PowerPoint風のプレゼンテーション機能も搭載
モバイル、コラボ機能を備えた現場向けBIツール「Yellowfin 7」
近年、現場担当者向けのBIツールが増えている。「Yellowfin」は、ITを専門としない事業部門の現場担当者が使いこなすことができ、データを活用した迅速な意思決定を支援するBIツールだ。
使いやすさにこだわったBIツール
Yellowfinは、2003年にオーストラリア・メルボルンで創業したBIツールベンダー。同社BIツール「Yellowfin」は現在、世界1万社で利用され、ユーザーライセンス数は100万件を超える。オーストラリア、ニュージーランド、米国、ドイツ、シンガポールなどワールドワイドに展開し、日本国内は京セラ丸善システムインテグレーション(KMSI)が総代理店となっている。
国内では、ポイント活用総合サイト「Gポイント」を運営するジー・プラン、動物用医薬品の製造・販売メーカーであるフジタ製薬、鉄鋼大手の新日鐵住金が出資するシステムインテグレーターである新日鉄住金ソリューションズなど、130社ほどの企業が既に導入しているという。
同製品の特徴は、ビジネスユーザーが使いこなせる使いやすさと操作性にある。KMSIのビジネスソリューション本部 ITサービス営業部 ITサービス営業グループ グループ長、林 勇吾氏は次のように話す。「従来のBIツールは分析担当者やIT部門など専門家向けに作られていたのに対し、Yellowfinは事業部門の現場担当者が利用する、いわゆる『セルフサービス型』のBIツールとして設計されている」
2013年12月には最新版「Yellowfin 7」が提供開始されており、コラボレーション機能、リポーティング機能、管理機能、モバイルアプリなどが刷新された。
Webブラウザさえあれば、いつでもどこでも利用できるBIツール
Yellowfinでは、リポートやダッシュボードの作成、データの分析など、全ての作業をWebブラウザ上(Javaベース)で行える。Webブラウザの操作に慣れているユーザーなら問題なく使えるという。専用アプリケーションなどを別途インストールする必要がないので、社内の既存インフラへの影響を最小限に抑えながら、迅速かつ容易に導入可能だ。
リポートの作成を支援するウィザード機能も充実している。ユーザーはドラッグ&ドロップのマウス操作だけで、直感的にリポートを作成可能。表やグラフは、項目データに合ったものが自動で選ばれる仕組みになっており、データの可視化を容易に行える。また、最新版では、選択したデータが作成画面でリアルタイムにプレビューされるようになったため、常に結果を確認しながら作業を進められる。単一の表から複数のグラフを作成することも可能となった。
データランキングやドリル分析、順序付け、フィルタリング、百分率(%)、分散、標準偏差、相関、傾向、統計といった高度な演算機能も備わっている。業務データをさまざまな視点から分析することが可能だ。
対応データベースは、「IBM DB2」や「Oracle Database」「Microsoft SQL Server」「PostgreSQL」「MySQL」など、JDBCアクセスが可能でSQL-92対応のデータベース。最近では、「Amazon Redshift」や「Google BigQuery」といったクラウド型サービスにも対応している。リレーショナルデータベースや多次元データベースなど、幅広いデータソースと接続可能である。さらに、インメモリデータベースを搭載するため、高速な分析が可能という。
iOS、Androidでも分析ができるモバイルBI
YellowfinはモバイルBIにも対応する。iOS(iPhone、iPad)とAndroid向けにアプリ「Yellowfin for mobile」が無償提供されている。昨今は、BYOD(私物端末の業務利用)の流れもあり、スマートフォンやタブレット端末を利用するビジネスユーザーが増えている。このアプリをインストールしておけば、どこにいても必要なときにリポートを確認したり、そこから分析を始めたりすることが可能だ。また、リポートへの手書き入力など、スマートデバイスならではのタッチ操作にも対応する。
モバイルアプリには、アラート機能も備わっている。特定の条件を満たした際にアラートが飛ぶ設定にしておけば、担当者はその変化や状況に、より迅速に対処できるようになる。アラートはアイコンバッジにも表示されるので、わざわざアプリを起動して確認したり、見逃したりするのを防止する。
PCのWebブラウザで作成した既存リポートを、スマートフォンやタブレット端末向けに作り直す必要はない。閲覧する環境に合わせて、自動的に最適化される仕組みとなっている。
なお、英国民保険サービス(NHS)の信託団体Lancashire Care NHS Foundation Trustは、複数のモバイルBI製品を検討した上で、Yellowfinを導入。医療スタッフの業務効率改善、医療サービスの質向上につなげているという(関連記事:英信託病院Lancashire CareがモバイルBI導入で業務効率を改善)。
BI内で議論を深めるコラボレーション機能
Yellowfinには、ユーザー間の情報共有と意思決定のプロセスを支援するコメント機能やディスカッション機能といったコラボレーション機能が組み込まれている。「意思決定に必要なやりとりをBI内で完結させてしまおうという狙いがあった。リポートにコメントを追加して、任意のユーザーと情報を共有できる。BIツールの中で議論を深め、より迅速な意思決定が可能となる。海外のユーザーから特に要望の多かった機能だ」(林氏)
SNSなどでよく見かける「タイムライン」機能も備える。タイムライン上には、ユーザーのリポートの閲覧履歴やディスカッション履歴、作成/共有したリポート、アラートや通知などが時系列で表示される。
また、Yellowfin 7からは、リポートやコメントにYes/Noの意思表示を付ける「投票機能」が追加された。これにより、ディスカッションが円滑になり、最適な意思決定をサポートするという。
BI機能とプレゼン機能が融合、地図情報を使った分析も可能
Yellowfinには、BIツール上で「Microsoft PowerPoint」のようなプレゼンテーション資料を作成できる「ストーリーボード」という機能が備わっている。プレゼン資料内にリポートをそのまま埋め込めるのが特徴だ。プレゼン資料の中から、リポートの集計項目やフィルタを直接変更することが可能で、その数値の背景や理由などを基に議論したり、検討したりすることができる。
Google Maps、GISデータセット、WMS(Web Map Service)などの地図フォーマットにリポートデータを統合可能だ。地図データと業務データを重ね合わせ、地理条件を含めた分析を行うことで、数値だけでは発見しにくい新たな気付きを得られる可能性もある。
必要な情報を単一画面で管理
管理者向けのメニューでは、登録ユーザー数、ログインユーザー数、アクティブなリポート/ダッシュボードの数などのデータを単一画面で管理できる「ストリームライン式」の管理コンソールが導入されている。「管理者が知りたい情報を俯瞰して管理できるよう、管理側のユーザーインタフェースも使い勝手を良くしている」(林氏)という。
また、セキュリティ面では、ユーザーレベル、ユーザーグループレベルでの機能の利用権限、リポートへのアクセス権を設定できる。ユーザー権限は、ロール単位で細かく設定可能となっている。
価格は、基本ユーザーライセンス構成で52万5000円(3ユーザー、税込み)から。5ユーザー同時ログイン構成で283万5000円から(登録ユーザーは無制限)。サブスクリプションライセンスで月額2万6250円から、あるいは年額31万5000円から(いずれも5ユーザー)となっている。
現場担当者向けのBIツールには、米QlikTechの「QlikView」、米Tableau Softwareの「Tableau」、ウイングアーク テクノロジーズの「Dr.Sum EA」など数多くの製品が市場に投入されている。Yellowfinはその選択肢の1つとなるだろう。
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