「Windows 10」は待てない
「Windows」はもうこりごり 移行先の本命「Linux」の評判は?
最新OS「Windows 8」に移行したり、次期OS「Windows 10」の提供を待ったりする代わりに、企業は柔軟性を評価してオープンソースのLinuxを検討してみてはどうだろうか。
「Windows XP」のサポートが終了したことで、ユーザーは岐路に立っている。米Microsoftの「Windows 7」や「Windows 8」を確実に実行できる新しいマシンにアップグレードすべきか、米Appleの「OS X」に乗り換えるべきか、あるいはオープンソースOSを試してみるべきか。
Microsoft製のOSを使い続ける場合、煩わしいアップグレード/購入サイクルに縛られたままになる。しかも、サードパーティー製のソフトウェアを利用すると、ちょっとした見落としや勘違いでライセンスやコンプライアンス、セキュリティに違反してしまう可能性がある。
Appleは若者やクリエーターに人気だが、ユーザーの囲い込みがMicrosoftよりはるかに露骨だ。また、Appleのハードウェアデザインや製品に組み込まれた直感的な機能は秀逸だが、そうした優れた品質を手に入れるには、かなりの費用が掛かる。
そこでLinuxの出番だ。
Linuxは、「習得が大変」「分かりにくい」「DIY(Do It Yourself)型」という評判を聞いたことがあるかもしれないが、もうLinuxはそのようなOSではない。1991年に誕生して以来、このオープンソースOSではさまざまな改良が重ねられてきた。この取り組みの多くは、日常的に使うユーザーが学習にあまり労力をかけずに、すぐに簡単に習熟できるようにすることに重点を置いたものだ。また、Linuxは既製のパッケージをそのまま使うことも、カスタマイズして使うことも自由に選択できる。
Linuxの真価は選べること
Linuxのディストリビューション(配布パッケージ)は、あらゆるニーズに応じて、非常に幅広い選択肢が用意されている。そのほとんどがWebから無料で入手できる。
ハードウェアを選定したら、そのプラットフォームに対応したLinuxディストリビューションやバージョンが見つかるはずだ。Linuxの動作環境は、米Intelの386/486プロセッサといった旧型CPUや128Mバイト程度のメモリを搭載するコンピュータから、マルチコアプロセッサとタッチスクリーンを搭載する強力な最新ノートPCまで、極めて多岐にわたる。
例えば、(Windows XPからOS移行する必要のある)既存マシンにLinuxをインストールし、少なくとも減価償却が済むまで新しいマシンの購入を先送りできる。また、新型ノートPCにLinuxをインストールし、どこにでも持ち歩ける高性能、高信頼マシンを構築するといったことも可能だ。
オフィスアプリケーションや電子メールクライアント、最新のWebブラウザ、アニメーション効果が用意された快適なフル機能のデスクトップを使いたい場合は、「Kubuntu」を試してはどうだろう。Windowsの代替となり得るLinuxディストリビューションだ。
企業向けにもう少し一般的な製品を望むなら、米Red HatのLinuxディストリビューションが適しているかもしれない。
実際、Linux関連情報サイトのDistroWatchでは、考え得るほぼ全てのLinuxディストリビューションが紹介されており、自社の要件に合ったものが見つかるはずだ。さまざまなLinuxディストリビューションに関するレビュー、コメント、最新および将来のリリースなどの情報が体系的に整理されている。Linuxの検討者や愛好家、初心者にとって格好の情報源だ。
サポートを購入するか、社内で人材を育成するか
Linuxを社内で利用し、保守する方法もさまざまな選択肢がある。
可用性と信頼性が高く、フル機能のデスクトップ/ノートPCが必要なだけであれば、サポートサービスを社外に求めるとよい。
さまざまな企業がエンタープライズレベルの商用サポートを提供している。ドイツSUSE、英Canonical(Ubuntu)、Red Hat、米IBMといった企業は、数台から数千台までのLinuxマシンの保守や運用に対応できる。こうした企業は、Linuxシステムを利用する顧客へのサービス提供を担当する専門部署を設けている。
それに対し、自社運用を好み、「社内のIT担当者がLinuxシステムやサーバを運用する方が合理的」と考える企業もある。運用に関するほぼ全ての処理や手順、課題は詳細に分析されており、その解決策や専門家によるシステム管理のアドバイスは、Webサイトや書籍などから入手できる。
Linuxの専門家を雇う場合は、経験豊富なLinux管理者は通常、WindowsやOS Xのマシン、サーバ、ネットワークの運用を十分にこなせることを念頭に置くとよい。Linux管理者をチームに加えて、WindowsからLinuxへの移行を加速させよう。Windows時代を振り返らずに済むようになればしめたものだ。
USBメモリから起動して使うのも便利
ほとんどのLinuxディストリビューションはUSBメモリから起動できることを知っているだろうか。Windowsが全く起動しなくなったり、HDDが故障したりしても、Linuxのブータブルイメージを格納したUSBドライブを接続すれば、Linuxを起動してコンピュータを操作できる。筆者は時々、問題が起こったノートPCやデスクトップPCの修理やトラブルシューティングのために、この起動方法を使っている。
この方法は、特定のLinuxディストリビューションやバージョンを試用する際にも役に立つ。筆者は「Xubuntu」を最後にアップデートしたとき(バージョン10.04から11.04に)、事前に1~2日間、新バージョンをUSBメモリから起動して試用し、新機能の使い勝手を確認した。
試用後は、新バージョンをHDDにインストールし、全ての既存ファイルへのマッピングを完全に行うだけのことだった。筆者はLinuxシステムとユーザーファイル用に専用のディスクパーティションを使っているため、アップグレードは大抵簡単で、ディスク全体の再構築は必要ない。
Linuxを採用するか否か
オープンソースOSはあなたの会社で機能するだろうか。その答えを出す一番の近道は、試してみることだ。
具体的には以下の通りだ。
- 社内の備品からノートPCを数台確保し、仕事熱心で優秀なIT担当者に渡す
- 特別なプロジェクトとしてLinuxをインストールし、できるだけ習得するよう指示する
- 担当者間で協力し合うことを奨励する
- 数週間~1カ月に1回、経過を直接報告するよう指示する
- 1回か2回、こちらから進捗を確認する。ただしそれ以上はしない
こうすることで、「Linuxがあなたの会社に合うかどうか」、そして最も重要な「それはなぜか」について、迅速に答えを出せるだろう。それは貴重な洞察だ。
本稿筆者のロバート・ライリー氏は、民間部門、スモールビジネス、IT系メディア企業を顧客とする独立コンサルタント・講演者。Linux、オープンソース、IoT、DIY、企業動向、ITキャリア開発に関する分析やハウツー記事を執筆するフリーライターでもある。
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