連結決算ソリューション製品紹介【第5回】
IFRS任意適用企業が評価する「SUPER COMPACT Pathfinder」の強みとは
幅広い企業規模で利用できることが特徴の「SUPER COMPACT Pathfinder」は富士通経理部門のノウハウが投入されている。IFRS任意適用企業も使っている連結ソリューションの強みとは。
「SUPER COMPACT Pathfinder」は、富士通システムズ・イーストの手により開発され、富士通から提供されている連結会計パッケージ製品。1997年に初代バージョンが登場して以来、これまで約600社の導入実績を持つ。さまざまな業界の企業に幅広く導入されている同製品だが、導入企業の規模も多岐にわたる。富士通システムズ・イースト 業務ソリューション本部 会計事業部 連結会計ソリューション部 プロジェクト課長 伊藤秀明氏によれば、SUPER COMPACT Pathfinderは子会社数が1社から1000社までと、非常に幅広い企業規模に対応するという。
「他社の連結会計ソリューションは、大手企業に特化した製品や中堅・中小企業に特化した製品など、企業規模別に製品のすみ分けができているという印象だが、SUPER COMPACT Pathfinderはあらゆる企業規模の連結会計ニーズをターゲットにしている」(伊藤氏)
幅広い企業規模への対応を可能にしているのが、同製品のパッケージ構成だ。同製品の基本モジュールである連結処理エンジンは、2種類用意されている。1つは多くの機能と高いカスタマイズ性を持つ「SC CORE」で、子会社数が多い大手企業やグローバル企業をターゲットにしている。もう1つが機能を標準的なものだけに絞り、最小限のカスタマイズで導入可能にしている「SC CORE Prep」。子会社数が少ない企業での利用を想定したものだ。子会社数が10社未満の場合は、SC CORE Prepの利用がマッチすることが多いという。
SC COREとSC CORE Prepの機能は「子会社からの連結データの収集」「自動仕訳処理」「帳票の出力」の3つに分かれる。その中でもSUPER COMPACT Pathfinderの自動仕訳処理は、高い自動化処理率を持つという。富士通システムズ・イースト 業務ソリューション本部 会計事業部 連結会計ソリューション部 山田隆也氏は、次のように説明する。
「SUPER COMPACT Pathfinderの最大の特徴は、最新の会計基準に高いレベルで対応している点だ。中でも自動仕訳作成機能に関しては、投資資本消去の正確な計算が行えるなど、他社製品と比較しても極めて幅広い仕訳処理に対応している」
また、多彩な帳票の出力機能を標準で備えている点も特徴の1つだ。特に監査の際に重要となるプルーフ帳票を多く標準でサポートしている点は、大きな強みだという。
「SUPER COMPACT Pathfinderはもともと、監査法人が開発した製品。そのため、監査人や現場ユーザーにとって真に必要な機能が標準で備わっている。投資資本消去の自動仕訳やプルーフ帳票の自動出力などは、そうした機能の代表格だ」(伊藤氏)
IFRS適用企業が採用
SUPER COMPACT Pathfinderは、日本の会計基準への制度対応だけでなく、IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)対応にも早くから取り組んできた。国内で初めてIFRSを任意適用した日本電波工業は、SUPER COMPACT Pathfinderの代表的なユーザー企業でもある。富士通では、この日本電波工業におけるIFRS開示での経験をベースに、同製品の「IFRSアドプション版1st」バージョンを2010年8月にリリースしている。
IFRSについての記事
さらに2011年4月には、富士通の連結会計業務において全面的にSUPER COMPACT Pathfinderが導入されている。富士通は約600社の連結子会社を持つ巨大グループ企業だが、現在SUPER COMPACT Pathfinderを使ってIFRS開示への対応を進めているところだという。その過程で得られたIFRS対応のノウハウは、SUPER COMPACT Pathfinderの「IFRSアドプション版2nd」バージョンとして、2011年11月と2012年4月の2回に分けてリリースされている。
またIFRSへの対応ではセグメント開示をはじめとしたマネジメントアプローチが求められるが、SUPER COMPACT Pathfinderにはこれを想定した各種の管理会計機能も備えている。セグメント情報の作成やセグメント階層を管理する機能を備える他、管理連結に対応するための機能もカバーしている。そのベースとなるのが、データ別に異なるマスターデータを保持できる機能だ。
「例えば、日本基準用、IFRS用、期首予算用、見直し予算用、実績データ用といった具合に、複数のマスターデータを保持し、それぞれで自動仕訳や帳票の設定ができる。また異なるデータ種別にまたがって帳票を作成したり、データを分析することが可能だ。この機能を活用すれば、予実管理やローリングフォーキャストのための管理連結の仕組みも容易に実現できる。このように正確できめ細かい制度連結に加えて、管理連結にもそのまま対応できる」(伊藤氏)
