初めてのサーバ購入【前編】
サーバが高価になるのはそれなりの理由がある
サーバの価格はプロセッサやメモリ、ストレージなどさまざまな構成要素で決まる。用途に合った適切な構成のサーバを適切な価格で購入するには何に気を付ければいいのか。
エンタープライズサーバの購入判断は一筋縄ではいかない。
ITプランナーは、厳しい予算の制約の中で将来のコンピューティングニーズを満たすハードウェアを選択するという厄介な仕事を抱えている。間違ったサーバを選んで買ってしまうと、問題が尾を引き、高くつくことになる。
購入時に構成をアップグレードしたりアドオンを追加したりすると、サーバコストは上がるが、お金を掛けるだけの価値がある場合がある。サーバを上手に購入するためのもう1つのポイントとして購入量がある。大量に注文すれば、サーバの購入単価が下がるからだ。
高価なハードウェアオプション
サーバコストを抑えるには、基本的な構成を選択するのがポイントだ。ただし、戦略的な考え方を忘れてはいけない。強力なプロセッサ、追加メモリ、大容量ストレージ、高速なネットワーク機能、グラフィックスプロセッサといった構成のコストは、(ビッグデータの処理などのために)ビジネスアプリケーションがアップグレードを要求する場合や、企業が仮想化によってサーバを少数の高性能なマシンに集約できる場合は、簡単に正当化できる。
エンタープライズサーバは構成の自由度が高いだけに、将来にわたる有効性と、経済性のバランスが最も取れたオプションを選択することが求められる。
コア数が多く、クロック周波数が高いプロセッサを選ぶと、価格が跳ね上がる。例えば、2.5GHzの6コアプロセッサの代わりに3.3GHzの8コアプロセッサを選ぶと、一般的にサーバの基本価格がいきなり1100ドルも上がってしまう。2.7GHzの12コアプロセッサでは、価格の上昇幅が1800ドル近くに達する。マルチソケットサーバの場合、上昇幅はソケット数を掛けた額になる。
SSE4やIntel-VTなどの拡張命令セットをサポートするプロセッサを選択するときは、注意が必要だ。特別な命令に依存するアプリケーションは、広範なテストと微調整を行った上で実稼働させる必要があり、開発と展開に時間がかかるからだ。
メモリも、サーバの構成要素の中で高価なものの1つだ。通常、メモリのバス速度や性能によってサーバコストが上がることはないが、大量のメモリの搭載はコストに跳ね返る。例えば、32Gバイトのメモリを搭載するサーバの価格は、4Gバイトを搭載するサーバより800ドル程度高くなることがある。しかし、1333MHzから1866MHzへのバス速度の変更に加え、メモリのミラーリングと拡張ECC(エラー訂正コード)、スペアリングのサポートを選択しても、価格には影響しない。
ストレージデバイスとコントローラーのオプションも、サーバコストを大きく左右する。まず、大容量で高速のSATA(Serial ATA)ディスクを選ぶと、コストは少し上がる。例えば、容量1Tバイト、回転速度7200rpm、データ転送速度3GbpsのSATAドライブの単価は、200ドルといったところだろう。だが、1.2Tバイトで1万rpm、6GbpsのSATAドライブでは600ドルを超える。2Uや4Uのラックサーバに多数のドライブを搭載する場合、ディスクを少しアップグレードするだけでも全体のコストがかさむ。
SSD(ソリッドステートドライブ)ではさらにコストが膨らむ。200Gバイトでデータ転送速度が6GbpsのSAS(Serial Attached SCSI)SSDの単価は1300ドルが一般的だ。400Gバイトでは2600ドル、1.6Tバイトでは5000ドル近くで、これらの額がサーバコストに跳ね返ることになる。米Fusion-ioのI/OアクセラレータのようなSSA(ソリッドステートアクセラレータ)デバイスも、350Gバイトの拡張カードで追加すると、サーバ価格が5000ドル以上も上がる。
一方、RAIDは大抵コストが掛からない。サーバのマザーボードには、RAID対応のSATA/SASコントローラーが搭載されているからだ。しかしIT部門は、不揮発性キャッシュをオンボード搭載し、書き込みキャッシュの性能を高めた専用RAIDコントローラーカードでサーバをアップグレードすることもできる。その場合、新しいRAIDコントローラーのコストとして600ドル以上がサーバ価格に加わる。
ネットワークオプションもコストを大幅に押し上げることがある。例えば、最近のサーバはギガビットイーサネット(GbE)ポートを標準搭載しているが、強力な、あるいは集約率の高いサーバでは、複数のNICポートや、10GbEまたは40GbEへのアップグレードが必要なことが多い。米Mellanoxのデュアルポート40Gbps直接接続型/QSFPネットワークアダプター「ConnectX-3」のような高速のマルチポート光相互接続PCIe NICを選ぶと、サーバ価格が1200ドル近く高くなる。ファイバーチャネル(FC)SANを使用する場合は、米Emulexのデュアルポート16Gbps HBA「LPE16002」のような、2000ドル以上のFC HBAを装備する必要がある。
仮想デスクトップインフラ(VDI)によるエンドポイント仮想化や、ビッグデータ、科学計算ワークロードが注目され続けていることから、サーバ側のグラフィックス処理が関心を呼ぶようになった。このため、最近のサーバにはGPUカードが追加されるようになっている。しかし、GPUは高価であり、安いものでも1500ドル(米AMDの「FirePro S7000」カード)、高いものでは7400ドル(米NVIDIAの「Tesla K40M」ユニット)もする。
サーバコストがどの程度掛かるかを判断する際は、OSと管理プラットフォームも忘れないようにしよう。例えば、「Windows Server 2012 Datacenter」(1ライセンスで2プロセッサまで使用でき、実行できる仮想インスタンス数は無制限)は、サーバ1台当たり4600ドル以上のコストが掛かる。管理プラットフォームのコストは、米Dellの「iDRAC7 Enterprise」の例でみると、同社の「PowerEdge」サーバ1台当たり300ドル以上となっている。管理ツールとして、例えば米VMwareの「VMware vCenter Server Standard」を追加すると、価格が4000ドル強からのサーバ(「PowerEdge R720」)の場合で、3年間のサブスクリプション料金としてさらに7000ドルが掛かることになる。
後編では、サーバ導入のおける仮想化や冗長化、スケールメリットの考え方を解説する。
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