15年以上Linuxで過ごしてきた筆者が解説
「Windows XP」移行にお勧め、USBメモリ起動のLinuxを試す
新しいOSを手軽に試してみよう。LinuxをUSBメモリから起動して使ってみることが、「Windows XP」を「Xubuntu」のようなオープンソースデスクトップに置き換える第一歩になる。
「Windows XP」は、きちんと機能する成熟して安定したOSとして人気があった。しかし、米Microsoftがサポートを終了したため、ユーザーはどのOSに移行するかを考えなければならなくなった。最新OS「Windows 8」はユーザーインタフェースなどへの批判が多く、次期OS「Windows 10」の出来を見極めようと様子見をしているユーザーもいるようだ。
そこで本稿では、Linux OSの「Xubuntu」をお勧めしたい。この「Ubuntu」ファミリーのLinuxディストリビューション(配布パッケージ)は、軽量でパフォーマンスが高い。デスクトップ環境として「Xfce」を採用しており、お望みとあればXP風の外観にすることもできる。
Linuxは、多種多様なディストリビューションが提供されているため、自社のニーズに合ったものが見つかるはずだ。Linuxの1つのメリットとして、ほとんどのディストリビューションがインストールせずに試せることが挙げられる。デスクトップおよびノートPCで目的のディストリビューションをUSBメモリから起動して使うことが可能だ。
LinuxをUSBメモリから起動して実行すると、通常のようにPCにインストールして実行する場合よりも動作が遅めだが、申し分なく使える。例えば、筆者は1年前に買った中国Lenovoの「IdeaPad」で、XubuntuをUSBドライブから起動してみたが、Wi-Fiやタッチスクリーンをはじめ、ほぼ全ての機能がすぐに完璧に動作した。
Rufusで作成したブータブルUSBメモリからXubuntuを試用
XubuntuをUSBメモリから起動して使うには、「Rufus」のようなブータブルUSBメモリ作成ツールが必要になる。Rufusは、Windowsマシンにダウンロードするだけで使えるシンプルなオープンソースアプリケーションで、Xubuntuのブータブルイメージファイル(.ISOファイル)をUSBメモリにインストールできる。
筆者はテストマシンとしてLenovoのUltrabook「IdeaPad U430 Touch」を使い、XubuntuをUSBメモリから起動して試すとともに、HDDへのインストールも行った。このマシンは米Intelの「Core i7-4500U」プロセッサ、4GバイトのRAM、802.11n Wi-Fi、500GバイトのHDD、解像度1600×900ドットの14インチディスプレーを搭載する。
当然のことながら、マシンを再構築するときは、必ずファイルをバックアップしておくのが賢明だ。OSをインストールする過程でディスクのフォーマットとパーティションの変更が行われ、そのためにディスク内のデータが全て消去されるからだ。バックアップをしておかないと、フォーマットとインストールが開始されたら、データは全くリカバリできなくなる。
Linuxを試したいだけなら、HDDにはインストールせず、USBメモリからXubuntuを起動して実行すればよい。USBメモリを取り外してPCを再起動すれば、Windowsは通常通り再起動される。
ブータブルUSBメモリの作成に当たっては、まずXubuntuの最新版をダウンロードする。ミッドレンジからハイエンドのWindows PCはほとんどが64ビットプロセッサを搭載しており、Xubuntuも64ビット版を使うようにする。筆者がダウンロードして使ったイメージファイルのサイズは約930Mバイトだった。古い、あるいはローエンドのマシンでは通常、32ビット版を使う。
次に、Windows PCにRufusをダウンロードする。筆者はVersion 1.4.8.505を使った。
USBメモリは、容量が少なくとも1Gバイトあり、大事なデータが保存されていないものを使うようにする。USBメモリ内のデータも作業過程で消去されるからだ。続いて、USBメモリを空いているUSBポートに差し込む。
