Citrixによるプライベートクラウド構築6のステップ【後編】
Citrixの仮想化技術と連携しクラウドポータルを実現するCloudStack
CloudStackはXenServerと連携しCitrixベースのクラウド環境の管理性を向上させる。後編では、Citirxのデスクトップ配信とクラウド運用管理に関するコンポーネントを紹介する。
前編「Citrixのプライベートクラウドを支える3つの技術」では、米Citrix Systemsの技術を使用したプライベートクラウド構築のための3ステップとして、ハイパーバイザー、アプリケーションデリバリーコントローラー、アプリケーション配信を紹介した。後編では、デスクトップ配信やクラウドの運用管理を中心にクラウド構築ステップを3つ紹介する。
ステップ4:デスクトップの配信
ユーザーにとってクラウドの最大のメリットの1つは、会社のデスクトップをどこからでも、ほとんどどんな端末でも立ち上げることができることだ。例えば、ユーザーはどこにいても、会社のWindows 7デスクトップをiPadから起動できる。全てのマスターイメージを中央に集約し、クラウドからユーザーにサービスとして提供することで、ユーザーは、個人の端末で会社のデスクトップイメージにアクセスできる。
ICAプロトコルスタックを改良したCitrixの「HDX」のような技術により、管理者はホストされたデスクトップでのFlash動画やページ表示の速度と品質を向上させ、シームレスなエンドユーザーエクスペリエンスを提供できる。Citrixの「XenDesktop」はデスクトップを、プールされた環境や専用の環境として配信し、ユーザーは、前者の環境ではプール内の使用可能な最初のデスクトップを、後者の環境では永続的なデスクトップを受信する。
ユーザーは、クラウド上の自分のデスクトップを起動すると、実際にはXenAppサーバでホストされているパーソナルアプリケーションにアクセスできる。ユーザーはデスクトップインスタンスにサインインするときに、このサーバに接続する。ユーザーにとっては全てがシームレスに見え、アプリケーションがデスクトップに常に用意されているように感じられる。だが実際には、アプリケーションのプロセスはデータセンターで別個に管理されている。
ステップ5:Open Cloud Accessによるアイデンティティーフェデレーション
多くの企業が、Citrixベースのクラウド環境とSaaSアプリケーションを運用している。ユーザーがさまざまなSaaSアプリケーションにアクセスするために、多くの資格情報を覚えておいて入力しなければならないと、問題が起こりやすい。
Citrixの「Open Cloud Access」は、アイデンティティーフェデレーションを利用したクラウドの運用を可能にする。Open Cloud AccessはADをクラウドに拡張し、SalesforceやGoToMeetingといったSaaSのアイコンをユーザーのポータルに直接配置する。ユーザーはユーザー名とパスワードを入力し直さなくても、既存の一連のAD資格情報を使ってSaaSアプリケーションにログインできる。
ステップ6:クラウドの提供と管理
Citrixが最近のCloud.com買収で獲得した「CloudStack」は、クラウドの提供方法を次のレベルに進化させる。CloudStackは、米Amazon.comのElastic Compute Cloud(EC2)と同様の機能を提供するオープンソースのクラウドOSだが、EC2とは異なり、CloudStackでは、自社のハードウェアを使ってクラウドを構築、運用できる。CloudStackは、仮想化されたリソースのオーケストレーションにより、一元化された環境を提供する。この環境でクラウド提供者や管理者は、セルフサービスのCloudStackポータルを使って、各種VMの作成をユーザーに任せることができる。
CloudStackは、セキュアなマルチテナントクラウド環境を実現し、ユーザーは、あらかじめ定義されたテンプレートからワンクリックで仮想サーバを展開できる。Webインタフェースやコマンドラインから、あるいは広範なCloudStack APIを呼び出して、仮想インスタンスのシャットダウン、停止、再起動を行える。
CloudStackはXenServerと統合されており、Citrixベースのクラウド環境の管理性を向上させる。CloudStackのコンソールは、ストレージ、IPプール、CPU、メモリ、その他のリソースの包括的なビューをクラウド管理者に提供する。また、クラウドで発生するイベントを時系列で一覧表示し、それらの追跡を容易にする。
CloudStackを導入することで、管理者は、エンタープライズクラウドを構築、運用する方法について、より的確な決定を下すことができる。クラウドアーキテクトは、特定のアカウントに1つのVLAN全体を専用に割り当て、ネットワークノード間でMPLS(Multi Protocol Label Switching)をサポートするといったことが可能だ。また、企業は、管理者が自分に必要なツールにだけアクセスできるマルチロールのサポート環境を構築できる。
CloudStackの関連記事
今後もクラウドは、その基盤技術とともに進化を続けていくだろう。ベンダーは、シームレスにクラウドを提供する戦略と、何よりも重要な、安定した快適なエンドユーザーエクスペリエンスとを可能にする、強力な新しいツールを生み出し続けるはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Citrixによるプライベートクラウド構築6のステップ
この記事の著者
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー