徹底比較! GoogleとAmazonのコンテンツ力【後編】
どちらがお得? Google PlayとAmazon Appstore
米Googleと米Amazon.comのコンテンツストアは、アプリケーションの無償提供や試用、返金といったサービスで差異化を図る。真に「お得」なコンテンツストアはどちらなのだろうか?
前編「比べて分かる、Nexus 7がKindle Fireより『買い』な理由」では、米Googleの「Nexus 7」と米Amazon.com(以下、Amazon)の「Kindle Fire」という2つのタブレットをアプリケーションやコンテンツの充実度から徹底比較した。後編は、アプリケーションの無償提供や試用といったサービスを中心に、GoogleとAmazonのアプリケーション/コンテンツストアの実力を比較する。
AmazonとGoogle、それぞれの特典
AmazonのAndroid端末向けアプリケーションストア「Amazon Appstore for Android(以下、Amazon Appstore)」は、品ぞろえや独占的なコンテンツという点でGoogleの「Google Play」に後れを取る。ただし、ユーザーに対するサービスという点では、Google Playよりも充実している。
有償アプリの無償提供
例えば、Amazonならではのサービスの1つに、日替わりで有料アプリケーション(通常はゲームだが、ゲーム以外のこともある)を1本ずつ無償提供する、というのがある。
無償提供されるアプリケーションには当たり外れがあるものの、これはかなりお得なサービスだ。全ての有料アプリケーションが全てのユーザーにとって完璧で興味深いものであるわけではないのだから、当然ながら当たり外れはある。ただし、無償提供サービスで1つか2つでもお気に入りの有料アプリケーションを入手できたのであれば、この素晴らしいサービスの恩恵に浴したといえるだろう。
ゲームコミュニティー
Amazonは、熱心なゲーマー向けに、Xbox LIVE(米Microsoftのゲームコミュニティーサービス)風の「Amazon GameCircle」を用意する。GameCircleは、ゲームの達成率とハイスコアを追跡し、ハイスコアをスコアボードに掲載する。Amazon Appstoreで提供されているゲームのうち、GameCircleに対応済みなのはごくわずかだ。それでも、達成率にこだわるユーザー、最高得点を目指して他のプレーヤーと競い合うアーケードスタイルを好むユーザーには、なかなか魅力的な機能のはずだ。
アプリや電子書籍の無償試用
Amazon Appstoreにはもう1つ、同じくカスタマーフレンドリーなサービスとして「Test Drive」という機能がある。Test Driveは、一部のアプリケーションをWebブラウザ上で無料で試用できる機能。当然ながら、Test Driveでは、ジェスチャーや加速度センサーによるコントロールなど、一部の動作は試すことができない。だがそれでも、Test Driveは優れたサービスだといえるだろう。ユーザーは、アプリケーションを試して概要を理解し、苦労して稼いだお金の無駄遣いにならないかどうかを確認できる。
有名なアプリケーションのほとんどはTest Drive機能を備えていないが、それは理にかなっている。これらのアプリケーションの評判や品質は、既に証明されているからだ。一方で、まだあまり知られていないアプリケーションを検討しているのならラッキーだ。本稿執筆時点では、Amazonは2万本以上のアプリケーションでTest Drive機能を提供している。従って、気になるアプリケーションを購入前に試せる可能性は高い。それが駄目でも、少なくとも多数のアプリケーションを手当たり次第に試せるということだ。お気に入りのアプリケーションが見つかるきっかけになるかもしれない。
Googleは、電子書籍のサブスクリプション(定期購読)に関して、これと似たサービスを提供している。電子書籍をサブスクリプションする際には、30日間か14日間のトライアル期間が設けられる。気に入らなかった場合、トライアル期間中であれば、無料でサブスクリプションをキャンセルできるシステムだ。また「Google Play Music」では、自分が購入した楽曲を友達と共有し、友達は楽曲1曲につき1回無料で再生できるようにしている。
アプリの返金
さらにGoogleは、アプリケーションの返品も認めている。ユーザーはアプリケーションの購入後、15分間の猶予が与えられる。アプリケーションに満足できない場合、その時間内であれば、返品して料金の払い戻しが受けられる。これはAmazonにはないサービスだ。ただし、恐らくTest Drive機能が、ある程度は返品サービスの代わりになるはずだ。
Amazon Appstoreには、厳密には返金ポリシーは用意されていない。だがAmazon幹部が取材で語ったところによると、ユーザーがアプリケーションの全額払い戻しを求める場合、カスタマーサービスに連絡するだけでよい。通常、払い戻しはケースバイケースで判断されるという。
結論
AmazonとGoogleのコンテンツサービスはほとんどの点で大差なく、引き分けとしてよさそうだ。どちらか一方を気に入って使っているユーザーは、それで十分に満足できるはずである。ただし、問題が1つある。Amazon Appstoreはどの端末からでも利用できるが、Google Playはそうではない、ということだ。
それならば、両方のサービスが使えるよう、Nexus 7かその他のGoogle Play対応タブレットを入手して、Amazon Appstoreをインストールするのはどうだろう? そうすれば、アプリケーションに関しては入手の機会を逃す心配がなくなる。ライバルのサービスでは提供されていない、独占的なアプリケーションを幾つか扱っているのは、Google Playの方だからだ。
さらに、書籍や雑誌、音楽は、Amazon経由でアクセスできる。実際、Google Playで唯一手に入れられないのは、Amazonの「Amazon Instant Video」というサービスだ。Amazon Instant Videoの最大のメリットは動画のストリーミング視聴だが、いずれにせよ、年間79ドルの有料サービス「Amazon Prime」の会員しか利用できない。その上、Amazon Instant Videoのコンテンツの大半は、米Netflixの「Netflix」でも入手可能だ。
Amazonのコンテンツサービスはなかなかの品ぞろえであり、恐らく大半のユーザーは、現状の内容で満足できるはずだ。ただし、アプリケーションやゲーム、映画、音楽、書籍、雑誌などのコンテンツを最大限に利用したいのであれば、理想的な選択肢は「Google Playが利用可能な端末を入手して、その端末にAmazonのコンテンツを補充し、両方の世界のいいとこ取りをする」ということになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[テクバン株式会社] 1画面でITサービスデスク業務が完結 太陽ホールディングスに学ぶデバイス管理 -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] ライセンス無料 Drupalベースの「多言語ECサイト開発用パッケージ」の実力は? -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] 日本発グローバル企業用Drupal「Risley(リズリー)」の実力とは? -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] Drupalサイト運用のリスク解消 潜在的なセキュリティ問題を迅速に発見する方法 -
製品資料
[株式会社ソースポッド] SCS評価制度への対応で工数が増大? 取得後の管理・運用をどう進めるべきか
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
2
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
3
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
「レガシーシステム・老朽化システムの運用課題と刷新」に関するアンケート
-
8
「法人向けPCおよび周辺機器の利用状況」に関するアンケート
-
9
世界PC出荷数が20%急減 情シスを直撃するPC先行調達の反動と価格高騰
-
10
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
3
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
10
生成AIの活用を阻む「5つの壁」とは? AIネイティブ組織へ変革を遂げる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー