機能強化やMicrosoft Office標準搭載に注目
価格以外は評判がいい「Surface Pro 2」、9万9800円にユーザーの反応は
2013年9月に米国で発表されたMicrosoftの新Surfaceは、私物端末を業務に利用するコンシューマーにとって魅力的な機能を備えている。だが、企業が採用するには価格が障害になる。
米Microsoftは、2013年9月に次世代のSurfaceタブレットを米国で発表した。新しいSurfaceタブレットのモデルは、ビジネスユーザー向けのWindows 8.1を搭載した「Surface Pro 2」と、RT版のWindows 8.1を搭載した「Surface 2」の2種類だ。
Microsoftの製品発表イベントに参加した業界ウオッチャーたちは、今回のリリースではMicrosoftは明らかにコンシューマー向けの機能に力を入れていると話す。
「Surfaceタブレットをエンタープライズ市場に食い込ませるために、Microsoftはコンシューマーの心をつかもうとしている」。そう語るのは、米Forrester Researchのリサーチディレクター、クリス・ボース氏だ。「また、Surface 2タブレットでは、過去の多くの課題に対応している」
Microsoftによると、Surface Pro 2は、HD画像の表示品質を改善するため色精度が46%向上し、スピーカーの機能も向上している。また、膝に乗せても作業しやすいように2段階調節式のキックスタンドも付属している。Surface Pro 2はIntel Core i5プロセッサーと最大512Gバイトのフラッシュストレージを採用し、処理速度も上がっている。
初代Surfaceタブレットで多くのユーザーが問題にしていたバッテリー寿命も修正されたという。Microsoftの発表では、前バージョンに比べてSurface Pro 2のバッテリー寿命は75%、Surface 2のバッテリー寿命は25%向上する予定だ。
これらの機能強化と、Windows 8.1へのアップグレードで、私物端末を業務に利用したいと考えるユーザーにとって、Microsoftのタブレットの魅力は増すはずだとボース氏は言う。実際、Windows 8のエンタープライズ市場での普及は進んでいないが、SurfaceタブレットのBYOD(私物端末の業務利用)は、企業にWindows 8の再考を促す可能性がある。
「Windows 8にとって最大の導入チャンスは、Windows 8を個人ユーザーが利用するときだ」とボース氏は言う。「ユーザーが私物のSurface端末を職場に持ち込むとき、Windows 8を普及させる最大の好機が訪れる」
Surfaceの導入促進を計るビジネス向けの工夫
「また、Surfaceタブレットには、Windows以外のタブレットと異なり、Officeアプリケーションが付属している。Windowsが使い慣れたOSであることも、ユーザーがSurfaceを受け入れる理由の1つになる」と、デジタルインターミディエイトソフトウェアを提供している米Assimilateのビジネス開発担当副社長のルーカス・ウィルソン氏は指摘する。
「Windowsは既にエンタープライズ市場を支配している」(ウィルソン氏)
Surface Pro 2とSurface 2では、さらにMicrosoftの製品やサービスとの統合を高めている。購入インセンティブとして、どちらのモデルにも、購入から2年間はSkyDriveストレージを200Gバイト、1年間はSkypeを使った固定電話との国際通話および無線LANスポットサービスを無料で使用できる特典が付く。
しかし、コンシューマーが食いつくには、これらのインセンティブでは不十分だと一部のアナリストは見ている。
米J. Gold Associatesの代表で主席アナリストのジャック・ゴールド氏は、新しいSurfaceタブレットの価格と価値は見合わないと話す。Windows 8.1搭載のSurface RTの現在の価格は349ドル(国内では3万9800円、以下同じ)。Surface 2は449ドル(4万4800円から)で、Surface Pro 2は899ドル(9万9800円から)だ。
しかも、さまざまな無料のクラウドストレージサービスがあり、VoIPでさえGoogle Voiceでは無料化の方向に進んでいるとゴールド氏は指摘する。
「私の意見では、無料特典の持つ価値は極めて限られている。プラットフォーム自体のメリットで勝負しなければならない。誰も、VoIPが使えるからと言ってタブレットを買いに出かけはしないだろう」とゴールド氏はコメントしている。
たとえ、これらの無料の特典によってユーザーがSurfaceを購入する気になったとしても、企業が会社の標準としてMicrosoftタブレットを採用する見込みは薄い、と話すのは、コンサルティング会社の米High Rock Strategyの創設者で代表を務めるクリス・シルバ氏だ。
シルバ氏は、「(ノートPCの)価格とバッテリーを拡張できることを考えると、新しいSurfaceタブレットがノートPCに取って代わる大きな理由は見当たらない。特に、多くの企業がいまだにWindows 7を標準とし、Windows 8に移行していないことから、SurfaceタブレットはBYODプログラムの対象端末の1つにはなっても、会社の標準にはならないだろう」と分析する。
名称から「RT」を外したSurface 2
Microsoftのビジネス向けタブレットはSurface Proだが、MicrosoftはSurface RT端末のエンタープライズ対応にも取り組んでいる。
次世代のSurface RTは名称から「RT」が除かれ、シンプルに「Surface 2」になった。Surface 2では、Wi-Fiとメモリのバス転送速度が2倍になり、画面の反射率は2分の1になって、処理速度と見やすさが向上しているという。
Surface RTをプライベートで、つまり、動画鑑賞やゲームに使用している多くのユーザーは、グラフィックスが改善したことを実感できるだろう。Surface 2はNVIDIA Tegra 4プロセッサーを搭載し、72コアのGPUを実行できる。
新しいSurfaceタブレットは、米国で2013年10月22日に発売が開始される予定(国内では10月25日に発売)で、9月24日からは先行予約を受け付けている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー