応するなど、ホワイトカラーの生産性を維持することができるという。
あらゆる業種のプロジェクト管理に対応
Time Kreiはプロジェクトの規模や用途に応じて「サーバ導入型」と「ASP(Application Service Provider)型」の2種類が用意されている。2008年7月1日の販売開始以来、ASP型を中心にして300社以上での導入実績がある。
TimeKrei導入事例ハイライト
大手製薬会社D社
D社では、新薬の承認申請電子化プロジェクトを進めるに当たり、非臨床試験のスピードアップや各種規制への対応に向け、統計解析システムの開発に着手した。このプロジェクトに携わる各開発ベンダーの進ちょく状況を管理するツールとして、Time Kreiを導入した。これにより、ベンダーごとに進められている各工程の作業状況、進ちょく率を把握し、プロジェクト全体の可視化を実現した。
販売当初は、中小規模のSIerをターゲットに販売展開していたが、その製品コンセプトから、現在ではSIerだけでなく、さまざまな業種のプロジェクトにも導入が広がりつつあるという。中村氏は「到達すべきゴールがあり、かつ複数の人間がかかわるような取り組みは、すべてプロジェクトといえる。Time Kreiは、業種を問わずあらゆるプロジェクト管理のニーズに対応する」と語る。
今後の展開
同社では今後も、ユーザーニーズに応じた機能強化を図っていく予定で、申請ワークフロー機能の追加などを検討している。さらに、他社のSFA(営業支援)製品や、原価管理などの基幹系システムとのデータ連携も積極的に進めていく考えだ。
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