18のサービスを紹介
【徹底比較】遠隔バックアップサービスの初期導入・月額コスト
万が一の災害・障害時に備え、重要なデータを遠隔地のデータセンターにバックアップするクラウド型サービス。本稿では、その導入・運用コストを比較する。
クラウドサービスを利用したバックアップに関心が高まる
IDC Japanが2012年6月に発表した『国内企業のデータ保護/DR対策の分析とクラウドサービスへの移行に関する調査結果』によると、国内企業のDR(ディザスタリカバリ)への予算は大企業中心に増加傾向にあり、遠隔地の拠点にデータを保管するデータセンターサービス/クラウドサービスに対するユーザーの認識は好転しているという(関連記事:BCP/DRの観点で導入が進むバックアップツール 読者調査で分かった利用状況)。自社で遠隔地にデータをバックアップする環境を構築するとなると、設備の投資コストや運用作業の負荷などが掛かる。だが、クラウドサービスを利用することで、それらの課題を解決することも可能だ。では、実際にどれくらいのコストが掛かるのだろうか。本稿では、初期導入費、月額利用料金を公表している18のサービスのコストを紹介する。
遠隔バックアップサービスのコストを表に示した。料金体系は契約データ容量やバックアップを実行するエージェント、ネットワーク回線などの種類によりさまざまだ。
今回紹介したサービスのコストをまとめた比較表をPDFで提供しています。
- 「遠隔バックアップサービスの導入・運用コスト比較表」からダウンロードしてください。
月額基本料金と容量追加オプション
多くのサービスが契約データ容量をメニュー化しており、月額の基本料金はそのデータ容量によって異なる。ブレーン・アシストの「B@ck-up」のように1Gバイトからのサービス(3060円、税込金額:以下同)もあれば、インターネットイニシアチブ(IIJ)の「IIJ GIOリモートバックアップ for NetApp」(10万5000円)、日立システムズの「クラウドバックアップサービス」(4万7250円)のように1Tからのサービスもある。また、追加オプションによって各社が定める単位でデータ容量の拡張が可能だ。データ容量の上限が設定されているもの、一定の容量を超えると料金が個別見積もりとなるサービスもある。
| サービス名 | 最小データ容量 | 最大データ容量 | 個別見積もりによる拡張 |
|---|---|---|---|
| リモートバックアップサービス(AGS) | 20G | 制限なし | ― |
| リモートバックアップサービス ライト(BIGLOBE) | 25G | 100G | ― |
| クラウドバックアップ for NetApp(CTC) | 500G | 制限なし | ― |
| リモートバックアップサービス(JRシステム) | 100G | 制限なし | ― |
| データ遠隔バックアップサービス(STNet) | 50G | 200G | 200G~ |
| BroadCenterリモートバックアップサービス | 100G | 1T | ― |
| RemorBa(共有タイプ) | 10G | 100G | ― |
| IIJ GIOリモートバックアップ for NetApp | 1T | 制限なし | ― |
| お手軽DRサービス | 300G | 制限なし | 300G~ |
| FIT-CLOUDリモートバックアップサービス | 100G | 1T | ― |
| クリプトリモートバックアップ | 50G | 1T | 1T~ |
| Utilityz Remote Storage | 500G | 制限なし | ― |
| NI+Cクラウド リモートバックアップサービス | 1T | 制限なし | ― |
| クラウドバックアップサービス | 1T | 制限なし | ― |
| Smooth Backup | 100G | 1000G | 1000G~ |
| B@ck-up | 1G | 20G | ― |
| TWIN NAS リモートバックアップサービス | 800G | 6T | ― |
| リモートバックアップサービス | 100G | 制限なし | ― |
サービス利用に伴う初期導入費
サービス利用に伴う初期費用は、サービスによって異なる。また、サービスのバックアップ形態は以下の3つに大別できる。
- バックアップ対象のサーバにソフトウェア(エージェント)をインストールする
- バックアップサーバやストレージなどのアプライアンスを導入する
- データセンター事業者のホスティングサービスなどの利用が前提
