連結決算ソリューション製品紹介【第6回】
「TKC全国会」がフルサポートする連結システム「eCA-DRIVER」の先進度
TKCの「eCA-DRIVER」は中堅・中小企業の連結会計を支援するソフトウェア。会計士や税理士で構成する「TKC全国会」が導入や運用を支援する。クラウドサービスや海外拠点での利用も広がっている。
TKCは、会計事務所と地方公共団体に向けた各種情報サービスを幅広く手掛ける会社である。その創業は1966年と古く、現在では日本全国各地に事業所を展開するとともに、同社を母体として発足した税理士・公認会計士集団「TKC全国会」は、今や1万人超の会員を抱える。
TKCの名前は、会計や税務の仕事に携わる人であれば必ずや耳にしたことがあるだろうが、片やIT業界の人にとっては、「中堅企業向けの会計・税務システムを提供するベンダー」というイメージが強いかもしれない。事実、同社が提供する連結会計システム「eCA-DRIVER」は既に約440の企業グループ、企業数でいうとおよそ4400社が導入している。
同社では他にも、グループ企業の連結経営を支援するための会計システム「FX5」や税効果会計システム「eTaxEffect」、連結納税システム「eConsoliTax」、法人電子申告システム「ASP1000R」といったシステムを「TKC連結グループソリューション」の一環として提供しており、これら全てを合わせるとこれまで約1800の企業グループに導入されている。
これらの中でも特にeCA-DRIVERは、近年経営のグローバル化が進む日本の中堅グループ企業の連結経営を支援するソリューションとして、高い注目を集めているという。TKC 取締役 執行役員 企業情報システム営業本部担当 兼 企業情報システム営業本部Gプロジェクト推進本部長 飯塚真規氏によれば、eCA-DRIVERの既存ユーザー企業の多くが、既に海外拠点を含めたグローバルでの連結経営に乗り出しているという。
「上場・非上場を問わず、ユーザー企業の半数以上が既に海外に子会社を設けている。またこれら海外子会社の61%がアジア、特に中国エリアに設置されている。こうした背景を踏まえ、eCA-DRIVERも順次グローバル対応を進めており、既に英語対応と中国語対応は完了している」
TKCが自社運営するデータセンター上でシステムを運用
eCA-DRIVERには、連結会計システムに求められる基本的な機能、すなわち「子会社からのデータ収集」「集計・仕訳の自動化」「リポーティング」などといった一連の機能を全て備えている。それらの中でも、データ収集機能に関しては幾つかのユニークな特徴があるという。特にこだわって作っているのが、先に述べたグローバル対応の一環でもある「海外子会社からのデータ収集」を支援するための機能だ。
eCA-DRIVERは、子会社の担当者がWebインタフェースを通じて決算データをオンライン入力できる仕組みを備えており、子会社間の内部取引の内訳を、オンライン画面を通じて子会社担当者間で照合して調整できる機能も用意している。さらにはこうした内部取引突合も含めた一連のデータ収集作業の進捗状況を、親会社側でも一括して管理できる機能も備えている。
ただし、海外子会社からのデータ収集となると、これらのシステム機能に加えて、海外拠点の営業時間に対応するために24時間・365日の運用管理体制が必要になる。そのため、利用が広がっているのがTKCのデータセンターサービスだ。そもそも同社は、会計事務所と地方自治体向けの計算センターの運営からスタートした。そのため、データセンターの運営には長い実績を持っており、直近にeCA-DRIVERを導入したユーザーの約9割が、このデータセンターを使ったクラウドサービスとして同製品を導入・利用しているという。
TKCでは、eCA-DRIVERをはじめ、先に紹介した同社のシステム全てを自社データセンター上のクラウドサービスとして提供しており、ユーザーからもそのサービス品質を高く評価されているという。TKC 東京本社 企業情報システム営業本部 企業情報システム営業部 連結会計システム営業部 課長代理 伊藤栄芝氏は、次のように話す。
「クラウド方式は、海外子会社からのデータ収集に有利なだけでなく、ハードウェアコストや人件費の圧縮効果、さらには災害対策などの面でもメリットが大きい。さらには、制度改正に伴うプログラムのバージョンアップ作業も、データセンター上でわれわれが一括して行うため、ユーザーの手間を大幅に省くことができる」
またクラウド型以外にも、ユーザーの要件に応じてオンプレミス型、あるいはユーザーのサーバ環境をそのままデータセンターで預かるハウジングの利用形態にも対応している。課金形態も、ライセンス買い取り方式と利用料のみの支払いの両方に対応している。
eCA-DRIVERのデータ収集機能は、Webフォームを通じた入力以外にも、Microsoft Excelのファイルをメール添付で取り込む方法もサポートしている。
「海外拠点、特にアジア地域では、現地の通信インフラが貧弱なためにWebのオンライン入力が難しいこともある。そうした場合に備え、Excelで作成したファイルをメールに添付して送信し、それをeCA-DRIVERでインポートしてデータを読み込むことができる」(飯塚氏)
複数の決算データを管理・参照することが可能
eCA-DRIVERのもう1つの特徴として、多様な形式のデータを管理・参照できる点が挙げられる。同製品の内部では、子会社から収集したデータを3段階に分けて管理している。まず1つ目が、各子会社の個別会計科目レベルのデータ。2つ目が、個別会計科目を集計した連結会計科目のレベル。そして3段階目が、これを基にさらに集計した決算開示科目のデータだ。
「これら3段階のデータをいつでも参照でき、かつ各段階でのデータ組み替えのプロセスが全て可視化されるため、例えば海外子会社の期ずれの修正などを効率よく、かつ正確に行うことができる」(伊藤氏)
また、同製品は「複数連結」の機能も備える。これは、個別会計データを複数のグループに分け、それぞれで別個に連結データを集計できるという機能。企業合併やM&Aの際に「合併前の企業単位で連結データを見たい」といったニーズに応える。
さらには、予算連結データと実績連結データを別々に管理し、それらを比較・分析できる機能や、予算と実績データを基に予測データ(当期着地予想)を算出して、それを予算と比較できるような機能も備える。
リポーティングにも独自機能を用意している。通常、経営会議や役員会などで経営層に経営状況を報告するためのリポートはExcelなどで作成されることが多い。本格的なBI(ビジネスインテリジェンス)ツールが導入されている環境では、データの集計・分析結果をBIツールからExcelにエクスポートすることでドキュメント類を作成できる。
しかし、一般的にBIツールの導入には少なからぬコストが掛かり、またそれを使いこなすためには一定以上のスキルが要求される。そのため、多くの中堅・中小企業にとっては、そう簡単に導入できるものではない。かといって、全て手作業でリポートを作成するのでは手間が掛かるし、内容の正確性もどこまで担保されるか分からない。
そこでeCA-DRIVERには、同製品のデータベースを基にExcelのリポートを簡単に自動作成できる「マネジメントリポート作成ツール」機能が用意されている。同機能は一言で言えばExcelの関数群で、これをExcelシートのセルに埋め込んでおけば、後はそのファイルを開くだけで自動的にeCA-DRIVERのデータベースから最新のデータを取ってきてくれるという仕組みだ。
会計専門家がシステム導入から運用までをサポート
eCA-DRIVERのシステムとしての機能や、その提供形態について紹介してきたが、実は同製品を使ったソリューションの最大の特徴は、その導入と運用を支援するためにTKCが提供するさまざまな人的サポートサービスにある。飯塚氏によれば、システムの提供自体は、同社の業務においてあくまでも二次的なものと位置付けられているという。
「われわれは、企業の経理部が必要としているあらゆる支援を、トータルサービスとして提供することをミッションとしている。従って、eCA-DRIVERをはじめとするシステムの提供や運用は、あくまでもその一部にすぎない。実際のところ、『システムだけを売ってほしい。他のサービスはいらない』という商談はお断りしている」(飯塚氏)
具体的には、システム導入時にはまず、税理士や公認会計士およびSEで構成されるコンサルタントチームが、顧客企業が連結決算業務で抱えている課題をヒアリングし、システムのフィット&ギャップと要件定義を行う。そしてその後の実際の導入作業、そして稼働開始後の日々の運用フェーズにおいても、同社の専門家が各ユーザーに対して個別サポートを提供する。その内容も、システムにかかわる内容にとどまらず、時には会計業務そのものの課題解決や改善にまで及ぶという。
またTKCでは、ユーザーに対する教育・研修サービスも行っている。それも、製品の操作に関することだけではなく、連結会計業務そのものについての教育研修も実施している。さらには、ユーザー企業に対して個別に研修を実施したり、あるいはグループ企業の各子会社の経理担当者を全員TKCの施設に集め、その場で専門家のサポートの下、データ入力を行うといった業務支援も行っているという。
「道具としてのシステムは用意されていて、機能もそろっているので、後はそれをユーザーにどう使ってもらうかが大事。特に連結会計業務は、子会社側に掛かる負担が大きくなるため、そこをどう支援できるかがポイントになる。その点われわれは、TKC全国会のネットワークを駆使して、全国の顧客に対して会計専門家によるフォローを実施できるため、顧客と密にコミュニケーションを取りながら経理業務全般の支援を提供できる」(伊藤氏)
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