連結決算ソリューション製品紹介【第7回】
監査の目線で操作性を向上、「BTrex」は連結決算をどう効率化する?
老舗の連結パッケージ製品「連結大王」が「BTrex」に生まれ変わった。操作性やIFRS対応などを強化。会計士が中心となり、監査の目線で開発した連結パッケージは連結決算業務をどう効率化するのか。機能を紹介する。
「連結大王」から操作性を強化
「連結大王」という連結パッケージの名称になじみがある人も多いだろう。ビジネストラストの「BTrex連結会計」(ビーティーレックス)はこの老舗連結パッケージの後継で、2011年6月にリリースされた連結パッケージ製品だ。500社以上に導入された連結大王の利点を受け継ぎ、新時代の会計業務に合うように開発された。
BTrexは計算エンジンなどコアの部分は連結大王を踏襲。その上で連結会計業務に関わる操作性を強化した。連結会計業務は担当できる経営スタッフがどの会社でも少なく、業務が属人化しているケースが多い。しかし、業務の継続性などを考えると担当者の属人化は望ましくない。BTrexはその脱属人化を支援する。
例えば「My Application」機能では、700以上あるBTrexの処理メニューからその会社の連結決算業務で利用する処理メニューだけを抜き出して必要なメニューや帳票、入力パターンを定義することが可能。さらに業務フローに沿ってメニューを配置することができるため、連結決算業務に不慣れな経理スタッフでも処理を行える。
また画面上に他のスタッフ間で情報共有するためのメモを貼り付ける機能もある。そのメモにはハイパーリンクを設定したり、ファイルを添付することもできる。ファイルサーバなどに散らばりがちな関連資料を1カ所にまとめることが可能だ。My Applicationを使い続けることで連結決算業務が次第に効率化するような仕組みになっている。「BTrexを使えば新人の経理部員でも戦力になる」とビジネストラストの取締役 ITプロダクト本部長 吉田顕仁氏は自信を見せる。
会計士が開発、監査目線の機能を盛り込む
単体決算情報の取り込みはWeb経由の直接入力や、CSV、Microsoft Excelファイルの一括取り込み、データベース連係などで可能。ファイルをドラッグ&ドロップでBTrexに簡単に取り込むことができる機能もある。加えてBTrexには取り込んだ決算情報の整合性をチェックする機能もある。整合性のチェックは作業の初期段階から最終的な精算表の作成まで段階的に対応する。問題がある場合はアラートが表示される。吉田氏は「数値の信頼性が担保されているということは、監査対応に要する時間を軽減することにつながる。決算の早期化を図る上で欠かすことのできない機能」と説明している。
ビジネストラストは会計士や税理士など会計専門家が設立した企業で、会計コンサルティングサービスなども提供している。そのためBTrexの開発においても、会計士の視点でいかに会計監査の負荷を下げられるかに注目した。例えばBTrexでは監査を行う会計士向けのアカウントを発行することができ、会計士はリードオンリーモードでBTrexにアクセスして決算処理が適切に行われているかをチェックできる。疑問点や追加資料が必要な場合は、メモをBTrexに残して情報を共有する。従来の紙ベースによる監査に比べて効率を大きく向上させることが可能になる。BTrexが「経理と監査の情報共有ツールになっている」(吉田氏)形だ。
経営管理機能で経理部以外も利用可能に
連結大王からBTrexになって強化されたもう1つの機能が経営管理の機能だ。かつての連結大王は連結決算処理に特化していて、予実管理や経営情報の分析、リポーティングなどは他のツールを組み合わせることで実現していた。しかしBTrexではその経営管理機能を内部に取り込んだ。一度作成した予算を適宜修正し、第2次、第3次の予算を立てることができる。月次予算など細かい粒度での予算管理も可能になった。操作性の高さもあり、「月次の連結決算であれば1人のスタッフが2、3時間で作成できる」(吉田氏)という。
また、経営層がBTrexにアクセスして簡単にリポートを確認できる機能や、経理担当者向けに役員会用などの報告書を出力する機能などを用意した。「経理部以外の経営企画や総務部など、経営管理者が利用するケースが増えてきた」(吉田氏)という。
システムの柔軟性も特徴だ。ビジネストラストの会計コンサルティング部 部長の土屋隆一氏は「BTrexの特徴は柔軟な設計ができること。他社の連結会計パッケージでは、システムに合わせて既存の業務フローを変更する必要がある。しかし、BTrexはユーザーと共に最適な業務フローを検討した上で、それに合わせてシステムのパラメータを変更する。会計処理や数値の確認フロー、リポートまで全く別のソフトのように設定できる」と話す。
非上場企業の利用も増加
連結大王、BTrexの導入社数は約600グループで、ほとんどが上場企業。子会社が10数社という規模の企業グループが多いという。一方で経営管理を向上させる目的でBTrexを導入する非上場企業も多くなっていて、直近では上場企業が7割、非上場企業が3割程度の導入比率になる。
IFRSへの対応も進んでいる。IFRSに基づく開示では移行期に日本基準とIFRSの2つの会計基準で連結財務諸表を作成することが求められる。この期間は経理部も作業負荷が高まることが予想されるが、BTrexでは日本基準とIFRSの2つの基準による連結財務諸表を並行して作れる機能を搭載する。吉田氏は「大手グループ傘下の企業や、海外の投資家に情報発信をする必要がある企業グループではIFRSへの対応を進めている」と話す。
ライセンスは5ユーザーで500万円から
BTrexは基本的な連結財務諸表を作成できる「Standard Edition」と、Standard Editionの機能に加えて、連結管理会計が可能な「Advance Edition」、Advance Editionの機能に、複数の連結グループを対象にした連結財務諸表を作成できる機能などを追加した「Enterprise Edition」の3つのラインアップをそろえる。価格はStandard Editionの場合で、初期導入費を含めて5ユーザーで500万円からとなっている。
ライセンス体系は、連結子会社数や連結範囲による価格ではなく、ユーザー数に応じた課金モデルを採用している。これによって買収などで子会社が急激に増えてもコストが増大せず、ライセンス価格を抑えることができるという。
BTrexはサーバとクライアントにアプリケーションをインストールして、社内LAN環境で利用する「クライアントサーバ型」と、アプリケーションをインストールしたサーバにインターネットやVPN経由でアクセスしてBTrexを利用する「リモートアプリケーション型」の2つの利用方法を用意している。リモートアプリケーション型は各地の拠点や子会社など遠隔地からもアクセスでき、利便性が高い。現状では新規ユーザーの9割がリモートアプリケーション型を選んでいるという。
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