初期導入費用は、エージェント型でも1万円から35万円まで、アプライアンス型でも3万円から130万円まで。また、バックアップ用のエージェントはサービス提供側が指定したソフトウェアのみが利用できたり、利用側が複数のツールの中から選択して利用できる形態などがある。さらに、データ転送専用サーバ(大塚商会「TWIN NAS リモートバックアップサービス」)や専用ストレージ(CTC「クラウドバックアップ for NetApp」、日立システムズ「クラウドバックアップサービス」)を導入する場合、その設置や設定などの作業が発生することもある。その場合、導入支援コンサルティングサービスが別途用意されている。その他、インフォコムの「お手軽DRサービス」などのようにホスティングサービスのオプションとして提供されるサービスもある。
| サービス名 | バックアップ形態 | 初期導入費用 |
|---|---|---|
| リモートバックアップサービス(AGS) | エージェント型 | 5万2500円~(バックアップ対象により変動) |
| リモートバックアップサービス ライト | 9万9750円 | |
| リモートバックアップサービス(JRシステム) | 10万5000円 | |
| データ遠隔バックアップサービス(STNet) | 21万円 | |
| RemorBa(共有タイプ) | 専用VPNルータの場合:10万2900円、VPNソフトの場合:3万1290円 | |
| FIT-CLOUDリモートバックアップサービス | 10万5000円 | |
| クリプトリモートバックアップ | 初期費用は不要 | |
| NI+Cクラウド リモートバックアップサービス | 35万円 | |
| B@ck-up | 1万500円 | |
| Utilityz Remote Storage | アプライアンス導入型 | 3万1500円 |
| BroadCenterリモートバックアップサービス | 12万6000円 | |
| クラウドバックアップ for NetApp | 47万円 | |
| クラウドバックアップサービス(日立システムズ) | 131万2500円 | |
| IIJ GIOリモートバックアップ for NetApp | 12万円 | |
| Smooth Backup | 6万3000円 | |
| TWIN NAS リモートバックアップサービス | 56万7000円 | |
| リモートバックアップサービス(HT-Net) | 15万7500円 | |
| お手軽DRサービス | サービスなどの利用が前提 | 7万5000円 |
バックアップデータの保存先にも注目
遠隔バックアップの保存先としては、大阪(ビットアイル)や四国(STNet「データ遠隔バックアップサービス」)、パブリッククラウド「AWSクラウドサービス」(グロービクス「クリプトリモートバックアップ」)を利用する形態がある。また、東日本と西日本に分散保管することで、BCP/DR機能を強化しているサービスもある。
| サービス名 | バックアップデータの保存先(DC:データセンター) |
|---|---|
| リモートバックアップサービス(AGS) | AGSのDC |
| リモートバックアップサービス ライト(BIGLOBE) | TOKAIコミュニケーションズのDC |
| クラウドバックアップ for NetApp | CTCの国内DC |
| リモートバックアップサービス(JRシステム) | JRシステムのDC |
| データ遠隔バックアップサービス(STNet) | 四国2拠点(高松、松山)のDC |
| BroadCenterリモートバックアップサービス | TOKAIネットワークのDC |
| RemorBa(共有タイプ) | アイコムティのDC |
| IIJ GIOリモートバックアップ for NetApp | 東日本/西日本のDCに分散配置 |
| お手軽DRサービス | インフォコム(関東)、オージス総研(関西)の2拠点 |
| FIT-CLOUDリモートバックアップサービス | パワー・アンド・ITのDC |
| クリプトリモートバックアップ | AWSクラウドサービス |
| Utilityz Remote Storage | 日商エレクトロニクスのDC |
| NI+Cクラウド リモートバックアップサービス | 日本情報通信のDC |
| クラウドバックアップサービス | 日立システムズのDC |
| Smooth Backup | ビットアイルの大阪DC |
| B@ck-up | ブレーン・アシストのDC |
| TWIN NAS リモートバックアップサービス | 大塚商会のDC |
| リモートバックアップサービス(HT-Net) | HT-Net指定のDC |
その他、最低利用期間は半年、1年、3年など、サービスによって異なる。運用コストを比較する場合は、契約・追加可能なディスク容量の単位、導入の手間なども合わせて検討した方がいいだろう。本稿では、コストを公表しているサービスを紹介したが、その他にも機能面で差別化を図っているサービスがある。次回以降、機能面での比較も紹介する。
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