Hyper-Vを管理する3つのサードパーティー製品
Hyper-V管理ツールとバックアップアプライアンスの活用でストレージ使用量を削減
ストレージ使用量を削減するために、Microsoftの「クラスターシェアードボリューム(CSV)機能」と、サードパーティー製Hyper-V管理ツールについて紹介する。
サーバ仮想化は、サーバ設置スペースやサーバ電力、コストを削減し、管理を簡素化する効果的な方法だ。しかし、こうしたさまざまなメリットの一方で、非常に非効率な点もある。仮想マシン(VM)の格納とバックアップ用のディスクストレージの必要量が増加の一途をたどることだ。
Hyper-Vの管理では、この問題に対処するための選択肢が幾つかある。Microsoftの「クラスターシェアードボリューム(CSV)機能」と、サードパーティー製Hyper-V管理ツールだ。サードパーティーツールは、Microsoftの標準的な製品を上回る魅力的なメリットを提供する。
本稿では、筆者が使った経験のある幾つかのHyper-Vツールにスポットを当てる。これらの製品を開発した企業は、仮想サーバ環境におけるストレージに関する問題の軽減にも取り組んでいる。
Melio FSによるHyper-V管理
Sanbolicの「Melio FS」は、VMwareのvStorage VMFS(Virtual Machine File System)と同様のファイルシステムだが、Hyper-Vの管理に使われる。Melio FSはCSVのような機能に加え、以下のような堅牢な機能を豊富に提供する。
フルアクセス
Hyper-Vクラスタのすべてのノードが、Melio FSでフォーマットされたLUN(Logical Unit Number)にアクセスできる。CSVへのアクセスを許可する単一のコーディネーターノードは存在しない。
QoS
VMや特定の仮想HDD(VHD)、さらにはプロセスに、ディスクI/Oの帯域幅を保証できる。これにより、Hyper-V管理ツールで一般的に得られるよりもはるかに高度なサービス保証が可能になる。
SAN全体のストレージのミラーリング
この機能により、SANレベルで高度なフォールトトレランスを実現できる。ファームウェアの更新やSANのトラブルで、膨大なVMが停止する恐れがなくなる。2つのSAN間でストレージをミラーリングすることで、すべてのVMが稼働を継続する。
Microsoftのボリュームシャドーコピーサービス(VSS)のサポート
Melio FSは、ボリュームやVHDのレベルでVMのスナップショットやバックアップを作成し、VSSに対応するバックアップ製品からアクセスできる。
リモートアクセス
時には、VMに関連するファイルを手動で操作しなければならないことがある。CSVはこの機能を提供していない。
ストレージの観点から見ると、このHyper-V管理ツールはCSVとまったく同じメリットを提供する。それらのメリットは、クラスタ化されたすべてのVMに有効だ。Melio FSにより、VMごとにLUNが必要なHyper-Vのアーキテクチャに伴うストレージのオーバーヘッドを回避できる上、多くの先進的な機能が利用できる。
Melio FSは、Sanbolicの製品スイートのコンポーネントとして販売されている。
Virsto OneによるHyper-Vの管理
Virsto SoftwareのHyper-Vツール「Virsto One」は以下の3つの技術により、仮想環境におけるストレージの容量を削減する。
シンプロビジョニング
Virsto Oneでは必要な容量だけをプロビジョニングできるため、十分に拡張されたVHDを展開する必要はない。これは、新しく追加されるVHDやVMのスナップショットクローンに当てはまる。わたしの環境では、容量が40%以上削減される可能性があり、ストレージコストの抑制に役立ちそうだ。
VM I/Oの高速化
Hyper-Vは理論上では、容量可変VHDファイルによってシンプロビジョニングを実現できる。しかし、実環境でシンプロビジョニングを試したことがある人は、ほとんどのワークロードでI/Oパフォーマンスが足りないことを思い知らされている。わたしは、完全にプロビジョニングされた容量固定VHDファイルを使い、容量の利用率を犠牲にしてI/Oスピードを確保しなければならなかった。高い容量利用率と高速なI/Oの両立が実現されれば理想的だ。Virsto Oneは、一般にストレージインフラを圧迫する大量のランダムI/O要求を効率的に整理する。
VMスナップショット
Virsto Oneでは、以前の構成に戻るために利用するさまざまなレベルのスナップショットを作成できる。そのプロセスにおいてパフォーマンスの顕著な低下は見られない。Hyper-Vでのスナップショットファイル(.avhdファイル)作成時には、パフォーマンスの低下が目立つことがある。
Virstoは、ハードウェア非依存を目標に掲げており、Virsto Oneのこれらの機能は特別なハードウェアを必要としない。わたしの環境ではシンプロビジョニングコンポーネントだけでも、大量のSANストレージの削減に効果的だろう。I/Oパフォーマンスが低下しないというメリットも生かせれば、さらに大幅な削減が可能になりそうだ。
Virsto Oneは先ごろ発売された。
Data Domain Appliance SeriesによるVMのバックアップ
EMCのData Domain Appliance Seriesは、仮想化と直接の関連はないが、バックアップ製品と組み合わせて利用すると、ストレージ容量を大幅に削減できる。
Data Domain Appliance Seriesの重複除外機能は、データブロックを8Kバイト単位でシーケンス済みデータと比較し、シーケンス済みデータと同じ場合は無視し、違う場合はディスクに書き込む仕組みだ。Hyper-V VHDの観点から、容量固定VHDの空きスペースを考えてみよう。空きスペースはどのVHDでも同じであるため、バックアップの際には、控えめに言っても容量固定VHDファイル内のデータだけがバックアップされることになる。だがテストしたところ、重複除外機能によってバックアップ対象から除外されたのは、この空きスペースだけではなかった。
Data Domain Appliance Seriesは重複除外機能に加え、データの一部または全体を別のサイトにレプリケートする機能により、少なくともバックアップ面では、仮想ストレージの運用の負担を一部軽減する。
わたしは長年の間、データセンターにおける物理サーバのスプロール(無秩序な増殖)の抑制に取り組んできた。昨今では物理サーバの大幅な減少が見られるようになってきているが、その副作用として、ディスクリソースを追加する必要性が高まっている。それに伴い、Tバイト単位でディスクストレージの無駄が発生したり、高速なSAN製品の購入が必要になるといった問題が生じている。今回紹介したサードパーティー製のHyper-V管理ツールやストレージアプライアンスは、こうした問題への対処に役立つ。
本稿筆者のロブ・マクシンスキー氏は、米ダートマス・ヒッチコック医療センターのシニアシステムエンジニア。IT業界で12年以上の経験を持ち、2004年からサーバ仮想化に力を入れて取り組んできた。Hyper-VとSystem Center Virtual Machine Manager 2008の早期導入ユーザーとして、さらに顧客照会先として、Microsoftと近い関係にある。また、VirtuallyAware.comでブログを運営し、さまざまな仮想化製品の使い方のコツや使用体験を記事にしている。
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