ライセンス管理の課題、ツール
複雑なWindowsライセンス管理──究極は「管理しない」こと?
Windows 7には複数のエディションと複数の購入方法があり、ライセンス管理は困難を極める。これを助けてくれるツールと、「究極の方法」を紹介する。
全てのMicrosoft製品の企業導入には、ある1つの共通点がある。「複雑なライセンス体系」だ。Windows 7も例外ではない。ライセンス体系が複雑になるのは当然といえるため、この体系を理解しておくことが規約違反を防ぐ上で非常に重要になる。
ライセンスが複雑になる原因の1つは、Windows 7に複数のエディション(6種類のメジャーエディション)があることだ。その上、購入方法も複数ある。Windows 7の場合、ざっとリストアップするだけでも
- 新しいPCのプリインストール版として入手する
- アップグレード版を購入する
- 「インプレースアップグレード」または「Windows Anytime Upgrade」(オンラインでアップグレードライセンスを購入して上位エディションにアップグレード)を実行する
- 完全なリテール版を購入する
- ボリュームライセンスを利用する
といった手段がある。
企業導入の場合は、エディション選びは多少簡単になる。ほとんどの企業では社内にWindows Serverドメインがあり、PCはこのドメインに参加できるか、少なくともアクセスできなければならない。このため、採用できるWindows 7のエディションは、
- Windows 7 Professional
- Windows 7 Enterprise
- Windows 7 Ultimate
の3つに絞られる。ただし、Windows 7 Enterpriseは、大規模な展開を行うボリュームライセンスアグリーメントやSoftware Assurance(SA)プログラムを利用する組織向けのエディションであるため、中堅・中小企業では候補にも入らないだろう。従って、多くの企業ではWindows 7 ProfessionalかWindows 7 Ultimateを選択することになる。
複雑なWindows 7のアップグレードパス
しかし、企業におけるWindows 7 ProfessionalおよびWindows 7 Ultimateのさまざまな展開方法を前にすると、途端に話は複雑になる。Windows 7のアップグレードは、Windowsの旧版からのアップグレードにとどまらないためだ。
例えば、大半のNetbookはWindows 7 Starter Editionを搭載しているが、このエディションではWindows Serverドメインにアクセスできない。従って、Windows Anytime Upgradeを購入して、Windows 7 StarterからWindows 7 Professionalに移行しなければならない。新しいPCを購入するときも同様で、Windows 7 Home Premiumが搭載されている場合は、ProfessionalまたはUltimateにアップグレードする必要がある。
OEM版のWindows 7 ProfessionalおよびUltimateはどうだろうか。名の通ったブランドPCの場合、通常、メーカーのハードウェアに合わせてプログラミングされたWindows 7が搭載されている。一般的にOEM版では登録とライセンス認証が必要で、少なくとも正式には別のシステムに移行できない。
ライセンス管理のヒントおよび支援ツール
ライセンスやアップグレードの方法が多様なため、IT管理者が「規約に違反せず展開できているか?」「入手経路は適切だったか?」と混乱するのも無理はない。この混乱の原因は、ツールや有効な管理手順が導入されていないことにもあり、Microsoftだけの責任にはできない。購入したライセンスを最大限活用し、規約に違反することなく運用するには、監査、文書化、仕分けを行うための独自のプロジェクト管理手順を確立する必要がある。
ライセンスという野獣を手なずける第一歩は、適切な文書化の実施だ。ライセンスの監査を行い、ライセンスキーを記録する必要がある。また、どのキーがどのPCに割り当てられているかも追跡する。規模の小さい組織なら、ライセンスの文書化はスプレッドシートで済ませることができるだろう。しかし、この追跡方法は、展開の規模が大きくなるにつれて難しくなる可能性がある。
そこで、この混乱を軽減してくれるサードパーティー製ツールの登場だ。
- Dell KACE(参考:Windows 7移行ツールを評価してみた)
- Kaseya IT Automation Platform
- LANDesk Asset Lifecycle Manager
- Novell Zenworks Asset Management
- ScriptLogic Asset Manager
などの資産管理ツールは、ライセンス管理の自動化などが可能だ。最初に資産管理パッケージを導入することで、ライセンスや移行、監査に関する問題の多くを回避できる。また、OSのインストールに必要な時間と労力も多少は節約できる。他のOSに対応しているツールも多く、Windows 7へのアップグレード以外にも活用できる。
大抵の資産管理ツールは、PCの監査、インストール済みのOSやアプリケーションのライセンス管理、PC間で新しいキーを割り当てまたは譲渡できる管理グループの作成が可能だ。その他に、旧バージョンからWindows 7への移行支援機能やインプレースアップグレードを簡略化する機能を備えているものも多い。
しかし、「あえて手を出さない」道を選ぶこともできる。リテール版であれOEM版であれ、Windows 7はライセンス認証が必要なため、事実上、Microsoftが面倒なライセンス管理を引き受けてくれている。Windows 7 Enterpriseを使用する必要がない小規模な展開では、ライセンス認証プロセスとWindows Genuine Advantage(正規Windows推奨プログラム)を使用してライセンスを管理することで、Windows 7の特定のインストールが違反していないかどうかを検証する手間を省ける。
ほとんどの場合、どのようにライセンス管理を行うかは、基本的にはWindows 7の購入方法によって決まる。しかし、規模にかかわらず、どのような環境でも、ライセンスを管理するだけでなく、より高度な管理機能やリポート機能を備えた資産管理ツールは有用だ。
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