タブレット端末7製品を見比べる
どれを選ぶ? モバイルユニファイドコミュニケーションに最適なタブレット端末
iPadが火を付けた“タブレット”ブーム。企業への導入に当たっては、ユニファイドコミュニケーションへの全般的移行という枠組みの中でとらえるべきだろう。
タブレットPCは1980年代から市場に出回っているが、これまでは決して目立つ存在ではなかった。しかしiPadの登場で、タブレット端末は一気にITの表舞台に躍り出た。タブレットは、スマートフォンとノートPCとの間に漠然と存在するすき間を埋める製品だが、タッチスクリーン技術に依存するという点ではスマートフォンに近いといえる。
しかし携帯端末の例に漏れず、最初に登場する製品はコンシューマー市場のニーズに狙いを定めている。これは企業に2つの難問を提起する──「ユーザーはどのようなタブレット端末を仕事で必要とするのか?」そして「タブレット端末をどのようにモバイルUC(ユニファイドコミュニケーション)戦略に組み入れるのか?」という問題だ。
この半年の間に、スマートフォンメーカーやノートPCメーカーからタブレットに関する発表が相次いだ。「開発意向」の発表もあれば、実際の製品(下表)の発表もあった。発表された製品の多くは2011年にリリースされる予定だが、企業がこれらの製品の登場に備えるのは現時点でも早過ぎることはない。タブレット導入計画で最も重要なのは、この新プラットフォームがユーザーの3つの“C”(コンピューティング、コミュニケーション、コラボレーション)の生産性を向上させるのを支援する準備を整えることだ。
| 製品名 | Apple iPad | Cisco Cius | RIM PlayBook | Avaya DVD | Samsung Galaxy | Dell Streak | Lenovo X201 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 画面サイズ(インチ) | 9.7 | 7 | 7 | 11.6 | 7 | 5 | 12.1 |
| 重量 | 約730g | 約540g | 約410g | 約1450g | 約410g | 約230g | 約1360g |
| OS | iOS | Android 2.2 | ONX | Android 2.1 | Android 2.2 | Android 1.6 | Windows 7 |
| カメラ(表/背面) | 未搭載 | 表/背面 | 表/背面 | 表 | 表/背面 | 表/背面 | 表 |
| Wi-Fi(IEEE 802.11) | a/b/g/n | a/b/g/n | a/b/g/n | b/g/n | n(デュアルバンド) | b/g | a/g/n |
| 3G | 対応 | 対応 | スマートフォン経由 | 未対応(要ドングル) | 対応 | 対応 | 対応 |
| 価格(ドル) | 500/830 | 1000 | 未公表 | 2000 | 未公表 | 550 | 1549 |
これまでに発表されたタブレットの中には本格的な業務コンピューティング向けの製品は存在せず、タブレットの全体的なコンセプトから判断すれば、この傾向が変わることはなさそうだ。コミュニケーションとコラボレーション向けに最適化された端末もあるが、この比較的大きな分類の中で、さまざまな製品がそれぞれ独自の特色を打ち出している。企業への導入に当たってのタブレットの選択は、UCへの全般的移行という枠組みの中でとらえるべきだ。UCの目的は、さまざまなツールを組み合わせ、音声、動画、電子メール、テキストを統合することにより、ユーザー同士がコミュニケートするプレゼンス対応環境を提供することにある。
各社のタブレット端末はいずれも、Web、電子メール、メディア再生、テキスト入力を標準でサポートする。これらは基本的にスマートフォンが備える機能と同じだが、大型画面のおかげで、はるかに魅力的なユーザーインタフェースが実現されている。また大型画面は、タブレットが電子書籍リーダー市場に進出する可能性も与えている。単機能デバイスは、タブレットのような革新的技術との競争にさらされると太刀打ちできないことは歴史が示している。
タブレット──「生産」よりも「消費」に重点
恐らくタブレットをめぐる最大の問題は、「ユーザーにどのような機能を許可するか」ということだろう。これまでのところ、コンテンツの作成よりもコンテンツ“消費”にタブレットの主眼が置かれているのは明らかだ。メーカー各社の広告も、ユーザーがコーヒーを飲みながらタブレット上でのんびり記事を読んでいたり、ビデオ会議に参加している(メモは取らずに)といったものばかりだ。こんな仕事だったら、さぞ楽しいことだろう。
ほとんどのタブレットのデータ入力機能は、タッチスクリーン搭載スマートフォンと同等である。言い換えれば、お粗末だということだ。オフィスのナレッジワーカーであれ病院に勤務する医療従事者であれ、文章を入力しなければならないユーザーにとって、タッチスクリーン上でのタイピングでは仕事にならない。「チェックボックス」型アプリケーションにデータを入力するだけならば、タッチスクリーンでも十分かもしれない。しかし少し複雑な業務となれば、必ず非定型のテキストやグラフィック情報(ボックスと線を用いた図表など)の入力が必要とされる。例えば、モバイル端末向け医療アプリケーションの開発では、どういったチェックボックス機能を画面に表示すべきかに多くの時間が費やされるが、図表を使ったメモを作成する機能に対するニーズもまだ存在するのだ。
本稿筆者のマイケル・フィネラン氏は独立系コンサルタント兼業界アナリストで、ワイヤレス技術、モバイルUC、固定・携帯融合を専門とする。ネットワーキング分野で30年以上にわたる幅広い経験を持つ同氏は、同分野のエキスパートとして広く認知されている。ワイヤレス関連では、Wi-Fi、3G/4G携帯、WiMAX、RFIDなど広範な専門領域をカバーする。最初の著作となる『Voice Over Wireless LANs -- The Complete Guide』(Elsevier刊)を最近刊行した。
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