低価格のWAN最適化装置、Ciscoのレイオフ他
10分で分かる世界のネットワーク業界最新事情
米Array Networksがリモートオフィス向けWAN最適化装置をリリース、米Cisco Systemsが戦略推進に向けてレイオフを発表など。トピックめじろ押しとなった2014年8月のネットワーク関連ニュースをまとめ読み。
米Array Networksは2014年8月、小規模なリモートオフィス環境向けの新型アプライアンスを発表し、同社のWAN最適化コントローラーのポートフォリオを補強した。発表と同時に発売された「aCelera WAN1100」は、10Mbpsのスループットを実現し、同時に最大40のTCP接続を処理できる卓上サイズの機器だ。
小さなオフィスでも使える安価なWAN最適化コントローラー
Arrayのシニアマーケティングマネジャーを務めるポール・アンダーセン氏は「高価な製品に代わる経済的な選択肢を提供したいと考えている」と語る。ArrayはWAN最適化コントローラーを、主力のアプリケーションデリバリコントローラー(ADC)事業の主要な要素と位置付けていると付け加える。例えば、既にArrayのADC「APV」をデータセンターで使っているSaaS(Software as a Service)プロバイダーが、限られた回線容量に悩んでいるリモートオフィスのユーザー向けにaCelera WAN1100を提供することなどを期待しているという。
アンダーセン氏によれば、Arrayはこのアプライアンスを、リモートオフィス環境や、使用されているインターネット回線が細く、IT担当者が配置されてさえいないような事業所で利用されることを想定して設計したという。こうした場所で働く従業員も、職務を遂行し、生産性を最大限に発揮するために、アプリケーションが円滑に機能することを必要としている。「このアプライアンスはプラグ&プレイだ。設置すれば準備完了となる」とアンダーセン氏は語る。
Arrayによると、aCelera WAN1100は、米Microsoft、米Oracle、独SAPのアプリケーションなどの多様なトラフィックを高速化できるとしている。ファイル転送、バックアップ、レプリケーションのトラフィックにも対応できるという。
WAN1100の価格は2000ドル。aCelera WANシリーズのWAN最適化コントローラーは、同製品の他に4機種ある。
Ciscoがレイオフ、市場変化への攻めの対応か
米Cisco Systemsが2014年8月に発表した2014年度第4四半期(2014年5~7月期)の利益はウォール街の予想を上回ったが、同社はこの四半期決算と併せてさらなるリストラも発表した。全従業員の8%に当たる6000人を削減する計画という。米Fortune誌は、Ciscoが人員削減を行うのは、経営資源の配分を見直し、セキュリティ、データセンター、ソフトウェア、クラウド、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)といった分野に重点的に取り組むためだと説明している。
「市場は決して待ってはくれない。われわれは市場をリードしていく」と、Ciscoのジョン・チェンバーズCEOは電話会見でアナリストに語った。「そのためには、厳しい決断が必要になる。われわれは攻めのコスト管理を行い、効率性を高めていく」
Reutersによると、米調査会社ZK Researchのズース・ケラバラ氏はReutersの取材に対し、進化が必要とされていると語ったという。「市場の変化に応じてスタッフも変わらなければならない。Ciscoが行っていることの多くは、経営資源の再配分だと思うが、それはCiscoにとって正しいことだろう」と同氏。Ciscoは2011年と2013年にもレイオフを報告しているだけに、人員削減の発表は懸念を呼んでいるもようだ。しかし、同社が競争力を維持するには、この措置を実施する必要がありそうだ。
インターネットベースのビルディングオートメーション市場が好調
ビルオーナーがエネルギーコストの上昇に対応するために、ビルディングオートメーション(BA)システムの導入を進めていることが、米調査会社Frost & Sullivanが2014年8月に発表したリポート「Global Building Automation Market」で明らかになった。同社はこのリポートで、BAシステムの市場規模が2018年には72億ドル強に達し、2013年実績から26%拡大するとの見通しを示している。
この新しい市場の活況の要因は、各国政府の間で新しい温室効果ガス排出規制の制定の動きが広がっていることにある。同リポートによると、ブラジル、ロシア、インド、中国、ドイツ、米国といった国でBA市場の伸びが特に大きいと予想される。いずれも活発なインフラ投資が背景にあるという。
また、同リポートでは、データセンターとホスピタリティ(航空、鉄道、旅行、ホテル、飲食、ブライダルなど)の両業界でBAの導入が急速に進むだろうと指摘されている。新興国でのインターネットの普及拡大と、観光産業の成長のおかげだ。
「ビルのエネルギー効率向上を目的とした政府規制や政策が、BAシステム市場の追い風になっており、北米、欧州、一部のアジア太平洋地域では特にそうだ」と、Frost & Sullivanのエネルギー・環境リサーチアナリスト、バラジ・アナンド・サガー氏は語る。「市場参加者はBAシステムが、政府規制で定められたエネルギー効率目標の達成に不可欠であり、信頼できるソリューションを競争力ある価格で提供していることを理解している」
だが、Frost & Sullivanは、BA市場の成長を阻害しかねない2つの問題も指摘している。1つは標準の欠如。もう1つは、BAのメリットやROI(投資対効果)をまだ認識していないビルオーナーの存在だ。
一方、米市場調査会社MarketsandMarketsは2014年7月に発表したリポートで、BA市場(ビルのインテリジェント化に必要なITハードウェアおよびソフトウェア、コンピューティングおよびネットワークサービス、ネットワーク機器などを含む)が2019年には748億ドル規模に成長すると予想。ビルオーナーはBAシステムを利用して、二酸化炭素排出の抑制、保守および運営コストの削減、ビルの安全性とセキュリティの向上を図っていると述べている。
同リポートによると、2014年のインテリジェントBA技術の世界市場では、北米の占める割合が40%以上で最大となり、欧州が約30%でこれに続く見通しだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー