マインドマップで作成
構成管理や障害対応で役に立つVMwareダイアグラムの作り方
VMware vSphereの要素をマッピングするのは非常に手間の掛かる作業だ。だがマッピングツールを使うことでダイアグラムの作成が容易になる。ダイアグラムはVMware vSphereの障害対応や各種機能の実装で役に立つ。
私は地図が大好きだ。街路地図や地形図、それに古地図も持っている。それならば、「VMware vSphere」を使った自社の仮想化インフラ環境に地図を使うのも極めて自然なことではないだろうか。
VMwareインフラは元来、ダイナミックなものだ。各要素がどこにあり、それがどのように関連付けられているのかを常に把握しておくことは難しい場合もある。何しろ、分散型リソーススケジューリング(Distributed Resource Scheduling)、ストレージのライブマイグレーション(Storage vMotion)、高可用性(High Availability)といった機能のおかげで、仮想マシン(VM)とデータは自動的に移動するようになっているからだ。
従って、そうした機能を含めたVMwareダイアグラムを作成すれば、以下のようなタスクに大いに役立つはずだ。
・分離
ポイントAとポイントEの間で問題が発生した場合には、その問題をポイントB、C、Dと分離できる
・アップグレードの計画
ネットワーク全体が1ギガビットイーサのネットワーク帯域で稼働していると思っていたのに、インフラをダイアグラム化したところ、スイッチは100Mbpsの帯域しかないことが分かるかもしれない。そのような場合には、スイッチのアップグレードの必要性に気付ける。
・リソースの割り当て
同じような構成の複数のVMware ESXクラスタがあり、そのうちの1つがホスト当たり10台のVMを実行しているのに、別のクラスタはホスト当たり5台しかVMを実行していないような場合には、クラスタの負荷配分を見直す必要がある。
VMware vSphereインフラをマッピングするのに有用な3つのVMwareダイアグラムツールと戦略を紹介する。
VMware vCenter、VMware vSphere Clientマップ
VMwareに組み込まれているマッピングツールは、ホスト、VM、ネットワーク、データストア間のリアルタイムの関係をダイアグラム化する。この機能は、こうしたコンポーネント間のシングルポイント障害を特定するのに便利だ。
さらにこのツールでは、例えばホストとVMの接続、ホストとネットワークの接続、VMとデータストアの接続など、個々の接続ごとに表示と非表示を選択することも可能だ。ただし、こうしたマップは一般的に仮想コンポーネントに限定されている。従って、このタイプのVMwareダイアグラムには通常、自社でサポートしているインフラの多くが抜けている。
物理コンポーネントと論理コンポーネント
物理コンポーネントと論理コンポーネントのマップはどのデータセンターにも偏在しており、とりわけネットワークダイアグラムに関してはそうだ。「Microsoft Visio」やオープンソースの「Dia」などのツールは、仮想環境だけでなく、ルータやスイッチ、侵入防止システムなどの物理コンポーネントもダイアグラム化するようになっている。
そうした詳細なダイアグラムはコンピューティングとセキュリティの面から、インフラのより広範なビューを提供してくれるため、通信関連のトラブルシューティングに大いに役立つ。とりわけ、ホストやVMが異なる物理ネットワークスイッチに配置されている場合にはなおさらだ。
電気通信部門やセキュリティ部門など、さまざまな事業部門のマップを統合すれば、インフラ内の問題の根本的な原因を分離する能力を大いに高めることが可能だ。
マインドマッピング
マインドマッピングアプリケーションは比較的新しい存在だ。マインドマッピングアプリケーションは、ユーザーがさまざまなコンセプト間の関係を追跡して記憶しておけるよう手助けするためのものだ。仮想インフラにおいては、全ての要素を整理し、その関係性を把握しておくのは大仕事であるため、こうした機能は重宝する。ダイアグラムを使えば、些末なことにこだわらずに、より大きな構想に集中できる。そのため、もしインフラに何か問題が生じても、マップを呼び出せば、その問題を分離できる。
マインドマップはとりわけ、メイントピック(アイデア)とサブコンセプト(画像、文書、ハイパーリンクなど)の関係性を知るのに便利だ。ホスト、ルータ、SAN(Storage Area Network)、FC(Fibre Channel)スイッチなど、最近は1つのインフラに統合すべき各種の仮想コンポーネントが増加の一途をたどっているが、マインドマップには、そうしたコンポーネント同士を結び付ける力がある。
マインドマップ用のソフトウェアは、オープンソースのものが多数提供されている。私は童話「3匹のクマ」の女の子ゴルディロックスになった気分で、「ちょうど良い温かさのスープ」を探すべく、幾つかのアプリケーションを試してみた。その結果、あまりに基本的過ぎるものや、あまりに複雑過ぎるものもあったが、機能性と使い勝手のバランスが取れたちょうど良いアプリケーションが1つ見つかった。「FreeMind」だ。このアプリケーションは、VMware vSphereの各要素がどのように連係しているのかを把握し、構成の詳細やトラブルシューティングに関するメモ、JPEGファイル、VMware文書へのリンクなどを記録しておくのにも役立った。
全ての相互依存関係も含め、VMware vSphereインフラの完全なマップを構築するのは、非常に手間の掛かる作業だった。だが私は非常に読みやすいVMwareダイアグラムを完成させることができた。このダイアグラムは今後、トラブルシューティングに役立つだろうし、VMware vSphereの各種の機能を実装する際の記憶補助としても役立つはずだ。
太古の昔から、人々は地図を使って世界中を航海し、新たな地平線を発見してきた。そして地図は、複雑なテクノロジーの世界をナビゲートする上で今も変わらずに有用だ。テクノロジーの世界は現代を生きるわれわれにとっての開拓前線であり、探検と発見の機は十分に熟している。
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