中堅・中小企業向けグループウェアSaaS探究:沖縄クロス・ヘッド
SaaS化した「サイボウズ Office 8」が“最初のグループウェア”に最適な訳
グループウェアを初めて導入する企業、その刷新を検討する企業に向けてASP/SaaS型グループウェアを紹介する本連載。今回は、国産人気グループウェアをSaaS利用できる「サイボウズ Office 8」にフォーカスする。
岐路に立つグループウェア
大企業はもちろん、中堅・中小企業でも普及が進むグループウェアは、組織のコミュニケーションや情報共有、プロジェクトのコラボレーションに不可欠な機能を提供することで、すっかりビジネスの道具として根付くまでになった。だが、中にはユーザー管理が負担、社員の利用率が上がらない、活用効果が見えないといった悩みを抱えている企業も多い。
また、市場やビジネス環境の変化で、既存のグループウェアが自社の業務スタイルに合わなくなっているケースもあるだろう。新たな製品が登場しても、日常業務に浸透してしまっているためなかなか乗り換えづらいのもグループウェアの特徴である。そこで本連載「中堅・中小企業向けグループウェア探訪」では、現在続々と登場しているASP/SaaS(Software as a Service)型グループウェア製品の中から有力な製品、特徴的な製品を紹介することで、オンプレミス(自社導入型)グループウェアにはないメリットを洗い出してみたい。
第1回目は、「サイボウズ Office 8 for SaaS」を取り上げる。
人気のグループウェアをSaaSでも提供
サイボウズ Office 8 for SaaSは、中小企業向けグループウェアでトップシェア(※)の「サイボウズOffice 8」の機能をそのままに、サーバを設置する必要もなく、申し込み後にすぐに使える手軽さや、ユーザーID数に応じた安価な月額制料金といったSaaSならではのメリットを利用できるサービスとして、2007年に登場した。
※ノークリサーチ「2009年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」のグループウェア部門。
サイボウズ Officeシリーズは、従来のグループウェアの定番だった日本アイ・ビー・エムのLotus Notes/DominoやマイクロソフトのExchange Serverなどに対抗すべく誕生した純国産のグループウェアで、2010年6月現在、2万8000社の3万7300部門が利用するメジャーブランドである。もともと、導入時やメンテナンスのコストを掛けず、かつWebで利用できるようにすることを目的に開発されており、ITのリテラシーを問わず直感的に操作できる容易さと、最小限のクリックで目的を果たすユーザーインタフェースのシンプルさを特徴とする。
それをSaaSで利用できるようにしたことで、サーバ設置の手間やスケーリングが不要となった。導入に当たっては、ユーザーの環境構築をWebで自動化しているためインストール作業が必要なく、ユーザーの増加に伴うHDD増設も不要である。バージョンアップやソフトウェアのメンテナンスもサービス提供側が逐次実施するので、ユーザー情報の登録以外、ユーザー企業側の手間は一切掛からない。
サイボウズ Office 8 for SaaSのサービス体系は、基本セット、マネジメントオプション、共通パックで構成されている。「サイボウズ Office 8 基本セット for SaaS」は、「スケジュール」「ファイル管理」「掲示版」「アドレス帳」「設備予約」「社内メール」「電話メモ」の各機能が利用できるほか、ソフトウェア製品では有料オプションとなる「ワークフロー」「ケータイ」の機能もSaaS版では標準で活用できる。最近のモバイル活用率の増加や、中小企業におけるワークフロー人気にも配慮している。
iPhone用アプリも標準装備
さらに、iPhone向けに開発されたサイボウズ Officeアプリ「サイボウズモバイル KUNAI Lite for iPhone」も無料で利用可能だ。グループウェアのスケジュールデータをネットワーク経由で同期し、iPhoneの操作性でスムーズに予定情報などを閲覧できるようになっている。
また、マネジメントオプションには、「サイボウズ Office 8 報告書 for SaaS」および「サイボウズ Office 8 プロジェクト for SaaS」が用意されている。サイボウズ Office 8 報告書 for SaaSは、顧客とのやりとりや商談状況を報告書として作成・共有するツールで、指示やアドバイスの迅速化や営業活動の生産性アップを目的としている。
サイボウズ Office 8 プロジェクトfor SaaSは、進ちょくやデータなどプロジェクトに関する情報をまとめて管理・共有することで、プロジェクトの遂行を総合的に支援するオプションだ。なお、報告書とプロジェクトの機能は、基本セットに標準搭載のケータイ機能からでも利用できる。
初めてのグループウェア導入に安心の4つのメニュー
さらに共通パックには、契約企業の導入時の負担や不安を軽減し、セキュリティなどのサービスを利用できる4つのメニューが設定されている。
・「サイボウズ SaaS 導入トレーニングパック」
