スマートフォン、タブレットで利用可能
休暇先で仕事をする羽目になった人に贈るクラウドアプリガイド
仕事でもプライベートでもクラウドサービスは重宝する。仕事で使えるクラウドアプリの代表格は「Microsoft Office 365」だろう。一方、写真共有、音楽、映画などプライベート用のクラウドアプリも多数ある。
晴れ渡った青空はレジャーにとっては最高だが、雲(クラウド)が役に立つことがある。インターネットベースのクラウドサービス――そしてPCとモバイル端末向けのクラウドアプリ――は、山歩きをしているときや、海辺で音楽を聞いたりテレビを見たりしているときに、ちょっとした仕事を処理する必要がある場合に大いに役立つ。また、旅行中に友人と写真を共有するのにもクラウドサービスが重宝する。
デスクトップPCを抱えて出掛ける人はいないだろうが、かといってノートPCを持って移動するのも大変だ。最近では、クラウド上のサーバから、ブラウザやWebアプリケーション、iPhone、iPad、Android端末などのモバイルデバイスアプリを動作させるベンダーが増えている。だが思わぬ落とし穴にはまることのないよう、出掛ける前に利用可能なサービスとソフトウェアをしっかりチェックしておくことをお勧めする。
まず、スマートフォンについていえば、PCと同じレベルの“ユーザーエクスペリエンス”を得られない場合が多いことに注意する必要がある。例えば、ストリーミング配信される映画、テレビ番組、音楽では、画像や音が途切れることがある。これは特にAndroid端末で起きやすい。その原因の1つに、Androidには多くの種類の端末とOSバージョンが存在することがある。いずれにせよ、処理能力の限界や、画面とキーボードが小さいなど、さまざまな要因でモバイルアプリの機能に制約が生じる可能性が高い。アプリの設計がしっかりしていれば、こういった制約がそれほど問題にならない場合もある。また同じアプリでも、スマートフォンよりもタブレット上で動作させる方がずっと楽だ。AndroidおよびiOS用アプリの多くは優れたパフォーマンスを提供するが、スマートフォンやタブレットの機能に悪影響を及ぼすバグが含まれているものもある。いざというときのために、アプリを事前に十分テストすることを忘れてはならない。
仕事用のクラウドアプリ:オフィススイートとファイル共有
クラウドに対応したサービスとアプリという最近の大きなトレンドを象徴するのが「Microsoft Office 365」だ。先ごろリリースされたHome Premiumエディションでは、月額9.99ドル(年額99.99ドル、米国向けの価格)で最大5台のPCあるいはMacで利用できる。米Microsoftは2013年6月、iOS端末向けのモバイルオフィススイートとして「Office Mobile」(Office Mobile for Office 365 subscribers)をリリースした。これはOffice 365の登録ユーザーであれば無料で利用できる(ただしOffice 365の1カ月無償トライアル登録者以外の非登録ユーザーは利用できない)。
注:上記のOffice 365 Home Premium、Office Mobileはいずれも日本では提供されていない。
旅行に出掛ける前に重要な提案書や業務報告書の作成がまだ終わっていなくても心配無用だ。Windows搭載ノートPC、Windows 8タブレットあるいはMacBookを旅行に持っていくのであれば、Office 365で9種類のソフトウェアプログラム(「Word」「PowerPoint」「Excel」「OneNote」「Outlook」「Publisher」「Access」「InfoPath」「Lync」)をどこでも利用できる。このサブスクリプションには「Office Web Apps」も含まれる。これは、各プログラムの機能を一部省略したバージョンをセットにしたもの。Office Web Appsの魅力は、どこからでも使えるという点にある。別荘のデスクトップからでも友人のノートPCからでもアクセスでき、ディスクスペースを無駄に消費することもなければ、ソフトウェアのダウンロードに無線帯域や貴重な余暇時間を費やすこともない。
iPhoneあるいはiPadだけを持っていく場合は、Office Mobileを利用すれば、自分のPCから最近アクセスしたWord、PowerPointあるいはExcelのドキュメントに(アプリの[recent documents](最近使ったもの)パネルから)アクセスできる他、「SkyDrive」「SkyDrive Pro」「SharePoint」に保存した任意のOfficeドキュメントにアクセスできる。電子メールに添付されたOfficeドキュメントの表示、編集も可能だ。スマートフォン上で本格的な報告書を作成する気にはなれないだろうが、同僚の作業内容を確認したり、簡単な修正を加えたりすることはできる。
ではOffice 365にユーザー登録したくない場合や、Androidユーザーの場合はどうすればいいのだろうか。幸いにも、最近ではiOSとAndroid向けにも、クラウドに対応したMicrosoft Office互換のオフィススイートが多数出回っている。例えば、「Polaris Office」「QuickOffice」「Documents To Go」などをチェックしていただきたい。
SkyDriveのアカウントを持っていないビジネスパートナーとドキュメントを共有する必要がある場合は、「Dropbox」や「Box」などのWebベースのファイル共有サービスが非常に便利だ。これらのサービスはほとんどのPCやモバイルプラットフォームから容易にアクセスでき、PDFなど各種のファイルフォーマットに対応する。しかも無料で大量のファイルを保存、共有することができる。
