SMB向けストレージ製品紹介:EMCジャパン
高性能とシンプルを追求したSMB向けストレージ「EMC VNXe」
EMCが2011年2月に発表したエントリー向けストレージ製品「EMC VNXe」シリーズ。エンタープライズ向けストレージ技術のアーキテクチャを継承し、SMBに必要な機能を厳選して活用できる。
年々増大するデータの管理と運用が企業の大きな足かせとなっている。最近は“ビッグデータ”というキーワードが注目を集めているように、企業が保有するデータはさらに増え続けている(参考:ゼタバイト時代の企業ストレージ環境とは)。また、画像や動画、音声などのように取り扱うデータの種類も増え、それらを効率的に管理する技術が求められている。さらに今後はストレージへの投資金額がサーバ投資を上回るとも言われている。
こうしたストレージに対する課題は大企業だけが直面するものではなく、中堅・中小(SMB)企業にも共通している。この連載では、特に「人」「予算」「スキル」が限られているSMB企業の問題を解決するストレージを取り上げる。
SMB向けストレージで必要な3つの要素を実現
EMCは2011年2月、従来のミッドレンジ向けストレージ製品群「EMC CLARiX」「EMC Celerra」の後継としてVNXファミリを発表した。その中のエントリークラス向けユニファイドストレージ製品群「EMC VNXe」(以下、VNXe)シリーズはEMCのエンタープライズ向けストレージ技術のアーキテクチャを継承しながら、SMBに必要な機能に絞って提供することで「シンプル」「効率的」「コストメリット」の3つを実現しているという。
EMCのマーケティング本部 ストレージ製品マーケティング・マネージャー 中野逸子氏は「SMBのシステム管理者の多くは、サーバやストレージ、ネットワークの全ての面倒を見なければならない。そのため、なるべく手間を掛けず、専門スキルも必要なく運用できることが重要だ」と説明する。
VNXeシリーズは、最小構成が2Uサイズの「VNXe 3100」と最小構成が3Uサイズの「VNXe 3300」の2機種が用意されている。VNXe3100はシングルまたはデュアルのコントローラー構成を選択でき、最大搭載ドライブ数は96、最大データ容量は192Tバイト。VNXe3300はデュアルコントローラーで最大搭載ドライブ数は120、最大データ容量は240Tバイト。
Exchangeのプロビジョニング構成がわずか10分で完了
VNXeシリーズはストレージ管理ソフトウェア「EMC Unisphere」を標準搭載し、ここから全ての操作が可能だ。初期設定はVNXe接続ユーティリティをインストールしたPCとVNXe本体を接続してVNXeの管理用IPアドレスを設定し、ウィザードに従って操作するだけで準備が整う。
「EMC Unisphereでは専門用語を極力使わないように配慮し、その操作性やデザインにこだわった」と強調する中野氏は、特に分かりやすいウィザード開発に注力したと説明する。
EMC Unisphereでは目的ごとにメニュー化された運用画面が用意され、各コンポーネントの状態を視覚的に把握し、リソースの使用状況の詳細なリポートを表示する。万が一トラブルが発生した場合は、ポップアップ画面が自動的に立ち上がり不具合の内容を通知するとともに、故障箇所を視覚的に表示する。パーツ交換が必要な場合は、その手順をオンラインヘルプや動画などでも説明する。
また、 EMC Unisphereはスナップショットやレプリケーション、ホストに対するアクセス制御、シンプロビジョニングなどの設定を簡素化する「プロビジョニングウィザード」機能を搭載している。プロビジョニングウィザードはVMwareやHyper-V、Microsoft Exchange Server(以下、Exchange)などアプリケーションごとに用意されている。
例えば、Exchange用ウィザードを使う場合、Exchangeのバージョンとユーザー数、メールボックスサイズなどを設定する。VNXeがEMCのベストプラクティスに沿って、自動的にExchange用ボリュームを設定する。「Exchangeメールボックスのストレージを構成する時間はわずか10分程度で済む」(中野氏)という。
散在したストレージを統合するユニファイド技術