ピンポイントでの導入トレーニングを提供するサービスで、SaaS専任インストラクターが事前に要望をヒアリングし、基本操作から活用ノウハウまでのトレーニングメニューを契約企業に出張して実施する。
・「サイボウズ SaaS セキュリティパック」
IPアドレスによるアクセス制限設定を行うサービス。パスワードの設定やSSL通信だけでは不安を感じる企業のために用意された。
・「サイボウズ SaaS ディスク拡張パック」
ディスク容量を必要に応じて追加できるサービス。10Gバイト単位で、最大220Gバイトまで追加が可能。
・「サイボウズ SaaS 引越しパック」
サイボウズ Office 8 for SaaSを新規に契約、あるいは解約する企業を対象に、サイボウズ内の膨大なデータをまとめて受け渡すサービス。パッケージ版を利用した場合の既存環境、または他社のサイボウズASP環境から全データを移行できる。
| サービス名 | ユーザー当たり月額料金(税込み) | ユーザー当たり年額料金(税込み) |
|---|---|---|
| サイボウズ Office 8 基本セット for SaaS | 1575円 | 1万7010円 |
| サイボウズ Office 8 報告書 for SaaS | 525円 | 5670円 |
| サイボウズ Office 8 プロジェクト for SaaS | 525円 | 5670円 |
| サービス名 | 単位 | 料金(税込み) |
|---|---|---|
| サイボウズ SaaS 導入トレーニングパック | 約4時間/1回 | 10万5000円 |
| サイボウズ SaaS セキュリティパック | 1IPアドレス/1回 | 1万500円 |
| サイボウズ SaaS ディスク拡張パック | 10Gバイト/月 | 5250円 |
| 10Gバイト/年 | 5万6700円 | |
| サイボウズ SaaS 引越しパック | 1回 | 10万5000円 |
営業権はフィードパスから沖縄クロス・ヘッドに
「サイボウズ Office 8 for SaaSは、最少10人から最大300人までを利用対象範囲としている。しかし利用人数の増減は自由のため、人材の流動化が激しい中堅・中小企業や大企業内の部門で利用されているほか、複数の企業がまたがる協業プロジェクトでの利用も多くなっている」
そう話すのは、沖縄クロス・ヘッドの取締役で営業部長を務める渡嘉敷唯昭氏。サイボウズ Office 8 for SaaSは2010年11月1日付で、これまでサイボウズ OfficeのSaaS版を提供していたフィードパスから、それらサービスをデータセンターで運営している沖縄クロス・ヘッドへと営業権が移管された。
沖縄クロス・ヘッドは、SI支援やデータセンターの運用監視サービス、クラウドホスティングサービス、GIX(沖縄~香港直結高速回線サービス)などを提供するサービス事業者で、ネットワークソリューションを提供する親会社のクロス・ヘッドと、サイボウズ、インデックス沖縄の共同出資によって2006年に設立した企業。サイボウズ Office 8 for SaaSは、同社が監視センターを置く、沖縄・宜野座村のNTT西日本 九州データセンターで運用されている。
沖縄クロス・ヘッドは、既に沖縄県内ではサイボウズ Office 8のASPサービスを提供しており、SaaS版の取り扱いも過去の知見が活用できるので、営業移管はまったく問題ないという。沖縄クロス・ヘッドは、今回のSaaS事業移管と併せて、これまでのクラウドホスティングサービス「CUMO(キューモ)」を加えた新たなサービスブランド「CUMO app suite(キューモアップスイート)」として、サービス強化を図るとしている。
SMBのグループウェア普及はスケジュール管理から
「グループウェアを堅苦しく考えることはない。グループウェアを導入したからといって、いきなりナレッジの共有を目指す必要はなく、まずはスケジュールから共有してみるのがいいだろう」と語る渡嘉敷氏は、スケジュールをWeb上で共有することが、ほかの機能を使ってみようという“欲”につながり、未経験の中小企業でもグループウェアを組織に馴染ませることができるという。
ただし、スケジュールやアドレス帳、メールなど、企業の重要な情報を扱うため、グループウェアは信頼性の高いシステムの利用を強く勧める。
「無料をうたうグループウェアの中には、サポートサービスが貧弱なものもあるので注意が必要。サイボウズ Office 8 for SaaSでは、導入前・導入後を含めてメールや電話によるヘルプデスク対応を行っており、サイボウズ Officeのコンセプトを深く認識し、技術的な知識を持ったスタッフがささいなことでも質問を受け付けるので、その対応も評価されている」(渡嘉敷氏)
なお沖縄クロス・ヘッドでは、サイボウズ Office 8 for SaaSを申し込み後、翌月末まで無償で利用できる、最大60日のトライアルサービスを行っている。この間、各機能の使い勝手や業務への適合性をいろいろと試すことができ、不明なことがあればヘルプデスクも利用できる。トライアルは自社のセキュリティポリシーに照らし合わせるチャンスであるとともに、沖縄クロス・ヘッドのサポート対応を知る良い機会にもなるだろう。
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