Microsoftは2016年1月12日にサポートを終了
実はサポート切れが迫っている「Internet Explorer 8」、今すぐ行うべきこととは?
Windows 7に標準搭載する「Internet Explorer 8」のサポートが2016年1月12日に終了する。IE 8向けのレガシーアプリを利用する企業は今すぐにでも対応が必要となる。
米Microsoftは、「Windows 7」に標準で搭載する「Internet Explorer 8」(以下、IE 8)のセキュリティサポートと技術サポートを2016年1月12日に終了する。サポート終了後もIE 8で稼働するWebアプリケーションを使い続けることで、企業の重要なデータを危険にさらす恐れがある。
IT担当者は、そうしたレガシーWebアプリケーションを更新する必要がある。Microsoftは企業のIT部門に対してIE 8のサポートが17カ月後に切れることについて警鐘を鳴らしている。
IT担当者はすぐにでもWebアプリケーションの更新に着手しなければならない、とアナリストらは口をそろえる。その他の優先度の高い作業に手を取られ、「Internet Explorer 11」などの新しいブラウザに移行する作業がギリギリになると、企業の機密データを危険にさらす可能性がある。
Webアプリケーションの更新作業を先送りにすることも、IE 8のサポート終了までに移行プロセスが完了しない原因となり得る。また、IT部門がアップデート後にWebアプリケーションの互換性を十分に検証できない可能性もある、とアナリストらは指摘する。
古いバージョンのIE向けのWebアプリケーションを更新する作業は、新しいバージョンのWindowsに移行するよりも簡単な作業だと考えるIT担当者もいる。
米ヒューストンでITコンサルタントとして活動しているマイク・ドリップス氏は次のように語る。「IEは当たり前のテクノロジーになっている。IE 8は長い年月にわたって使用されているが、IE 9/10/11ではアプリケーションが適切に動作しない事象が発生する可能性がある。IE 8のサポートが終了する2016年までに企業は現状に対応する必要がある」
IEのサポート終了が17カ月後に迫っているにもかかわらず、多くのIT管理者がレガシーWebアプリケーションをアップグレードしようとしない状況をアナリストらは危惧している。Microsoftは「Windows Server 2003」のサポート終了が近づいていることを警告している。また、「Windows XP」のサポートについては2014年4月に終了した。だが、Windows XPは依然として多くのPCで実行されている。新しいOSへの移行が完了していない企業の中には、データの完全性を維持するためにカスタムサポートの代金を支払っている企業もある。
BYOD(私物端末の業務利用)はブラウザ移行の障害となる可能性がある。また、企業は、IE 8以前のブラウザを実行するデバイスやユーザーをサポートしないというポリシーを施行することもできるとドリップス氏は提案する。
ブラウザの移行に関するヒント
サードパーティー製のブラウザ移行ツールが役立つ可能性がある。だが、企業は根本的な問題の原因を修復しなければならない、と語るのは米Gartnerでリサーチ部門担当副社長を務めるマイケル・シルバー氏だ。業界の評論家らは、古いWebベースのアプリケーションを新しいブラウザに対応したバージョンに移行するときのアドバイスとして次のベストプラクティスを推奨している。
- 古いWebベースのアプリケーションを新しいブラウザに対応したバージョンに移行する計画を今すぐ策定する
- 影響のあるアプリケーションを特定するためにエンドユーザー部門を取り込み、テストに参加するよう働き掛ける
- 互換性の問題が増えないよう監視し、更新直後に新しいアプリケーションで同じような問題が発生しないようにする
- Microsoftの最新OS/ブラウザの要件とアップグレードにできる限り後れず付いていく
IT担当者がIE 11への移行作業をスムーズに進められるかどうかは、組織によって異なる。
Windows XPの移行よりも簡単
「IE 8のサポート終了とWindows XPのサポート終了には違いがある。更新したWebアプリのテストが完了すれば、実装は簡単に行える」とシルバー氏は指摘する。両者を比較すると、WindowsのOS移行では、より多くの作業が必要になる。例えば、新しいハードウェアの導入、OSのアップデート、アプリケーション/データ全般の互換性の検証作業などが発生する。
米Net MarketShareが2014年7月に発表したリポートによると、Windows 7は、デスクトップPCのOS市場で51.2%という最大シェアを獲得している。Windows XPのシェアは24.8%、「Windows 8/8.1」は12.5%だ。その他の11.5%のシェアを占めるのは、米Appleの「OS X」や「Windows Vista」「Linux」などのOSだ。
IE 8のサポートが終了する前に、既存の業務システムやWebアプリケーションのIE 11対応を整えなければ、企業は立ち往生するかもしれない。
現在最も普及しているIEのバージョンはIE 8である。その次に普及しているのはIE 11だ。Net MarketShareが2014年7月に発表したリポートによると、デスクトップPCのブラウザ市場ではIE 8が21.6%を占めている。IE 11は16.8%、IE 9は9%、IE 10は6.3%。「Google Chrome 35/36」は14.8%、米Mozillaの「Firefox」は9.3%。その他のブラウザが占める割合は22.3%だ。
「Microsoftは古いバージョンのブラウザのサポートに関して賢明な判断を下した。ブラウザのリリースサイクルが3年だったときには古いバージョンをサポートすることは可能だった。だが、今はブラウザが1年サイクルでリリースされている。同じようにサポートすることは難しいだろう」と米ワシントン州レドモンドでブラウザ移行ツールを提供しているサードパーティープロバイダーのBrowsiumで代表取締役を務めるゲイリー・シェーレ氏は話す。
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