クラウド時代のデータ連係製品紹介:テラスカイ
クラウドサービスを業務システムに生かす、SaaS型データ連係「SkyOnDemand」
急速に拡大するクラウド連係へのニーズ。それに対応するのがEAIツールである。本稿では、「クラウドの連係はクラウドで解決」を提唱するテラスカイの「SkyOnDemand」を紹介する。
企業にクラウドコンピューティングが浸透するにつれ、社内システムとの関わりが無視できなくなってきた。クラウドサービスは単に、テスト/開発環境や、外向けのWebサービス、社内LANとは切り離された特定業務向けアプリケーションで使われるだけでなく、ユーザー企業の業務システムの一部としても注目されている。
「クラウドサービスを基幹システムのデータと連係して使用したい(ただし、全てのデータをクラウドに預けるのは不安だ)」「目的に応じて、複数のクラウドサービス同士を連係させたい」――このように、クラウドサービスを社内システムや他のクラウドサービスと連係させてデータをやりとりしたいといったニーズが一般的になりつつある。
その際、ユーザーは、つなぐシステムの数が増えても、特別なコーディングや開発をすることなくシステム連係ができることを期待するだろう。それを実現するのがEAI(Enterprise Application Integration)ツールだ。昨今のEAIツールは、オンプレミス同士の連係だけでなく、クラウドサービスにも対応した製品が増えている。
ただし、クラウドサービスとデータ連係をするEAIツールといっても、その提供形態はオンプレミス型のパッケージソフトが多い。故に、ユーザー企業が自社のサーバもしくはベンダーの専有環境にEAIツールを導入することになる。当然、サーバ費用や保守・運用の手間はユーザー企業にのしかかる。
そこで今回は、テラスカイが提供するSaaS(Software as a Service)型データ連係サービス「SkyOnDemand」を紹介する。数あるEAIツールの中でも、月額料金で利用できるクラウドサービスという点が珍しい。
概要
テラスカイには既にパッケージ版のEAIツール「DCSpider」がある。SkyOnDemandは、DCSpiderのクラウド版に当たる。DCSpider同様、エンジンはアプレッソの「DataSpider」を利用しており、(DCSpiderとSkyOnDemandは)ほぼ同じ機能を実現している。では、SkyOnDemandには、パッケージ版のDCSpiderや、DataSpiderといった他社製品に対して、どのような差別化ポイントがあるのか。以下では、SkyOnDemandの特徴を紹介する。
1.クラウドならではの料金体系と機能
SkyOnDemandには、クラウドならではの利点や機能が幾つか用意されている。
まず、ハードウェア/ソフトウェアが不要で、月額料金で利用できることだ。それによって、初期費用やハードウェアの保守・運用に掛かるコストが抑えられる。
次に、定期的なバージョンアップである。SkyOnDemandは、ユーザーからの要望を参考に、年2回程度のバージョンアップが行われる。パッケージ版では、新しいアダプターがリリースされた場合、サーバに追加のアプリケーションをインストールするなど手作業が必要だ。だが、SkyOnDemandはクラウド上で稼働するソフトウェアなのでユーザー側にバージョンアップ作業の負荷を掛けない。また、バージョンアップ実施の約1カ月前には、新機能が適用されたSandbox環境を提供する。
クラウドサービスである利点は、インターネット回線でEAIツールにアクセスする際にも発揮される。EAIツールがオンプレミス環境にある場合は、DMZに中継サーバなどを配置しなければ外部からEAIツールにアクセスすることはできないが、クラウド版のSkyOnDemandは、インターネットから直接アクセスすることができる。例えば、SalesforceからEAIツールを呼び出して処理をしい場合などに便利だ。
さらに、データの複雑な加工(計算や集計)を行う際に使用する作業用データベースである「テンポラリーデータベース」(リレーショナルデータベース)が30Gバイトまで標準で付いている点にも注目したい。オンプレミスであれば自分で用意しなければならない設備だろう。
2.4大クラウドをはじめ多くの接続先に標準対応