Rufusを起動し、「デバイス」ドロップダウンボックスで、目的のUSBメモリを選択する。メニューの言語を切り替えるには、画面右上隅のボタンを押して、言語の一覧から目的の言語を選択する。
画面の各項目を以下のように設定する。設定内容は必要に応じて調整していただきたい。
- パーティション構成とターゲットシステムの種類:「MBRバイオスまたはUEFIコンピューターのためにパーティション構成」を選ぶ
- ファイルシステム:「FAT32」を選ぶ
- クラスタサイズ:デフォルトのサイズを選ぶ
- ボリュームの新ラベル:ダウンロードしたXubuntuのイメージ名から生成されるラベルをそのまま使う
- 破損したブロックを検索する:チェックボックスをオンにする
- クイックフォーマット:チェックボックスをオンにする
- ブートディスクを作る:チェックボックスをオンにし、右側のドロップダウンボックスで「ISOイメージ」を選び、その右側のボタンを押して、ダウンロードしたXubuntuイメージを指定する。
- インターナショナルラベルとアイコンファイルを作る:チェックボックスをオンにする
これらの項目を設定したら、「スタート」を押す。すると、選択されたUSBメモリ内のデータが削除されるという警告メッセージが表示される。文中に示されたUSBメモリが目的のものであることを確認し、「OK」を押す。これでUSBメモリのフォーマットとイメージファイルのインストールが行われる。所要時間は5~10分程度だ。
インストールが完了したら、USBメモリを取り出し、Windowsをシャットダウンする(※訳注を参照)。再びPCの電源を入れ、さらに筆者のテストマシンでは、左側面の一番奥にある小さなシルバーのボタンを押した。
※訳注 この後、Xfceデスクトップが表示されるまでのプロセスは、PCによって異なる。USBメモリを差し込むタイミングも同様で、以下の記述とは異なり、PCの電源を入れる前から差し込んでおく場合もある。いずれにしても、電源を投入して何らかの操作によってブートメニューを表示し、一時的な起動デバイスとしてUSBメモリを選択して、画面の指示に従ってXubuntuを起動することになる。
すると小さなブートメニューが表示された。「Boot from the USB device」を選び、USBメモリを差し込み、「Boot」を押すと、1分程度でXubuntuが起動してXfceデスクトップが表示された。
まだXubuntuをインストールしたくなければ、Xfceデスクトップでいろいろ試してみよう。Xubuntuを使い続ける気になったら、デスクトップ上の「インストール」アイコンをダブルクリックするだけで、HDDにインストールできる。なお、Xfceデスクトップで試している段階で、有線または無線LANに接続しておくと、HDDへのインストールがスムーズに進む。
LAN接続は、Xfceのメインタスクバーの右端に並ぶアイコンのうち、上向きおよび下向き矢印のアイコンから行える。LANに接続していなければ、このアイコンは暗く表示され、有線LANに接続していれば、このアイコンは白抜きでくっきり表示される。無線LANにのみ接続しているときは、このアイコンは扇形になる。
有線LANへの接続はほとんど手間が掛からない。PCにLANケーブルをつないだ状態で、XubuntuをUSBメモリから起動した場合でも、XubuntuをUSBメモリから起動した後でLANケーブルをつないだ場合でも、すぐに有線LANが使える。
一方、無線LANに接続するには、上向きおよび下向き矢印のアイコンをクリックし、「ネットワークを有効にする」と「Wi-Fiを有効にする」がチェックされていることを確認した上で、目的の無線LANのSSIDを選択する。初めて選択したときは、続いて表示される認証画面でパスワードを入力する。これでPCが無線LANに接続される。
XubuntuをPCのHDDにインストール
Xfceデスクトップ上の「インストール」アイコンをダブルクリックしてインストールを開始し、「ようこそ」ページで言語の一覧から使用する言語(「English」「日本語」など)を選び、「続ける」を押す。
「Xubuntuのインストール準備」ページで、正常にインストールするための要件の各項目にチェックマークが付いていることを確認し、「サードパーティーのソフトウェアをインストールする」のボックスをチェックする。「続ける」を押す。
