ホワイトペーパーレビュー
IFRS適用のメリットが分かる3つのホワイトペーパー
コストが掛かると指摘されるIFRS適用。しかし、適切に導入すれば、コストを上回るメリットを得ることができる。現場、経営層共に納得できるIFRS適用のメリットを3つのホワイトペーパーから読み取る。
2015年、もしくは2016年の強制適用が示されているIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)。対象となる上場企業では2010年春からプロジェクトの立ち上げが活発になってきた。しかし、海外で資金調達していない企業や、中堅・中小規模の企業など、「何のためにIFRSを適用するのか分からない」という声があるのも事実だ。今回はTechTargetジャパンのホワイトペーパーダウンロードセンターに登録されているホワイトペーパーの中から、「IFRS適用のメリットが分かる3つのホワイトペーパー」を紹介しよう。
会計システムの統一、経理業務の標準化に
PwCアドバイザリー(現プライスウォーターハウスクーパース)のマネージングディレクター 村田達紀氏は、IFRSについて「日本で定められたわけでもない基準を、なぜ適用しなければならないのか」という疑問の声があると説明する。海外で策定されたIFRSは日本の伝統的な商習慣と合わないのは明らか。原則主義など、これまでの日本の会計基準とは大きく異なる考え方も採用されている。そのため疑問の声が沸くのは当然だ。
では、なぜ日本はIFRS適用の方向を決めたのか。村田氏は「世界がIFRS適用に向かっている中、これに対応しないと、世界経済から取り残されてしまう」と語る。海外展開していない上場企業でも外国人株主がいるケースは多い。顧客や取引先がすべて国内だけという企業は今や少ないだろう。どのような企業でも、そして上場していればなおさら、海外からの目を意識する必要があるのだ。そして、その際に評価のモノサシとなるのがIFRSだ。
村田氏はその上で企業がIFRS適用で得られるメリットを「IFRSを契機として会計システムの統一や経理業務の標準化が進む」と指摘。「IFRSへの対応を単なる制度対応に限定せず、併せて、会計基盤の刷新や標準化に乗り出す企業が増えている」と説明している。経営層に対してIFRS適用のメリットを説きたい。そういう際にぜひ参考にしたいホワイトペーパーだ。
「見える化」の精度を高める
その「見える化」で十分ですか? いま、本当に必要な「見える化」とは──IFRSにも対応、経営を一歩先へ
経営一般の用語として、よく使われるようになった「見える化」。IFRSは企業の業績を世界標準のモノサシで外部に対して「見える化」するといえるが、このホワイトペーパーではさらに「IFRS適用をきっかけとして、企業グループ全体の『見える化』の精度をより高めることにもつなげられる」とメリットを訴える。
グローバル展開する企業の「見える化」とは、各国にある製造拠点別、販売拠点別、製品別にコストや収益性、効率性を可視化することで、次の経営判断につなげていく作業だ。ただ、ベースとなる会計基準が各国でバラバラだとその精度が落ちてしまう。収益性を割り出すためには当然、売上高や利益を項目別に割り出す必要があるが、同じ取引でも会計基準によって売上高や利益は増減するのが一般的だ。これでは経営判断の質を高めることは難しいだろう。
IFRSはこのようなバラバラな会計基準による判断を統一し、「海外拠点を含め、同一の基準に基づく均質化した数値を基に意思決定や業績評価を可能にする」というメリットがあると説明する。経営の見える化はグローバル展開する企業だけでなく、国内事業中心の企業にとっても注目キーワードだ。しかし、その実現は道半ばという企業が多い。このホワイトペーパーを読むことで、現状の見える化の問題点と解決策が見えてくるだろう。
見える化関連のホワイトペーパー
先に進むための情報を掲載
「IFRS対応を業務変革の機会として活用」。このホワイトペーパーは訴える。IFRS適用はITシステムだけでなく、会計処理や業務プロセスなど企業の多くのエリアに影響を及ぼす。それだけ対応には手間が掛かるといえるが、逆にいえば現状の非効率なプロセスを見直すことができる改善の機会ととらえることもできる。「周到な計画と綿密な実行に努めれば、IFRS導入の取り組みを、財務連結/リポート作成システムを見直して改善し、法令順守を迅速に実現するためのチャンスとして活用」できるのだ。
以下がこのホワイトペーパーが挙げるIFRS適用のメリットだ。
- 会計/財務報告方針の標準化と改善
- リソースの利用効率と可用性の向上
- 社内統制の強化
- 資金管理の改善
企業はこれらのメリットを得るためにITシステムや業務プロセスの見直しを行うだろう。このホワイトペーパーでは、IFRSプロジェクトを進めるための概要や、各エリアにおける影響度も説明している。プロジェクトの立ち上げなど、さらに先に進みたい読者にとって役立つ情報が記載されている。
業務改革関連のホワイトペーパー
今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、ERPとIFRSの市場動向、技術、製品に関するホワイトペーパーを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。
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