連係先の片側がSalesforceに限定されているDCSpiderと異なり、SkyOnDemandは多くの接続方式をサポートしている。また、国内でよく利用されているクラウドサービスのアダプターが標準で実装されている点も特徴だ。主要な接続先としては、「Amazon Web Services」(AWS)、「Salesforce」「Windows Azure」「Google Apps」といった4大クラウドの他、シャノン「MARKETING PLATFORM」などに対応し、多数の専用アダプターを提供している。例えばAWSの専用アダプターには、「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)、「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)、「Amazon Relational Database Service」(Amazon RDS)、「Amazon SimpleDB」があり、今後は「Amazon SQS(Simple Queue Service)」や「Amazon Redshift」など、ユーザーニーズの高い機能にも対応する予定だ。
専用アダプターがない場合でも、SOAPやREST、ファイル、データベース、メール、FTPなどの接続方式をサポートしているため、これらに対応しているサービス/システムはユーザーが自分で設定項目を確認すれば接続することが可能だ。
3.GUIで直観的に連係処理を作成
SkyOnDemandは、情報システム部門がない小規模なユーザー企業が、システムインテグレーター(SIer)を介さずに導入している事例がある。SIerに依頼せずに導入できるのは、データ連係処理の仕様を全てノンプログラミングで設計できるからだ。データ処理を定義するアイコンをドラッグ&ドロップし、線でつなぐだけで連係処理のスクリプトを作成できる。
ノンプログラミングを可能にするために、データ処理を定義するアイコンの種類を豊富にそろえている。「四則演算をする」「メールを飛ばす」「全角文字を半角に変換する」など、細かいところまで多様な処理方法がアイコンとして標準搭載されている。
4.安定動作のための各種サービス
SkyOnDemandは日本企業が提供しているサービスだ。そのため、海外製品にはない日本語対応機能、日本語サポートが充実している。Webフォームからのサポート(24時間365日)は標準で付いている。
また、連係エラーに対処する豊富な機能も売りの1つだ。SkyOnDemandでは、頻度の高い連係エラーについては、「リトライ回数」「待機時間」といったパターンを定義している。ユーザーは画面で必要な処理を選択するだけでエラー処理を設定できる。
5.高速なデータ連係実行環境
情報システム部門の現場担当者にとって一番気になるのはデータ連係の速度ではないだろうか。ユーザーがGUIで作成した処理やデータのフローは、SkyOnDemand内部でJavaに変換され、コンパイルされたものが実行される。そのため、プログラミングによる開発・実装と遜色ない高速な処理を実現する。そして、大容量のデータをより高速に処理するための工夫として、一定の分割単位で並列処理をさせるパラレルストリーミング機能も備える。
使用例
基幹システムのデータをクラウドサービスにコピーせず、クラウドサービスからSkyOnDemand経由で、社内データベースの必要なレコードだけを呼び出して参照することができる。その場合、VPN回線(オプション)を申し込むなどネットワークの構築は必要になるが、ユーザーからは、あたかもクラウドサービス上に基幹システムのデータが存在するかのように見える。大容量もしくは機密性の高いデータをクラウドに預けたくない場合に有効だ。
社内のファイル(CSVなど)を社外に受け渡す際には、WebDAVを介してやりとりすることもできる。ユーザー企業のLAN環境にWebDAVクライアントを設置することで、社内ネットワーク上に仮想フォルダが用意される。そのフォルダに連係したいファイルを置くと、SkyOnDemandによって社外システムと自動的に同期される仕組みだ。これによって、VPN回線を構築したりネットワークの設定を変更することなく、基幹システムから出力したファイルをセキュアにSkyOnDemandに転送可能だ。
価格
接続クライアントは標準で5ライセンス付き、初期費用60万円、月額費用は7万円から。月額費用はトリガー(※)の数によって異なる。
※ トリガー:スクリプトの起動タイミング
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