多くの企業では社内にファイルサーバやアプリケーションサーバ、業務用のメールシステム、データベースサーバなどが乱立している。その対応策として安価なNASを次々に増設したり、サーバごとにストレージを利用したりするなど、容量を付け足すことが多く、結果的にリソース全体の利用率が下がり、データが分散して一貫した管理が困難になる。
VNXeシリーズはマルチプロトコル接続に対応しており、ファイルベースのNAS(Network Attached Storage)環境とブロックベースのIP-SAN(Storage Area Network)環境の両方で利用可能。また、これらを統合するユニファイドストレージとして、企業内に散在するストレージ環境を1台に集約できる。
さらに中野氏は「VMwareやHyper-Vなどの仮想化技術との連携も検証済みで、SMB企業でも導入が進んでいる仮想環境にも対応している」と説明する。このようにVNXeシリーズを導入することで、設置スペースの削減とともに消費電力も低減させ、個々に管理していたオペレーションを一元化し、管理者の負担を削減できるというわけだ。
データ圧縮/重複排除、シンプロビジョニング機能などを標準搭載
VNXeシリーズではデータ圧縮や重複排除などの技術を活用し、ストレージ統合後のデータ容量の効率化も支援する。NASに格納されているデータの容量をEMC独自のデータ圧縮技術によって減らす。また重複排除技術によって、ファイルサーバ内に重複して保存されているファイルを自動的に検出して、重複分のデータを削除する(参考:“De-duplication”(重複除外)でストレージの無駄遣いをなくす)。中野氏は「これらの機能を活用することで、ストレージ容量を最大50%削減可能」と説明する。
さらに、シンプロビジョニング技術によって仮想的にボリュームを割り当てることで、実際の利用率とほぼ同等の物理容量での運用を可能にする(参考:ストレージの無駄を省くシンプロビジョニング)。VNXeはこれらの機能を標準で搭載しており、ライセンスを追加することなく利用できる。
VNXeシリーズではファンや電源ユニット、I/Oモジュール、キャッシュメモリなどが二重化されている。デュアルコントローラー構成ではアクティブ/アクティブ形式で運用することで、どちらかのコントローラーが万一ダウンしても、もう片方のコントローラーによって運用を継続する。また、急な停電などで電力供給が絶たれた場合は自動的にキャッシュデータを専用フラッシュメモリへ退避する。こうした可用性の高さもシステム管理者が安心して運用できる導入メリットの1つだといえるだろう。
コスト面の訴求やソフトウェアのパッケージ提供も
VNXe 3100の販売価格は99万7500円から(シングルコントローラー、300Gバイト SASドライブ6本搭載の場合)。またEMCでは、レプリケーションやアプリケーションバックアップなどの機能をパッケージ化しており、SMB企業のストレージ環境のニーズに合わせた柔軟なストレージ管理・運用を支援している。中野氏は「VNXeシリーズでは信頼が高く運用がシンプル、高機能で安価というストレージの理想を追求している」と述べる。
| VNXe3100 | VNXe3300 | |
|---|---|---|
| 最小構成サイズ | 2U | 3U |
| プロセッサ数 | 1/2 | 2 |
| 最小/最大ドライブ数 | 6~96 | 7~120 |
| CPU/メモリ(コントローラー当たり) | Intel Xeonデュアルコア/4Gバイト | Intel Xeonクアッドコア/12Gバイト |
| IPポート(コントローラー当たり) | 2 | 4 |
| SANホスト数 | 128 | 256 |
| 最大LUN | 256 | 512 |
| 最大LUNサイズ | 2Tバイト | |
| 最大ファイルサイズ | 16Tバイト | |
| Flex IOモジュール搭載数 | 1 | 2 |
| 対応プロトコル | NFS、CIFS、iSCSI | |
| RAIDオプション | RAID 10、RAID 5、RAID 6 | |
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