また「CloudOn」というWebサービスでは、iOS端末やAndroid端末でMicrosoft Officeドキュメントを作成し、それをDropbox、Box、「Google Drive」、SkyDriveで共有することができる。
遊び用のクラウドアプリ――写真共有、音楽、映画
「仕事はもう十分! 休暇中は好きな場所でテレビや映画を楽しみたい」という人もいるだろう。「Netflix」と「Hulu Plus」は、そんな願いに応えてくれるクラウドベースのサービスだ。いずれも「Windows Phone」、iOSおよびAndroidベースの端末に加え、Windows PC、Mac、テレビ、Blu-rayプレーヤー、ゲーム機などの機器をサポートする。Hulu Plusはさらに、電子ブックリーダーの「Barnes & Noble Nook」および「Amazon Kindle Fire」もサポートする。Android端末でHulu Plusを利用するには、Androidのバージョン3.2以上が必要だが、一部の旧タイプのAndroid携帯電話(Android 2.xで動作する機種)には対応している。一方、Netflixの場合は、Android 2.2以上であれば視聴可能だ。両サービスの料金はいずれも月額7.99ドルだが、無償試用期間を利用するのであれば、休暇中がベストなタイミングだ。Netflixの無償試用期間は1カ月、Hulu Plusは1週間となっている。
休暇中に音楽を聴きたいという人もいるだろう。以前からうわさされていた通り、米Googleと米Appleは最近、音楽ストリーミング配信サービスの市場に参入した。この分野には既に、英Spotify、米Rdio、米Pandoraなどのプロバイダーが存在する。「Google Play Music All Access」とAppleの「iTunes Radio」はいずれも数百万曲の楽曲をそろえており、カスタマイズしたラジオ局を作成したり、曲をスキップしたりする機能を備えている。Google Play Music All Accessは月額9.99ドルで、無償試用期間は1週間。音楽のアップロードと保存も可能だ。iTunes Radioは無償だが、音楽をアップロード、保存するにはiTunes Matchにユーザー登録する必要がある(年額24.99ドル)。iTunes RadioはiPhone、iPad、「iPod touch」、Mac、PC、「Apple TV」をサポートする。Google Play Music All Accessは今のところ、WebブラウザとAndroid端末をサポートしているが、iOSにも近日中に対応する予定だ。
休暇中にはデジタルカメラやスマートフォン搭載カメラで写真を撮る人も多いだろう。DropboxやBoxなどのクラウドベースのサービスを利用すれば写真を共有できる。しかし米Yahoo!の「Flickr」やGoogleの「Picasa」および「Google+ Photos」といった写真共有専用サービスには、写真を補正したり整理したりする機能も用意されている。
Flickrには写真共有グループを作成する機能もある。FlickrはWebブラウザで利用できる他、iPhone、iPod touch、Android、Windows Phone 7用のFlickrアプリも提供されている。Flickrのモバイルアプリは、写真のアップロード、16種類のフィルタ、グループの検索、グループへの参加、写真の補正、描画、トリミング、レタッチ、文字の追加など本格的な機能を備えている。
Flickrの長年のライバルであるPicasaは、さまざまな利用形態が可能だ。ノートPCおよびデスクトップには写真編集用アプリケーションのPicasaに加え、オンライン拡張版の「Picasaウェブアルバム」が用意されている。iPhone、iPadおよびAndroid端末向けにも、各種のPicasa対応アプリがサードパーティーから出ている。
また、Googleが提供している写真共有サービスのGoogle+ Photosは、Webブラウザとモバイルアプリの「Google+」のどちらからでもアクセスできる。自動補正、自動バックアップ、写真編集、検索、分類などの機能が用意されている。Picasaと「Picasaウェブアルバム」はGoogle+と連携している。「Picasa 3.9」(Windows XP、Vista、Windows 7用のアプリケーション)は、Google+のジオタグ機能と共有機能を備えている。Googleによると、「Windows 8でのPicasaの動作はまだ検証されていないが、多くのユーザーが同プラットフォーム上でPicasaをインストールし、毎日利用している」という。Googleでは、PicasaウェブアルバムのユーザーをGoogle+ Photosに移行させているが、古くからのユーザーの中にはこの変更を不満に思っている人もいる。
結論
どんなソフトウェアについてもいえることだが、モバイルアプリの場合は特にその限界を認識しておくことが大切だ。とはいえ、ノートPCあるいはスマートフォンやタブレットを旅行に持っていけば、旅先でちょっと仕事をしたり(仕事が残っていればの話だが)、テレビ番組や映画を見たり、音楽を聴いたり、写真を共有したりできるのだ。
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