「インストールの種類」ページで、インストール方法を選択する(表示される項目は環境によって異なる)。筆者は通常、「それ以外」を選んでいる。Linuxとユーザーデータにそれぞれ別のパーティションを割り当てるためだ。そうすれば、ユーザーのドキュメント、ファイル、設定に変更を加えることなく、簡単にOSをアップデートできる。
Linux初心者は、「____を削除して再インストール」か、「ディスクを削除してXubuntuをインストール」を選ぶとよい。これにより、HDDの内容が消去され、XubuntuがHDDにインストールされる。経験を積んだら、パーティションを再構成してデータを隔離することが理にかなうかもしれない。「続ける」を押す。
「どこに住んでいますか?」ページで、世界地図上から該当する地域(タイムゾーン)を選択し、下のフィールドに設定された地域名(※訳注 日本語を選択した場合、デフォルトは「Tokyo」)を確認し、「続ける」を押す。
「キーボードレイアウト」ページでキーボードレイアウトを選択し、「続ける」を押す。
「あなたの情報を入力してください」ページで、自分の名前、コンピューターの名前、ユーザー名、パスワードを入力する。「続ける」を押す。
インストールが進み、必要なソフトウェアがロードされ、アプリケーションが構成される。
その後、インストールが完了したことを知らせ、マシンの再起動を促すメッセージが表示される。「今すぐ再起動する」を押す。
ログイン画面で、「あなたの情報を入力してください」ページで入力した自分の名前がデフォルトで表示されるので、パスワードを入力する。USBメモリを取り外す。
使いこなす準備
次に行う作業としては、電子メールクライアント「Thunderbird」でのアカウント情報の構成や、米GoogleのWebブラウザ「Chrome」、オフィススイート「LibreOffice」といった追加ソフトウェアのインストール、Xfceデスクトップのカスタマイズなどがある。
ユーザーファイルのコピーや移動は至って簡単だ。例えば、バックアップUSBメモリや外部ドライブをUSBポートに接続し、Xfceのメインドロップダウンメニューから「ファイルマネージャー」を起動して、USBメモリやドライブ内のファイルを自分の「ドキュメント」フォルダにコピーするといったことができる。このドロップダウンメニューは、Xfceデスクトップ左上隅の小さなネズミのアイコンから開く。
LAN接続は、Xfceのメインタスクバーの右端に並ぶアイコンのうち、上向きおよび下向き矢印のアイコンを使ってSSIDを選択して行う。LANに接続していなければ、このアイコンは暗く表示され、有線LANに接続していれば、このアイコンは白抜きでくっきり表示される。無線LANにのみ接続しているときは、このアイコンは扇形になる。なお、試用段階で行ったLAN接続はインストール後も有効だ。
また、Xfceのメインドロップダウンメニューから「Ubuntuソフトウェアセンター」を起動して、追加ソフトウェアを調べたり、インストールしたりしてみよう。アプリケーションのインストールに必要なファイルをダウンロードするには、LANに接続している必要がある。
次のステップを踏み出す
XubuntuのUSBメモリからの起動と試用に加え、HDDへのインストールについて駆け足で見てきた。Linux向けに提供されているオープンソースプログラムは文字通り何千にも上る。筆者は15年以上の間、ソフトウェアを購入したことがないが、それでもコンサルティング、執筆、講演業に必要なものを全部まかなえている。
新しい技術を導入する際には、常に学習が必要になり、学習のペースや達成度は人によって違ってくる。だが、デスクトップLinuxは非常に成熟し、安定している。尻込みする必要はない。代わりに、Linuxを使うという新しい生産的な体験を通じて、あなたの会社が業務を円滑に進めていくのに欠かせないものが全て手に入ると考えよう。
ぜひXubuntuを試してみてはいかがだろうか。筆者が熱心にLinuxを推している理由も分かっていただけると思う。
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