作業効率化を実現するオプションモジュール
先に紹介したように、SUPER CORE Pathfinderの連結処理モジュールであるSC CORE(およびSC CORE Prep)は豊富な種類の帳票を標準で備えるが、それだけでなくユーザー定義の独自帳票も簡単に作成できるようになっている。加えて、帳票作成作業をより効率化したいというニーズに応えるために、オプションとして「Pathfinder関数」モジュールを用意している。
Pathfinder関数は、「Microsoft Excel」の関数機能を使って作成されたモジュール群で、SUPER CORE Pathfinderのデータベースから自動的にデータを抽出して帳票内に配置する機能を持つ。Pathfinder関数も、富士通の経理部門が独自に開発していたExcel関数をベースに開発された。
Pathfinder関数をうまく活用することで、各種報告書の作成やデータの抽出・集計作業、新規帳票の作成などに掛かる手間を大幅に削減できるという。また、数値データだけでなく文字情報も自動抽出・配置できるため、開示資料の中に記載する注記情報の作成にも適用できる。
「注記情報の整理は、開示作業の中でもかなり手間が掛かる部分。ましてやIFRSでは日本基準より注記情報が大幅に増えるといわれており、さらに手間が増えることが予想される。注記情報を効率よく集めて出力できるPathfinderの機能は、IFRS対応においても大いに役立つ」(山田氏)
さらに、連結処理を行う前のフェーズ、すなわち子会社からデータを収集する処理に関しても、標準機能を補うための手段が用意されている。それが「SC DFS」というオプションモジュール製品だ。SC DFSを使えば、子会社の担当者がデータを簡単に入力するためのWebフォーム画面を作成し、Web経由で効率的にデータを収集できるようになる。この機能は、特に海外子会社を多く抱える企業において非常に重宝されているという。
また、CSVファイルを介したシステム間連携による自動データ収集も可能だ。その他、2012年4月にリリースされた最新バージョンではExcelシートを介した自動収集機能も新たに加えた。入力データの自動チェック機能や、子会社間で内部取引照合の調整を行える機能もサポートする。
「連結会計の処理は、正しいデータさえ集まれば、後は自動仕訳処理を流すだけ。逆に言えば、いかに正確なデータを集められるかが作業効率化のポイントになる。SC DFSを活用すれば、この部分の作業を大幅に効率化できるため、決算早期化にも大きく寄与する」(伊藤氏)
総合ベンダーとしての強みを生かしたトータルソリューション
富士通が提供する会計パッケージ製品「GLOVIA会計」は、SUPER CORE Pathfinderとの間で密接なデータ連携を行えるようになっている。先ほど挙げたデータ収集はもちろんのこと、GLOVIA会計の単体会計システム側でSUPER CORE Pathfinderとの連携データを作成すれば、連結会計と単体会計の間でシームレスなデータ連携が可能になる。例えば、SUPER CORE Pathfinder上の連結会計データをドリルダウンしていけば、GLOVIA会計が管理する単体会計の明細データのレベルまで内訳をさかのぼることができるのだ。
また富士通では、SUPER CORE Pathfinderと「SAP ERP」とのデータ連携を可能にするモジュールも別途提供している。富士通 民需ビジネス推進本部 ERPビジネスセンター シニアディレクター 前村和史氏は、こうした基幹システムとの連携や、さらにはハードウェアの提供・サポートまで含めたシステム全体のトータルソリューションを提供できるのが、総合ベンダーである富士通の強みだと述べる。
「例えば、海外の子会社からデータを収集する場合、現地のネットワーク品質が問題になることがある。そんなケースでも、富士通では海外拠点にSEが常駐しているため、ネットワークインフラの改善も含めたきめ細かいサポートを提供できる。あるいは、将来的にはクラウドを介したデータ収集のニーズが出てくるかもしれないが、富士通はそうした先進的な要件までカバーできるトータルソリューションを提供している」(前村氏)
ここでいうトータルソリューションには、システムの提案・構築だけでなく、保守・運用サービスの提供、さらにはコンサルティングサービスまでが含まれている。コンサルティングサービスでは、システム導入のためのコンサルティングだけでなく、富士通システムズ・イーストに所属する会計専門家による会計コンサルティングも提供されている。
「監査法人などが提供するコンサルティングでは、システム化に対する考慮が不足しているケースがある。われわれが提供するコンサルティングは、その後のシステム導入まで視野に入れているため、導入プロジェクト全体がきれいにつながる。また運用・保守もユーザー企業の現場に直接入り込んでサービスを提供するため、そこで直接見聞きしたユーザーの課題やニーズを次回プロジェクトのコンサルティングにフィードバックできる。このようにして、ユーザーの連結会計業務のライフサイクル全体を支援できるのが、われわれのトータルソリューションの強みだ」(伊藤氏)
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