Server Core特集 Part3
Windows Server Coreの長所と短所──専門家の見方
IIS 7.0と仮想化に続き、.NET FrameworkもServer Coreロールとして追加されるようだ。Server Core特集の最終回では、サーバロールの魅力と問題点を紹介する(Server Core特集のPart1は<a href="http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/0708/03/news01.html">こちら</a>、Part2は<a href="http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/0708/10/news01.html">こちら</a>)。
Windows Server 2008の最小インストールオプションである「Server Core」は「セットアップしてすぐに使える」という触れ込みだが、専門家らは、Microsoftが言うほどその管理は容易なのかという疑問を抱いているようだ。
Server Coreインストールオプションは基本的に、Windows Server 2008のOS機能のうち、特定のサーバロールを実行するのに必要でないものをすべてそぎ落としたバージョンだが、Server Coreのロール(機能)は次々と追加されている。
Microsoftは2007年5月、DNS、DHCP、Active Directory、Active Directory Lightweight Edition、Windows Media Servicesに追加する形で、IIS 7.0と仮想化をServer Coreロールとして追加した。
MicrosoftでWindows Serverチームのプロダクトマネジャーを務めるウォード・ラルストン氏によると、同社では現在、.NET FrameworkをServer Coreロールとして追加する作業を進めているようだ。これにより、ITマネジャーは、WebサーバであるIIS 7.0のフル機能を活用するとともに、PowerShellをスクリプティング言語として利用できるようになるという。
改良か複雑化か?
サーバロールの追加に対して、Windows Server 2008をテストしている人々の間では、「Microsoftがやっているのは改良なのだろうか、それともサーバロールの最小インストールオプションであるべきServer Coreを複雑化しようとしているだけなのか」といった疑問の声も上がっている。
コンサルティング会社、Directions on Microsoftのアナリスト、マイケル・チェリー氏は、Server CoreとWindows Server 2008 Beta 3のテストを行っており、「MicrosoftがServer Coreを成功させるには、その本来の目的を忘れてはならない。OSの最小コンポーネントだけを動作させることでメンテナンスを容易にするのが目的のはずだ」と指摘する。「.NETを追加することで、依存関係の数が極端に増える。どこかで線を引く必要がある。そうでないと全部インストールするのと同じことになってしまうだろう」(同氏)
Server Coreのメリットは、メンテナンスが軽減すること(パッチ適用作業が少なくなるなど)だけではない。巨大なサーバ上で小さなロールを実行するというような処理能力の浪費を避けたいというITマネジャーにとっても、Server Coreのメリットは大きい。「最小限のサーバロールを実行するのであれば、古いマシンでも十分だ」とチェリー氏は話す。
「仮想化もServer Coreの魅力を高めるものだ。多数の仮想マシンを実行するために、ペアレントOSをできるだけ小さくして、仮想マシンをコントロールするだけにするのであれば、Server Coreを利用するのが最も合理的だ」(同氏)
サーバロールは魅力的
コンサルティング会社Resolutions Enterprisesのネルソン・ルエスト社長によると、Server Coreで魅力が高いサーバロールが、DNS、ファイルサーバ、プリントサーバ、Windows Media Servicesだという。「古いハードウェアを利用できるファイルサーバやプリントサーバ、DNSロールのリードオンリー型ドメインコントローラ機能などは、リモートオフィスにぴったりだ」と同氏は話す。
ルエスト氏によると、ストリーミングビデオ機能を提供するだけの最小限のOS構成にすれば、Server CoreでWindows Media Servicesの効率的な運用が可能だという。
「IIS 7.0の場合と同様、静的なWebページを管理するためだけにWindows Media Servicesを使用するのであれば、Server Coreのロールとして運用するのが合理的だ。ただし、.NET FrameworkなしのServer Coreのロールでは、それ以外のことはほとんどできない」と同氏は話す。
より多くのサーバロールを追加すれば、それに伴って攻撃対象領域も大きくなるため、サーバコアのセキュリティが損なわれるのではないかと疑問を投げ掛けるテスターもいる。
「Server CoreにIIS 7.0が追加されたと思ったら、今度は.NET Frameworkだ。セキュリティはいったいどこに行ったのだろう」(ルエスト氏)
しかしMicrosoftのラルストン氏によると、Server Coreでサーバロールが多くなることと、このインストールオプションのセキュリティとはあまり関係がないという。「ロールを実行、インストールした時点で初めて、そのコードが実際にOSにインストールされ、これらのポートの機能がオープンされるようになっている。4つのロールを持ったServer Coreが、フルインストール版のWindows Server 2008に2つのロールをインストールしたものよりもセキュアであると言えるかどうかは、そのボックスの攻撃対象領域の大きさ次第だ」とラルストン氏は説明する。
Server Coreの管理はコマンドラインインタフェースで
Server Coreの管理者にとって従来と大きく異なるのが、GUIではなくコマンドラインインタフェースでServer Coreボックスを管理するという点だろう。ルエスト氏によると、IT管理者はServer Coreで採用されたコマンドラインインタフェースを喜ばないという。
「Server Coreの最大の欠点がコマンドラインだ。きちんと管理するためには、Visual Basicスクリプトやコマンドラインのさまざまなコマンドを覚えなければならない」とルエスト氏は指摘する。
Microsoftのラルストン氏によると、コマンドラインとは別に、Server Coreボックスをリモートで管理するための選択肢が数多く存在するという。
Microsoftは、「OCセットアップ」と呼ばれる新しいユーティリティを開発した。また、IT管理者は、Windows Server 2008ボックスのGUIを使って、Server Coreボックスをリモートで管理することができる。Windows Management Instrumentationを利用してServer Coreボックスを管理することも可能だ、とラルストン氏は話す。
インストールそのものに関しては、Server CoreはWindows Server 2008のEnterprise版とStandard版にインストールすることができる。将来的には、Web Editionにもインストール可能になる見込みだ。IT管理者がいったんServer Coreオプションを選択すると、Windows Server 2008のフルインストール構成に変更することはできず、その逆も不可能だ。
「再インストールする必要がある。配備に当たっては、しかるべき注意が要求される」(ラルストン氏)
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