Server Coreはできないことだらけ?
Server Coreをめぐる4つの誤解
サーバOSにとってGUIは必須ではない。Windows Server 2008から導入された「Server Core」には多くのメリットがあるが、利用をためらう人もいる。その原因を論破する。
Windows Server 2008から、GUIを持たない「Server Core」インストールオプションが提供されており、Windows Server 2008 R2ではこのオプションもアップデートされた。Server Coreはいずれ、同サーバOSの標準かつデフォルトのインストールオプションとなる可能性も考えられる。もっとも、それを実現するためには、Microsoftにはまだやるべきことがたくさんあるが。
ユーザー側は、来るべき日に備えて、当面は可能な範囲でできる限りServer Coreを使うようにするのが得策だ。それによって、Server Coreに慣れることができるだけでなく、パッチ作業の軽減、メモリやディスク領域の節約(仮想環境では重要だ)など、幾つかの明確なメリットも享受できる。
残念ながらServer Coreをめぐっては幾つか根強い通説があり、そのせいでServer Coreを使うことに抵抗を感じている人たちも少なくない。以下では、その中でも特に重大な4つの通説について検証する。
Server Core向けに設計された特定の役割しか実行できない
全くの誤りだ。Server Coreでは、インストールできるものであれば何であれ実行できるし、Server Coreに存在しない機能に依存するものでなければ、何であれ実行できる。Windows Server 2008 R2では、Server Coreは.NET Frameworkをほぼ全面的にサポートしているため、サーバクラスのアプリケーションはほぼ何であれ実行できる。実際のところ、大きな問題となるのはインストーラだ。なぜなら、ベンダー各社はグラフィックスに依存した非常に複雑なインストーラを用意する傾向にあり、Server Coreではそうしたインストーラを実行できないからだ。これは皮肉な話だ。そうしたインストーラがなければ、恐らくもっと多くのプログラムをServer Coreで実行できていただろう。GUIなしのスクリプト化されたサイレントなインストールモードがあれば、Server Coreでうまく動くはずだ。
アンチウイルスエージェントや管理エージェントなど各種ツールを実行できない
誤りだ。現に私は、サーバレベルのアンチマルウェアソフトウェアの現行バージョンのうち、Server Coreにインストールできないものなど1つも知らない。管理エージェントについても、System Center、Tivoli、LANDeskをはじめとする多数の製品がServer Coreで問題なく動作することを確認済みだ。確かに通知領域にアイコンは表示されないが──そもそもServer Coreには通知領域がなく、タスクバーすら存在しない──、ソフトウェアはインストールできるし、問題なく動く。
セットアップと管理が難しい
セットアップに関しては、私も部分的にはこの通説を支持する。正確には、新しいサーバをコマンドラインで設定するのが難しいわけではないが、実際、われわれの多くはそうした難解なコマンドに慣れていない。とはいえ、Windowsファイアウォールの設定など、より難しい設定作業の多くはいずれにせよグループポリシーオブジェクトで行う必要がある。Server Coreの継続的な管理に関しては、何も問題ない。MMC(マイクロソフト管理コンソール)のスナップインを使って、クライアントPC(Windows 7)から管理すればいいだけだ。Windows Server 2008 R2では、管理ツールのServer Managerを使用してリモートコンピュータに接続したり管理したりもできるようになっている。
PowerShellを利用できない
これは完全に誤りだ。Windows Server 2008 R2のServer CoreはPowerShellだけでなくWinRM(Windowsリモート管理)も実行できる。つまり、PowerShellにリモートから接続できるため、サーバのコンソールにログオンしたりRDP(Remote Desktop Protocol)接続を開始したりする必要もないということだ。Server CoreはPowerShellをデフォルトシェルとしては使わないため、コンソールにログオンすると(あるいはRDP接続を開始すると)、懐かしのコマンドプロンプト(Cmd.exe)が表示されるが、PowerShellを実行すれば新しいシェルがスタートする。将来のバージョンではPowerShellがデフォルトのコンソールとなり、Microsoftはサーバの基本構成用のPowerShellコマンドレットのフルセットを提供することになるかもしれない。
これでお分かりいただけただろう。Server Coreは実にストレートで分かりやすいインストールオプションであり、提供してくれるメリットも多岐にわたる。実際、私はドメインコントローラーを全てServer Coreに移行させ、その結果に満足しているという組織の事例を幾つか知っている。読者の皆さんも、Server Coreをもう一度検討してみてはいかがだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー